ハコアムのサイバースペースで格好よく撮る方法! – ISO感度を上げて撮る時 #14

背景を黒に保ちつつ、LEDの線を明るく写しつつ、モデルも綺麗に撮る方法
背景を黒に保ちつつ、LEDの線を明るく写しつつ、モデルも綺麗に撮る方法

ハコアム大阪のサイバースペースは、5年ほど前に初めて撮り合いをした時はとても写真映えする場所だった。その当時はストロボは持っておらず、全くの環境光のみで撮ったり、のちにLEDライトを購入して顔だけ明るく撮った後に、RAW現像ソフトのLightroomで黒レベルのパラメータをマイナスにして黒を引き締めたり、ハイライトをプラスにスライドさせて床や壁に埋め込まれているLEDを明るく編集したりした。

ところがストロボを購入しコスプレ撮影に使うようになってからは、どうもこのサイバースペースが撮りにくい場所になった。考えられる原因を幾つか突き止めてみた。

  • ISO感度100で撮るため、LEDライトが明るくならない。
  • 強いストロボ光がLEDライトの光を相殺してしまっているのでは無いか。
  • メインのRAW現像ソフトをCanonのDPPに変えたため、黒レベルがいじれなかったり、ハイライトをいじってもLightroomのような劇的な効果が得られない。

LEDライトを明るく撮るには、カメラの設定を明るくする必要がある。

  • F値を下げる。
  • シャッタースピードを遅くする。
  • ISO感度を上げる。

ストロボを使った撮影をすると、ストロボ光で被写体を明るくすることが出来る上に、サイバースペースでは背景をなるべく暗く落としたいので、ISO感度100に設定したり、シャッタースピードをストロボの光量が極端に落ちる手前の1/250秒にしたりと、環境光の明るさを確保するためには恵まれない設定にしがちになる。

ところがここで撮る度に、コスプレイヤーさんから床に埋め込まれているLEDライトを明るく写して欲しいと言われる。そしてその度にどうやったらいいんだっけかな、レイヤーをパーンと明るく撮りつつ、背景の黒は暗く落とし、なおかつLEDライトの光を強めて撮るためには・・・・・・、といった具合に逡巡するわけだ。

そしてこの日はようやく、5年目にして一周回ってようやく構図的に納得のいく写真が撮れたように思われる。またLEDの明るさの点でも理想的な写真が撮れたのではないか。早速撮り方とカメラの設定を見ていこう。(2018/06/25 File.2485)

まずは天井の照明を消す。ISO感度を上げたりシャッタースピードを遅くすると天井の照明の明るさも拾うので、背景が黒くならない。

カメラの設定はシャッタースピード1/40秒、F5.6、ISO感度800。

シャッタースピードはLEDライトが明るくなるのを期待して、かなり遅くした。焦点距離は40mm〜50mm前後だが、手ぶれ防止機能だけで無くストロボも炊いているので、そこそこ低速でも写真がブレない。このような状況下で問題となるのは、手ぶれよりも被写体ブレの方で、よく動く被写体なら低速シャッターは気をつけた方が良い。

F値は5.6。開放F値4のレンズで、LEDライトはなるべく明るくしたかったが、解像感を出したかったので、1段分だけ絞った。

ISO感度は800。LEDライトが明るくなることを期待しての設定。

カメラの設定を詰めたら、後はストロボの光量の設定を詰めていく。被写体が白飛びしない程度の明るさに設定して完了。

この撮り方は以前にも何度もやって来たが、今回は構図にこだわってみた。アップで撮るよりも床や壁に埋め込まれたLED全体を写すような感じで、広角から標準の間で撮影してみた。ところどころLEDが光っていない線はあるが、幾何学的な模様の床が印象深い写真になるよう演出している。低い姿勢で撮ったり脚立に登って撮ったりと試行錯誤しながら撮影していった。ようやくいい答えが導き出せた。しかし一番手っ取り早いのは、Canon DPPよりも絵作りの幅が広いLightroomで黒レベルやハイライトを弄ることだ。

F1.4でも撮影してみた。シャッタースピードは1/40秒から1/60秒に速める。3〜4倍明るくなる設定なのだが、見た目ではLEDライトの光がやや太く描写されるようになったが、F5.6と比べそれほど神々しくなったようには見えない。しかし明るいことは明るいし明るいし暈けているからなかなか独特な絵作りではある。(File.2608)