平成最後の日にロックミュージシャンの遠藤ミチロウさんが膵臓癌で死去したとのニュースが報じられた。半年ほど前にも癌のことでニュースになった記憶があり、その度毎に1度だけ聴きに行ったライブのことを思い出した。地下アイドルと呼べるかどうか分からないロックな女の子が遠藤ミチロウさんと念願の共演を果たすという事でライブに誘われた縁であの美園ユニバースにあるイベントスペースに観に行くことになったのだ。今から10年前のことだ。
僕は音楽方面は全く疎くて全然知らないかただったので、自分より若い女の子が80年代に活動していたロックバンド「スターリン」を知っているのが驚きでもあった。色々調べてみるとかなり過激なパフォーマンスをしていたことで有名な方らしく画像検索してみると結構刺激の強い写真が出てくる。
当時は誘われるがままに地下アイドルのライブにだらだらと通っていて、ライブレポなどを書いてはサイトに上げていたのだけれど、そちらの方は閉じてしまったので10年前の当時を振り返る思いで再掲したい。しかし写真というのは色褪せないもので、10年前に撮ったのに、まるで昨日の出来事のように写っている。実際この10年で何か変わっただろうか。ファッションは変わっているのだろうが、このフォルダに写っている歌い手達が今このままの姿で出てきてもおかしくもない格好をしている。アングラな世界でもあったから流行などは関係ないのだろう。
荻野アサミちゃんはライブではカメラを向けると中指をおっ立てるのが好きなアーティストさんで、薬剤師でもあったが、東京の方に活動拠点を移し、今は歌い手としては活動を停止している。野中ひゆちゃんは、今現在も活動しているみたいだ。
当時使っていたカメラは史上初のフルサイズデジタルカメラCanon EOS 5D。レンズはCanon EF24-70mm F2.8L USM。ズームレンズだが明るいレンズなので、ライブハウスの撮影などで重宝するが、当時はプログラムAEモードで撮っていたので、F2.8、ISO感度1600で、シャッタースピードが1/25秒〜1/40秒となっており、目で見た限りではそれほど暗い場所とも思われなかったが、カメラにとっては比較的暗いスペースであったことが窺える。そういえば他の場所よりも撮るのが難しい場所だった。通常のライブハウスであればライトで明るく照らされるので、それが無かった為だろう。当時はRAWとJPEGを気分次第で変えていたので、色温度の調整が難しかった。RAWで撮っておけばもっと良い色が出たかも知れないと悔やまれる。
ミチロウcalling(2009年8月23日)
ガチャガチャQの後は、難波千日前ディグダグに行ってきました。 イベントは、ミチロウcalling。遠藤ミチロウさんというパンクの凄い人が来るということで。
一昨日、アートスペースあばんとで、野中ひゆちゃんに聞いた話では、かつては、豚の臓物を客に投げたり、実際に自傷行為をしたり、ギターを叩き壊したりと、凄い派手なパフォーマンスをするという風に伺っていたので、 僕みたいなのが行っても大丈夫かしらと不安だったのも事実。
さて、15分前にディグダグに到着。いつものアイドルイベントとは、お客さんの雰囲気違うような。。。体躯の大きい白人男性がいたり、スキンヘッドにサングラスのいかにもパンクな出で立ちの方がいたりで、気分はそわそわ。
1人目は、たくまん。
あんまん、豚まん、たくまんと覚えてください。と最後のMCで言っていました。旧日本海軍の特攻回天をテーマにした 曲をyoutubeにアップしたら、3万hit行ったんだけど、そこから議論みたいになって、非国民呼ばわりされたとかで、そんなんで作ったんちゃうわ!と怒ってました。youtubeからは削除したそうですが、とても良い歌だった。一級障害者だそうで、見た目普通の健康そうな方だったので、最初ネタかと思ったら、脇に管が通ってるとか。
