以前太秦映画村に撮影に赴いた時に、斜め構図の写真をいつもよりも多く撮って、その都度データを見せていたら、「今日どうしたん(笑)」と嬉しそうに言われた。斜め撮りの写真がよほど気に入ったらしい。
なぜその日に斜め撮りの写真を多く撮ろうとしたのかはよく思い出せないのだが、撮影したコスプレが刀剣乱舞の大和守安定と加州清光で、剣劇のようなシーンもあるだろうし、斜めに撮れば動きが出て良いかなと思ったのかもしれない。
コスプレイヤーは斜め写真が大好きなようだ。実際にギャラリーに上がった写真を見ると、斜め構図の写真がよく採用されている。僕の撮影スタイルはというと、真っ直ぐの写真が7割、斜めの写真が3割だ。コスプレイヤーでカメラもやる女の子達はたぶんこの比率が逆になると思う。これだけ真っ直ぐな写真をたくさん撮っているのに、コスプレイヤーは斜め写真の方をお気に入りとして好む傾向にあるということだろうか。
正直それは試しに斜め撮りした写真だから失敗と言えば失敗と思われるような写真も上げられていて、複雑な心境になったりもする。
斜め撮りで失敗する写真といえば、50mmや85mm等の歪みの生じないレンズでモデルを正面から縦構図で撮る時だろうか。これはただただ写真が不安定に見える。不安定に見せたいのなら斜め撮りでも構わないが、もし立っているシーンを正面から斜め撮りした写真の方が多ければ、使い物にならない写真を量産してしまうことになりかねない。
とはいうものの、正面からの写真でもついつい斜め撮りを試してしまう。ひょっとしたら今日は何かの魔法が掛けられていて、斜めに撮るとシックリくるのではないだろうか、劇的な写真が撮れるのではないだろうかという淡い期待を胸に斜め撮りをする。すると上手くいく場合もある。
斜め撮りは動きを出したい時にするという確固たるポリシーがあれば、そのような迷いに取り憑かれることもないのだろう。
例えばライブ撮影。激しく踊り拳を振り上げて歌っている姿を真っ直ぐに撮っていては味気ない。こういう時こそ躊躇いなく斜めに傾けて撮れば動きのある写真が撮れる。
歩いているシーンや駆け足をしているシーンも、斜めに撮ると動きが出て良い。剣を振るう戦闘シーンなども斜め撮りが効果を発揮する。
斜め撮りは決まると本当にいい絵が撮れるので積極的にやっていきたいが、考えなしに何でもかんでも斜めに撮るのだけは避けたい。
- 動きを出したい時
- ダイナミックな構図を狙いたい時
- ちょっとセオリーから外して撮りたいと思った時
こういうときに斜め撮りをすると良いだろう。健闘を祈る。