コスプレ写真とピクチャースタイルのポートレートモードは相性が悪い?

ピクチャースタイル「風景」、色の濃さ+1、クリックホワイトバランスでRAW現像。model:mayu
ピクチャースタイル「風景」、色の濃さ+1、クリックホワイトバランスでRAW現像。model:mayu

キヤノンのカメラに限った話になるが、ポートレートモードとコスプレ写真の相性は悪い。たまに良い発色をする時はあるが、たいていの場合はピンクに寄りすぎて、コントラストが低いような感じの写真になってしまう。

キヤノンの公式サイトによると、マゼンタから黄色の色合いを赤色寄りにしてほのかなピンク色の肌に仕上げ、明るくもなるそうだ。その通りになるが、どうもコスプレ写真と相性が悪い。

マクロスFのランカ・リーのコスプレを撮影してきたが、家に帰ってCanon DPPでRAW現像する際に、色味が薄いことに気づいた。スタジオ内でF1.4やF2のような設定で、ストロボ光を極力弱めにしたために、スタジオの天井の明かりとのミックス光でそうなったのだろうか。

何か色味を調整する良い方法はないかと、まずは色の濃さを+1にしてみたが、緑のウィッグ街路飽和に近い状態になってしまった。そこでポートレートモードに変えてみたら、緑のウィッグやファンシーな背景の色がガラッと変わってしまった。光の載った薄めの緑が、絵の具で塗ったようにかなり濃くなった。肌もピンクで明るくなったが、元からストロボで明るくしている上に、色素が薄めだったので、なんだか逆に顔色が悪くなってしまった。奇抜なウィッグの色と顔色と衣装と背景がそれぞれアンバランスな仕上がりになった。恐らく通常のポートレート撮影なら最適な写真に仕上がるのだろうが、コスプレ撮影はメイクもやや特殊なので、バランスが悪くなる。

ということでスタンダードモード、もしくは風景モードにした。風景モードにして、色の濃さを+1にすると、スタンダードの時のような色飽和が起こらなかった。ホワイトバランスはクリックホワイトバランスで調整した。

コスプレ撮影にポートレートモードは使いづらい。髪の色が通常の人間の色と同じなら、また場所が別の所なら、結果はまた違ったのだろう。ということで、コスプレ撮影でポートレートモードを使って上手くいった例を、別の機会に紹介しようと思う。