早朝から京都の嵐山に行ってきた。早朝と言っても着いたときには朝の8時を回っていた。6時過ぎに家を出たのだが、これなら始発で行けば良かったかなと少し後悔した。
しかしこの日の空はあいにくの曇り模様。天気予報では曇り時々晴れ。嵐山と渡月橋に向かって三脚を立てたときに少しポツポツと雨が降った気配さえした。
嵐山と渡月橋のセットで撮るときにどう撮るかいつも迷う。今回は三度目。1回目は今年の新緑の時期に、2回目はいつも撮影している女の子二人とポートレートを撮りに来たときに。そして3度目、一年も経たないうちに三回来たことになるが、どうしてもまだら模様に色づく紅葉した嵐山を撮りたくて訪れたのだった。
まず阪急嵐山駅から向かって渡月橋を渡るときに山だけを撮ってみたのだが、これがどうも寂しい。ただの山の写真だ。嵐山と桂川とブルーのボートが並んでいるのが写っている。やはり渡月橋が欲しい。渡月橋を手前に置くことで現代的なブルーのボート群の存在を弱めたい。
テレビのニュースでは渡月橋を渡るのに30分待ちと言っていたが、やはり朝8時は地元らしき人しか渡っておらず人通りは少ない。交通量もそう多くない。まずは渡月橋を渡りきった手前から、嵐山と橋を手持ちで撮ってみた。
焦点距離38mm。やはり風景写真を理想的なフレームで収めるためにはズームレンズは便利だなと感じる。使用カメラがCanon 5DsRなので広めに撮ってトリミングという事も出来るが、広角側で撮る場合は歪みが生じるか否かが気になる。
画像はカリカリに加工したから雲のディテールが出ているが、実際には曇りの日特有の味気ない白い空に写っていた。ちなみにカリカリに加工すると、これまでは見えなかった撮像素子に付着しているゴミが浮き出てしまう。Lightroomの「かすみ除去」を使ってカリカリに加工すると同じようにゴミが浮き出る。
河岸を歩いて渡月橋から離れつつ撮影していく。焦点距離66mm。
中望遠で撮ることで、山を引き寄せてダイナミズムを出してみた。このときには三脚を立てて撮影していた。曇っていて暗いしF11まで絞って撮りたいから、手ぶれ防止機能付きレンズでも手持ち撮影には限界がある。超高画素なために比較的ブレやすい5DsRでもあるし。
どのような構図で撮れば良いだろうと迷い、iPhoneで画像検索してみることにした。すると紅葉を嵐山に冠のような趣で被せて撮影している写真が出てきた。これだ!と思い、どこの撮影スポットだろうとぐるりと見渡してみると紅葉している場所がある。そこに行ってみて三脚を立てレンズを向けてみると確かにこの場所のようだ。
今画像検索してみたら、自分が撮った構図とは異なる写真が出てきた。スマホと睨めっこしながら撮っているわけではないから違いが出て当然なのだが、そういえば奈良の浮見堂を撮った時もなぜあの箇所が撮影スポットなのだろうと疑問に思い、後から家で画像検索してみたら同じような構図で撮っている写真が出てきたから、そのイメージが頭の中にあり、それを再現しようとしていたのだろう。無理して冠型で撮る必要はなかったかも知れない。肝心の紅葉も少し枯れかけていたので、ベストショットを狙うのはなかなかに難しい。
焦点距離は37mmとは57mmで撮影した。
超広角ズームレンズCanon EF11-24mm F4L USMも持ってきていたので、どんなもんだろうと試しに撮ってみたが、ここまで広く写す必要はないのではないだろうかという結果になった。土産物屋とか写らなくてもいい建物が結構映り込んでしまう。
Otus1.4/85に取り替えて、嵐山を切り取るように撮影してみた。これはこれで迫力があって良い。渡月橋が良い味を効かせている。橋がなければただの紅葉したよくある山写真だ。嵐山を嵐山たらしめている橋。なくてはならない橋なのだと実感した。
というわけで嵐山と渡月橋を撮るときに持っていくと便利なレンズは24-70mmの焦点距離をカバーしたレンズであることが分かった。85mmのような中望遠レンズがあれば嵐山を引き寄せて撮る事も出来る。とりあえずズームレンズ1本あれば事足りるだろう。