まだコンパクトデジタルカメラ(通称コンデジ)を持っていた頃に、神戸メリケンパークを訪れたことがある。あの日も夏の暑い時期で、メリケンパークの先にある神戸ハーバーランドは10周年を祝う飾り立てでお祝いムードだったが、この頃から買い物客は少なかった。
地元民は地元の観光名所には行かないというセオリー通りに、僕自身も神戸北野町異人街やメリケンパークは数度しか訪れたことはない。いつでも行けるという思いで油断してしまう。
この日は期限切れ間近の株主優待を消費してしまおうと映画を2本一気に見ることにしたのだが、1本目と2本目の間が2時間ほど空いていたので、少しぶらりと散歩してみることにした。大丸の前を通り、洒落た幅の広い商店街のアーケードに入り、南の路地の方に目をやると神戸ポートタワーが見たくなったので、南京町を抜けて、メリケンパークを久しぶりに訪れてみると、すっかり様変わりしていた。
元々は日陰だったか木陰だったかの所にホームレス達が幾つかテントを張ってあったように記憶しているのだが、それらもすべていなくなっていた。広々とした公園の一角には噴水があり親子連れが水浴びをして涼んでいた。
やはり一番の見所は海の貴婦人・神戸ポートタワーだろう。まずここから訪れてみた。遠くから見ても上品な佇まいだが、近くから見上げてみると、目眩がするほどに高い。そして東京タワーと同じく赤い。元々は銀色だったか別の色の予定だったらしいが、この赤が新鮮で建造されてから既に50年以上は経っているはずだが古さを感じさせない。青空にもよく映える。時間がなかったので外からのみ。中にはまだ入ったことがない。
新しく出来たのはスターバックスで、これが外国映画の中に出てくる店のように洒落ている。海の見える広々とした空間にぽつんとある感じが良い。
BE KOBEのフォトジェニックなモニュメント。テレビの報道で見た時はエラいベタなモンを作ったなぁという思いが強かったが、実際に訪れてみると、これが白くてピカピカで海とも合い、とてもシビれる。神戸市は街作りがうまい。
あと変わったモニュメントも見えたが、映画の待ち時間の合間に訪れて急いでいたこともあり、やたら暑くて踵を返したくなかったので、撮りに行くのを忘れてしまった。
メリケンパークの名物建築物、神戸海洋博物館カワサキワールド。
停泊中のクルーズ船。大人1,500円くらいで乗れる。
幾つかの建物の中に入ってみたが、昭和50年代のレトロな古さを感じさせた。昭和40年代とは異なる、どこか当時の清新さが入り交じったレトロさ、海に似合う白。床はリノリウムだろうか。
メリケンパークから北に歩くと、そこは歴史的建造物が建ち並ぶ旧居留地。例の大地震で倒壊したが再建されたものがあったり、グッチやプラダなどのハイブランドなお店が入っていたりする。
この先をずっと行くとヨーロッパ系・アート系・インディペンデント系の映画を上映している上品な映画館・シネリーブル神戸がある。そして三宮のメインストリートとも言える三宮センター街に到着。祭でもあるのか、天井には提灯がたくさんぶら下がっていた。