2度目の撮影のコスプレイヤーさん。撮影会のモデルもされているので、ポージングの切替が早くて巧い。慣れた感じで次々とポーズを取っていく。
かたや撮影者の方はというと、余りその手の撮影会に遊びに行ったことがない。8年くらい前にプロカメラマンが主宰の地下アイドルの撮影会に何度か遊びに行ったことはあるが、お誕生日会とかそういう名目で赴くことが多く、短い時間では筆者にとって主目的である写真のスキルも向上しない。カメラの設定やライティング他様々なスキルを急速に身につけていったのは、コスプレ撮影がきっかけだ。
何が言いたいかというと、女の子キャラを撮り慣れていない。ポートレートも数えるほどしかこなしていないし、故にポートレート撮影で女の子を可愛く撮るための研鑽を積まなければいけないなと思うのだが、なかなか応募が来ないし、こちらとしてもモデルに奢る飲食費や交通費などの持ち出しが多いので、余り積極的に動く気になれない。
普段のコスプレ撮影では男装を撮ることが多い。TwitterのTLなどを見ていると、恐らく他のコスプレカメラマンよりも男装の割合が多いように思われる。女性のフォトグラファーと比べたことはないから、そちらの割合は分からないが、男性は女の子のキャタクターを撮りたいと思うものなので、恐らく男性カメラマンと比べると、筆者は男装を撮る割合が多い。
理由の一つには、長年メインで撮っている女の子のコスプレイヤーさん達が男装メインで活動しているという事がある。男装というと格好よく撮るのがメイン。後は作品の再現性を重視したりする。一方で女子キャラを撮る場合は、作品性の再現もさることながら、可愛く、時にはセクシーに撮ることが求められる。筆者は可愛くセクシーに撮る事に慣れていない。
しかしこのコスプレイヤーという言葉もまた曖昧で、使う時には違和感を覚える。職業としている人としてコスプレイヤーと名乗っている人もいれば、趣味の活動として名乗っている人もいる。状況に応じてその両方の意味を使い分けている人もいるかも知れない。職業ではないので、「コスプレイヤーです」と名乗るとき、何か自分がコスプレイヤーであることをアイデンティティとして表明してしまっているような恥ずかしさと違和感がある。
また話が脱線してきたので、本題に戻そう。今回もポーズを撮って貰った。撮影会をこなしているレイヤーさんなので可愛いポーズが巧い。レイヤー側から投げられたポーズを受け取る撮影者は、どのような構図で撮るかという事が重要になる。一通り撮影してからレイヤーさんに見て貰って、指示を仰いだりする。あっちの方角から撮って欲しいと言われることが多い。そのように言われて、おそらく正面よりも斜めの方角から撮った方が良い写真が撮れるという事を経験則から知っているのだろうと推察する。やってみるわけだが、レイヤーが求めている写真が撮れたかどうかはコスプレイヤーのみぞ知る。
後は上からだろうか。上から撮ると小顔効果か出るので喜ばれる。筆者自身もコスプレして撮って貰う時はほとんど上から撮って貰っている。もしくは自分が座ったりする。顎がシュッとするので加工いらずだ。
やはり構図は大切だなと思う。レイヤー側から可愛いポーズを投げかけられているのだから、撮影者としてはそのポーズの魅力を最大限に引き出すための構図をすぐに出せるようにしなければならない。メインではマニュアルフォーカスのレンズを使っているのだが、矢継ぎ早に出されるポーズに対してピント合わせを素早くするなら、AFレンズに戻るのもアリかなと思ったが背景を思いっきり暈かして撮って欲しいとの強い希望があるので、開放でも収差が出ないOtusが手放せないのだった。構図を素早く引き出すにはズームレンズの方が利便性が高いかなと思ったが、今現在は通しF4のズームレンズしか所有しておらず、余り暈けないから、レイヤーの希望に答えられない。なかなかに難しいところだ。女子キャラの撮影を数多くこなして撮り慣れるしかないだろう。