広角で撮るポートレート – 遠近感を強調する

広角域でポートレートを撮るメリットは?
広角域でポートレートを撮るメリットは?

ポートレート撮影というと通常は焦点距離85mmの単焦点レンズがよく好まれる傾向にある。その理由はF値が小さくて良くボケる、ポートレートに最適な構図で撮る時にモデルとカメラマンの距離感が近すぎず遠すぎずで絶妙などの理由が挙げられる。

今回はそのような常道から少し外れて、広角と望遠で撮ってみた。というのも、今回の撮影場所では85mmだと圧縮効果が弱いと感じたからだ。あと余り背景を暈かしすぎるとせっかくの聖地なのでどこで撮ったか分からなくなるという理由もあった。今回は広角レンズでの作例を見ていきたい。

望遠で撮るポートレート – 圧縮効果を生かす

横の緑の柵だけでなく道路も写っていると良いと言われたので、広角レンズならそんなにボケないし広く写るから良いだろうと、85mmの単焦点レンズから購入して間のないCanon EF24-70mm F2.8L Ⅱ USMに付け替えた。ワイド端にズーミングして、広く撮る。焦点距離は24mm。そのようにして撮れたのが冒頭に上げた写真となる。

ただ広く撮るだけでは芸が無いので、モデルに近づいて撮る。F値は開放F2.8。広角だから余りボケないと思っているとそこは良い意味で期待を裏切られる。モデルに近づくと広角でも背景は良くボケる。

遠近感が強調されるのが良いし、なおかつモデルの存在感も強調される。被写体も背景もいいとこ取りである。

片手で持てる小型の三角形のレフ板でキャッチライトを入れるのを忘れない。広角でモデルに近づけるから、小さなレフ板でも顔が明るく写り、キャッチライトがハッキリ大きく入る。この日はあいにくの曇り時々晴れといった天気で太陽を生かした劇的な写真を撮るのがなかなか叶わなかったのだが、銀レフを用いることでモデルの顔が明るくなり、影も飛んでキャッチライトも入ると、これもまたいいとこ取りだった。