ロリペドール。野中ひゆちゃんと荻野アサミちゃんのユニット。
今回はいつものカラオケで歌うのは禁止ということで、アサミちゃんがアコースティックでギターを、ひゆちゃんが100円の楽器を持ってきてました。
衣装もエヴァの第3新東京市中学校の制服ではなく、アサミちゃんが、遠藤ミチロウのコス? ひゆちゃんが白いワンピースでした。
アサミちゃん、ひゆちゃんをおばあちゃん呼ばわり。今回はアサミちゃん、腰が低かった。お耳汚しとか何とか言ってたな。やはり遠藤ミチロウさんが来ているということで、お客さんもいつもと違うので、少し緊張していたような感じも。
1曲目は「恋愛ED/音楽ED」オリジナル。2曲目は「Still I’m Nervous」オリジナル。3曲目は「蛹化の女」戸川純。ラストは、「諦念プシガンガ」戸川純。
戸川純歌った時の、アサミちゃんのコーラス良かったー。声が良かった。またアサミちゃんの魅力発見。その間、ひゆちゃんが壁に垂らした大きな紙に女の横顔を墨汁で描く。これがまた、うまかった。
アサミちゃんはギター弾けない言ってたけど、普通に弾けてた。 僕は全くの素人なので、ギターの腕に関してはよくわからん。おもちゃのギターだそうな。ひゆちゃん、当日は体の具合が悪くて、少し口調がゆったりしてたけど、それがまた良い味出してた。黒いケースを叩いて太鼓代わりにする。
ラストの曲で、歌いながら、腕の傷をパテみたいな棒状の物で、一気にそぎ落とす。お客さんから驚きの声が。この日のひゆちゃんの腕の怪我具合は、いつもより深かったな。
THE ヒト。
精悍な顔つきにスキンヘッド、帽子、穴あきTシャツにギターと、北堀江をふらりと歩いてそうなオシャレな格好だったので、オシャレな音楽やりはるんかなぁと思ってたら、オイラ風だった。フーテンっぽい感じ? 歌舞伎役者のように目を寄せて歯を思いっきり噛みしめて歌うスタイル。凄い力こもってた。お父さんがホームレスで亡くなったそうで、その父について歌った歌も。とにかく力強い。この世の憂さやら情念やらを吐き散らすような歌い方。
ラストは、遠藤ミチロウさん登場。
顔をドーランで白く、まぶたを黒く塗ってた。アサミちゃんが真似てた化粧やね。
ディグダグのオーナーと、もうひとかた熱烈なファンの方が、頬を上気させながら、興奮気味に前説を。ディグダグを始めたのも、遠藤ミチロウさんを呼ぶ夢があったからだとか。
8時から11時まで3時間弱の演奏でした。
イメージがとりとめもなく移り変わっていく歌が良かったです。自動筆記のような。ああいう系の歌、結構好きです。
途中温泉の話が。 地方に転々とライブに行った際に温泉に入ったけど、油の温泉とか、アンモニア成分の温泉とかに入ったとか。そんな話をしつつ、次の曲が「温泉FUCK!」 ご本人曰く、温泉でのセックスは、あんまり良いもんじゃないらしいです。頭に血が上るか、下の方に血が上るかで、大変らしい。
その頃、周りはみんな金持ってましたね、バブルの頃に反社会的なパンクやってて変な話ですがと、自虐ネタも。今の時代の方が出てきそうですけどね、という話だったと思う。
後は、共産主義宣言っぽい歌だったかなぁ。あれも良かった。
演奏の途中で第6弦が2度も切れて、ここ何かあるんですかね、と。
近くのカレーうどんが美味かった話や、近くに泊まったホテルが、やけに広くて怖かった話なども。
長いライブが終わって、水を飲む。これで終了かな、と思ってたら、「誰も言ってくれないので、勝手にアンコールやります」「結構傷ついてます」といいつつ、アンコールを数曲。そういえば、ディグダグでアンコールかかってるのは見たことないな。
そんなこんなでライブ終了。時間は11時。以上、ミチロウcallingのレポでした。