白ホリゾントに比べると、黒ホリゾントが撮りやすいのはなぜだろう。白ホリゾントはどうも複雑である。光を足していくのと同時に引いても行ったり掛けていったりしているような感覚。一方で黒ホリゾントは、単純に光を足して行っている感覚がある。
真っ黒なカンバスに被写体を置いて、まずは光で照らす。適正露出が定まったら、今度は後ろからもカラーフィルターなどを使って光を足していく。
赤い宝石のイメージで、体に赤い光を帯びさせて欲しいという要望があり、早速いつもやっているようにカラーフィルターをモデルの真後ろから光らせてみた。しかしこれがなかなか上手くいかない。これが白い光なら、体の輪郭を光が綺麗に縁取るのだろうが、どうも僅かばかりにしか赤が縁取らない。カラーフィルターを着けたことで光量が弱まっているせいだろうか。照射角を広角や望遠と変えてみたが、目立った改善効果はなし。
そこで後ろ斜め横から当てることにしたら、体に上手い具合に赤の縁取りを乗せることが出来た。片側からだけだと具合が悪いので、もう片方からも赤い光を当てることにしたが、あいにく赤のフィルターが一つしか入ってない。ということで赤に近い色をストロボに取り付けて光らせることにした。これで要望の写真は完成。
こういうシーンに出くわすと、カラーフィルターをもう1セット買っておく必要があるなと痛感する。4,500円くらいだっただろうか。
今度は座りのシーン。これも赤で光らせる。今度は真後ろから一灯だけで光らせることにした。ストロボ+アンブレラホルダーを取り付けたミニ三脚の足を縮めて、アンブレラホルダーを前に突き出し、若干斜め上から、床にも光が帯びるように設定したら、作例のように一発で上手くいった。
試しに床にストロボを置いて、上に向かって曲げて光らせてみたら、床に赤い光が帯びずに赤い光が写真の印象に及ぼす効果が弱くなった。
立ちポーズの時は真後ろから光を当てると、あまり体に光が帯びなかったが、座りの時はたくさん帯びている感じがする。やはり黒い衣装の方には赤が帯びていないので、恐らく床に照り返している赤が一役買っているのだろう。