皆さんは友達からライブの撮影を頼まれたことはあるだろうか?友達がバンドを組んでいて、撮影をお願いされた場合を想定して、小規模なライブハウスでのライブの撮り方を紹介していきたい。
カメラは一眼レフデジカメで。フルサイズ機なら有利!
スマートフォンのカメラで撮れないこともないが、ライブハウスが暗い為にノイズがたくさん発生して、綺麗には撮れない。出演者の動きが激しければブレブレの写真が量産されることだろう。また、コンパクトデジカメよりも、一眼レフデジカメが望ましい。暗いライブハウスでは、必然的にISOを上げて高感度で撮影することになる。暗いとノイズが多く発生するので、APS-C機よりもノイズの少ないフルサイズ機がお勧め。
ライブハウスでの撮影に最適なレンズ選び
単焦点レンズ
50mmや85mmの明るい単焦点レンズをお薦めする。F1.2からF1.8といった明るいレンズで開放で撮れば、シャッタースピードを稼ぐことができる。
追記:上に紹介したレンズは高すぎる、もっと安い50mmの単焦点レンズを紹介してはどうかというご指摘を読者の方からいただいたので、Canon EF50mm F1.8 STMも紹介しておこう。実売価格14000円前後でF1.8という明るいレンズなので、暗いライブハウスでも威力を発揮することだろう。またF値の小さいレンズを使うことで、通しF2.8のレンズとは違った絵作りが期待できる。ただ筆者はこちらのレンズは使用したことがないので、紹介のみにとどめておく。
キヤノンのEF85mm F1.2L Ⅱ USMでも撮影したことがあるが、いつもとは違ったライブ写真を撮ることができた。ただAFがかなり遅いので、激しい動きをするバンドの写真にはあまり向かないかもしれない。
大三元ズームレンズ
開放F値2.8のズームレンズを使えば、暗いライブハウスでも明るく撮影することが出来る。使いやすい焦点距離は24-70mm。この焦点距離をカバーしているズームレンズを使えば、広角から中望遠まで、レンズを交換せずに様々なイメージでライブを撮影できるので大変重宝する。
70-200mmF2.8、200mmF2.8の望遠レンズ
ライブハウスはお客さんがたくさんいて、前の方が埋まっているということもよくある。後方から楽に撮影する為には、望遠レンズが威力を発揮する。被写体を近くに引き寄せられるので、インパクトのある写真を撮影することが可能だ。
ライブ撮影に最適なカメラの設定
ISO感度を自動的に変更できる機能がカメラに備わっている場合は、マニュアルモードで撮影する。
ISO感度を自動にすることで、照明の強弱が目まぐるしく変わる(カメラの適正露出を変えなければならない)ライブハウスの撮影に対応でき、併せてマニュアルモードにすることで、シャッタースピードと絞り値を固定して撮影することが出来る。
シャッタースピードは1/250秒~1/320秒に設定して、手ブレや、動きの激しい被写体ブレが発生するのを極力抑える。ワザと被写体をブレさせてライブの臨場感を出したい場合は、もっと遅いシャッタースピード(1/125秒)でも構わない。
F値は、暗いライブハウスでの撮影に適応する為には、開放、もしくは若干絞って撮るといいだろう。50mmや85mmのF1.4なら、F2.2くらいまで絞ると、被写体がクッキリと撮れる。開放2.8なら、F3.5くらいまで絞るといいだろう。
- マニュアルモード
- ISO感度 自動
- シャッタースピード 1/250秒~1/320秒
- 絞り値 開放もしくは開放付近
カメラに自動でISO感度を変えることが出来る機能がついていない場合は、絞り優先モード(Av)で撮影する。F値の設定は開放が良い。
RAWで撮影してパソコンで楽々色修正!
RAWモードで撮影しよう。出演者の出番が20分程度の場合、撮影枚数はがむしゃらにバシャバシャ撮っても、多くてだいたい300枚程度だ。SDカードやCFカードの容量が16GBあれば充分記録できる。
なぜRAWモードなのかというと、撮影後にパソコンで、RAW現像ソフトを用いて、ホワイトバランスを変更し、肌の色を調整することが出来る為。ライブハウスは照明の色がコロコロと変わったり、原色のライトが当たったりして、肌の色が正確に出ない。青かったり紫がかっていたり黄色かったりと様々な肌の色になる。
それもライブ写真の醍醐味なのだが、RAWで撮影することで、後日パソコンでホワイトバランスを変更して、自然な肌の色に調整することも可能だ。普段RAW現像になれていない方は、併せてJPEGモードで撮ることを忘れずに。RAWモードだけで撮ってしまうと、不慣れなデータの取り扱いにまごついてしまい、頼まれていた出演者に、早急にデータをお渡し出来なくなる恐れもある。どちらのモードで撮るか迷う場合は、RAW+JPEGモードで撮る様にすればよい。