夜景撮影で自然な感じで撮る – ISO感度を上げて撮る時 #5

ISO感度6400、F1.4で撮影。背景の桜にストロボをあてずに撮ると、また違った雰囲気で撮れる。
ISO感度6400、F1.4で撮影。背景の桜にストロボをあてずに撮ると、また違った雰囲気で撮れる。

夜桜などの背景を活かしつつポートレート撮影をしたい場合に、手っ取り早い手段として、ストロボを数台用意して、被写体となるモデルと桜を同時に光らせるという方法がある。

桜にストロボを光らせると、それなりに綺麗に見えるのだが、やり過ぎると白飛びするし、ムラがあると余り綺麗に見えない。

先日、Otusを購入するきっかけになったアマチュアカメラマンの撮影した夜桜ポートレートの写真を見せて貰ったのだが、ストロボで明るく照らした桜の光の当たり方にムラがなく、流石普段からカメラだけでなく流れる空気についてもこだわっているだけあるなと舌を巻いてしまった。ストロボは8台使ったと言っていた。

流石にそれだけの機材を揃えるのは難しいので、何とか手持ちの3台のストロボで綺麗に撮れる方法はないかと考えたが、いっそのこと桜にはストロボを当てず、ISO感度を上げることで、環境光だけを頼りに桜の自然な雰囲気を出せないかと思いついた。

撮影場所は狭く一般人も多いため、大きなライティング機材は使えない。小型のディフューザーをモデルに当てるメインストロボに付けて、後は手持ちで撮影。

ISO感度4000、開放F値1.4、85mmのレンズで手ブレしないセオリーより遅い1/100秒で撮影。DPPで+0.33明るさ補正。
ISO感度4000、開放F値1.4、85mmのレンズで手ブレしないセオリーより遅い1/100秒で撮影。DPPで+0.33明るさ補正。

ISO感度を4000まで上げて撮っている。そこまで上げないと、仄かな環境光のみを頼りにした撮影では、桜を明るく写すのは難しい。

本来なら三脚を持ってきて、スローシャッターで撮った方が良かったかも知れないが、ロケ地がどのような場所なのか、趣くまで全く体感できなかった。三脚を立てて人物を撮るのは構図の変化を付けるのに煩わしいのもあるし、荷物が重くなるし、邪魔になりはしないだろうかと思ったからだ。ロケハンの大切さを知った次第である。

ISO8000で撮影。これくらいISO感度を上げないと、ストロボなしでは撮れない場所だった。
ISO8000で撮影。これくらいISO感度を上げないと、ストロボなしでは撮れない場所だった。
ISO感度5000、F2.2、SS1/100秒、DPPで1段明るさ補正。
ISO感度5000、F2.2、SS1/100秒、DPPで1段明るさ補正。

ちなみにこちらは、桜にストロボ光を当てて撮影した写真。ISO感度を上げたくないのなら、こちらの方法でも良いだろう。ISO感度100、絞りF1.4、シャッタースピード1/100秒で撮影している。

ストロボを使えば、ISO感度100でも背景の桜がキチンと写る。
ストロボを使えば、ISO感度100でも背景の桜がキチンと写る。