RAWモードで撮影したコスプレイヤーに写真をお渡しする際に迷うのが、作品のイメージに合わせて加工すべきか、各パラメータをいじらず、ほぼJPEG撮って出しのような状態で渡すべきか否かだ。
例えばコントラストを上げたり、彩度を思いっきり上げてヴィヴィッドなイメージにしたり、逆にコントラストを下げたり、彩度を下げてシックなイメージにしたり、これらの写真加工を施してからお渡しすべきだろうか。
結論から言うと、なるべくいじらずプレーンな状態でお渡しした方が良い。コントラストや彩度などの加工はレイヤーに任せるというスタンスだ。
今の時代、月額980円でプロが現場で使っているPhotoshopとLightroomを使用することが出来る。
他にもGimp等の無料グラフィック加工ソフトも提供されている。コントラストや彩度や肌レタッチはコスプレイヤーに任せておけば良い。
Lightroomには明瞭度のパラメータがあるが、これもマイナスにするとフワッとしたイメージになり、顔の影も消えて肌レタッチしたようなイメージになるが、水につけたような滲んだイメージになるのでやめておいた方が良い。
RAW現像でこれらのパラメータをいたずらにいじるのは、データを破損しているようなものだ。本来ならホワイトバランス微調整も現場でカメラ側でやるべきなのかもしれない。Canonの純正RAW現像ソフトDPPでホワイトバランス微調整をいじると、肌の色の階調が損なわれることもあるからだ。
カメラマンが最低限やるべきRAW現像
撮影者がやるべきRAW現像は、明るさ調整、ホワイトバランス調整や色調整を軸とした肌の色の調整と、ピクチャースタイル、彩度の微調整、ノイズ処理、収差の除去くらいだろうか。
明るさはまず暗すぎて撮ったとか明るすぎて撮った写真を、適正露出に修正してやる。白飛びや黒つぶれが回復する可能性もある。
ピクチャースタイルは、人物ならスタンダードかポートレートが最適だろう。無難なのはスタンダードだ。併せて彩度の微調整も行う。
ホワイトバランス調整で、肌の色を適正な色に整えてやる。実際場所によってはオレンジっぽかったり、緑の多いところで撮ると青っぽかったりするので、ホワイトバランス微調整で調整する必要がある。
それでも肌の色がおかしいと思ったら、色調整で、各色を指定して調整してやる。
ノイズ処理は基本中の基本だ。DPPに写真を取り込めば、RAWデータでもノイズを自動的に適正な値で処理してくれる。明るさを変えた場合は、明るさに応じてノイズ処理のパラメータをいじれば良い。
レンズの収差もチェックボタンを入れてやれば簡単に施してくれる。
おそらく撮影者がやるRAW現像といえばこれくらいだろうか。原作のイメージに合った絵作りというのも出来ないことはないが、なるべくプレーンな状態でモデルにお渡しして、モデル自身でやって貰うのが最適ではないかと思う。
必ずしも撮影者が最適なイメージだと思って施したレタッチが、モデルにとって最適とは限らず、むしろ余計なお世話になりかねないからだ。
もしモデルの側が肌レタッチして欲しいとか、こんなイメージでレタッチして欲しいという要望があった場合にのみ対処すれば良い。自分でレタッチしたいけれど最も最適なやり方が分からない場合は、教えて上げるのも良いだろう。