集合写真にも色々あるが、今回は初めて円形で寝ころびの集合写真を撮影してきた。今まで撮影したことがなく、レイヤーさん達が皆一様に円形に寝転がりだした時はどうやって撮ろう撮れるかなと一瞬うろたえた。
まず円形なので、斜めから撮ることは出来ない。真上から真っ直ぐに撮る必要がある。そうなると使えるレンズは限られてくる。焦点距離35mm以下の焦点域をカバーしたレンズだ。ただしこの数値はフルサイズ機で撮影した場合なので、センサーサイズが一回り小さくフレームが切り取られてしまうAPS-C機の場合は、24mm以下のレンズがこの場合は有効となる。
当然脚立が必要になるのだが、真上から撮ろうと思えば脚立をレイヤーとレイヤーの間の奥に設置する必要がある。そこで少し間を開けて貰って、ギリギリの奥まで脚立を持ってきて上に昇った。使った脚立は2段の低いタイプの物だ。
F値は6.3くらいまで絞り、多少カメラが傾いていても全員にピントが合うようにする。明るさはISO感度を上げて整える。皆上を向くので天井の照明がキャッチライト代わりになり、顔を明るく照らすので、ストロボなしでも撮れないことはない。
脚立に昇ったら、カメラをライブビューに切り替えて、腕をめいいっぱい伸ばして、なるべくカメラが集合写真の中央に来るようにする。物理的には無理なので脚立から落ちない程度で良い。ピントはライブビューを見ながらAFで合わせる。
カメラが傾いている時は当然ピントを合わせた後にピントの位置がズレないように、カメラを寝転がっているモデルに対して水平に位置させなければならない。コサイン誤差にも注意する必要がある。
後は撮影するだけ。目を開けているバージョンと瞑っているバージョン。手を握って上に上げているバージョンなど、様々な集合写真を撮っていく。
バストアップで写すか、全身を入れるかは好みの問題だろう。フルサイズ機で焦点距離35mmではバストアップの写真になり、焦点距離24mm以下で全身写真になる。
24mmというと広角域なので歪みが気になるところだが、円形の寝転がり集合写真の場合はモデルの顔がフレームの中央に来るので、周辺の歪みは気にしなくても大丈夫だ。
後はモデルの位置が均等になっているか、誰か一人頭が突き出ていたり引っ込んでいたりしないか、綺麗な円を描いているかなどに気をつけて、気がついたら指導する。
撮影者の影がモデルの顔にかかって一人だけ暗くしまうことがあるので、立ち位置を調整するか、ソフトボックスの位置を調整してみよう。
撮れた写真は正方形にトリミングすると良いだろう。CDのジャケットみたいな雰囲気が出てくるので、それだけで写真の価値が高まる。