その場にある物でスポットライトを作ってみよう

スポットライトを作る。
スポットライトを作る。

タイトル通りだが、その場にある物といっても、ストロボは持参する必要がある。

さて、コスプレ撮影現場でスポットライトのように撮って欲しいと言われた。通常はオンカメラのストロボにスヌートを着ければ簡単に丸いスポットライトの写真が出来上がるのだが、スヌートはその形状を見て貰っても分かるように嵩張る。カメラバッグの中はレンズやストロボでもう一杯、いやそもそもスヌートを購入してない。

前にも同じスポットライト風に撮って欲しいという要望があったので、その時のことを思い出しながら撮影することにした。

まず、ディフューザーを入れている袋を丸めてスポットライトを作ろうとしたが、布はふにゃふにゃなので綺麗な丸の形にならない、ということで却下。

コスプレイヤーさんが画用紙を持ってきていたので、紙を丸め、頬を釣り上げるのに使うテーピングで止める。布よりも形は良くなったが、光の形が良くない。ストロボの照射角を200mmに設定していたからだ。ストロボ光が光の道を狭められたかのように不自然に強く、ストロボの形がもろに出ている。

そこで照射角を20mmに設定してみるがこれはプラスチックの板を出さないと効果が強くならない設定らしいので、24mm、35mm、50mm、85mm、105mmと変えてみる。すると50mmの照射角が形もふんわりしていて丸形も綺麗でちょうどいい。ということで、照射角50mmで撮っていくことにした。

30mm | 1/250s | F9 | ISO50
30mm | 1/250s | F9 | ISO50

これならスヌートが無くてもスポットライト風に撮れる。何より荷物が嵩張るのが良くないので、画用紙、もしくはイベントで貰った紙があればそれを筒状に丸めて、テープで留めて代用するといいだろう。

出てきた写真のスポットライトが弱いと感じたら、コントラストを上げてやると、周辺の影の部分が強調されて、スポットライトが強く当たっているかのような効果が生まれる。また、今回はストロボ光を正面から直接当てているので、ソフトボックスをあてがって撮る写真よりも、肌がギラギラした描写になっている。海外のファッション雑誌に掲載されている写真やアーティストのジャケット写真でよく見られる、ポラロイドカメラやコンパクトカメラで内蔵のフラッシュを光らせて撮影されたような、ドンチャン騒ぎのパーティの最中に撮られたような質感の写真となる。コントラストを思い切り上げてやると、被写体が更に際立つ、印象深い写真になる。

最後にカメラの設定を観ていこう。午後3時半の学校のひと部屋。ストロボが当たる場所以外は暗く撮りたかったのでF9、シャッタースピード1/250秒となっている。ISO感度も同じ理由から拡張ISOを使い50に設定している。そこからストロボを充てるわけだが、普段はソフトボックスやアンブレラを使っているので光量が落ちるが、今回は何も着けずにストロボ光が直接当たっている。これだけ暗いカメラの設定でも被写体は明るくなる。