通常レンズは絞りを開放にして撮ると、様々な欠点が発生する。滲みなどの色収差や、輝度差の激しい境界に発生するパープルフリンジ、周りが暗くなる周辺光量落ち、背景の丸ボケが正円ではなくレモンのような形になる口径食などがそれである。
敢えてそれらの描写の欠点を活かす撮り方もある。収差を活かすことで、イメージ通りの写真を撮れることもある。
冒頭の写真は開放ぎみのF1.4で撮っているため、セーラー服の白の境界部分にパープルフリンジが強く発生しているし、顔の描写もシャープネスに欠け、ぼやっとしている。そしてハイキーに撮っている。
最近はOtusばかりで撮っていたので、開放で撮っても収差が発生せず、開放F1.4からシャープな写りをした写真ばかり撮っていたが、たまにはこういうレンズで描写を楽しむのも良いかなと思った。
ちなみにこちらはOtus1.4/85で撮影した写真。
開放F1.4から解像感溢れていて、実際に目の前にいるかのように際立っている。特に瞳の写りが綺麗。5060万画素というと女性の肌の細かいところまで写るのではないかという心配があるが、等倍で見ても綺麗な肌に写っている。おそらく中途半端なスペックのカメラで撮った写真よりも、女性の肌の美しさの再現性が優れているのではないだろうか。
というわけで、時々Canon EF50mm F1.2L USMを使って、収差を活かした写真を撮りたくなるのだった。