デジタルカメラでは花火は小さく写すよりも大きく写した方が良い

掬星台より85mmのレンズで撮影した写真をトリミング。ややギザギザな描写なのが気になる。
掬星台より85mmのレンズで撮影した写真をトリミング。ややギザギザな描写なのが気になる。

花火撮影をしていて失敗だったなと感じる時は、花火が小さく写ってしまった時だ。こういう時は大抵山や丘に登っての撮影で、望遠レンズでも足りなかったり、望遠レンズで撮るべきシーンを中望遠レンズで撮ってしまったといった点に原因がある。2,3年ほど前に芦屋サマーカーニバルを渦森台辺りから200mの望遠レンズで撮って、夜景もなんだか今ひとつで中途半端だし、花火も小さく写ったという経験をしたことがあったが、今回は摩耶山掬星台空の撮影で、85mmの中望遠レンズで撮影して小さく写してしまった。

第38回芦屋サマーカーニバルの花火を渦森台から撮ってきた時のお話

花火撮影で予想以上に小さく写ってしまうことのデメリットは、等倍で見ると、花火の光の線がややギザギザに描写されてしまっていることだ。なんだかデジタルっぽくなってしまった。5060万画素を誇るCanon 5DsRで撮影しても、小さく写った花火はややギザギザな描写になっている。
これがデジタルによるデメリットなのか、それとも三脚が若干ブレた事による描写なのか。撮影場所は掬星台で、床は板敷き。人が歩くとやや小刻みに揺れる。この日は狭い展望台に花火を見に来た人が殺到して、見えない物だから後ろでジャンプする音も聞こえ、三脚にその響きが伝わる。その星で花火がビリビリした感じに描写されたのかなとも思ったのだが、やはりこれは小さく写した事によるデジタル描写の限界なのだろうか。しかし夜景の方は全く微動だにしていないので、恐らくその可能性はないだろう。本当に三脚に振動が伝わっている写真は、ビルの赤いランプが不規則な線を描いているから分かる。

或いは花火が開いてから火の粉が点滅しながら降りていったからそのように見えるだけかも知れない。

レンズは85mmの中望遠。200mmの望遠を持っていこうか悩んだのだが、超弩級の超広角ズームレンズとOtus1.4/55を持参していたので、これ以上荷物を増やしたくないという理由で除外した。

それに夜景を広々と撮りながら花火も収めたかったので、200mmのレンズは切り取りすぎてしまい出番がないかなと踏んでいたのだ。しかし他のカメラマンの液晶画面を垣間見てみると、皆アップ気味に撮っている。そして「おおおぉおお!」と感嘆の声を上げながら撮影している。やはり望遠レンズを持ってくるべきだっただろうか。

恐らく望遠レンズでアップ目に撮ればもっと綺麗に花火の光線が撮れただろう。悔やまれてならないが、一方では神戸の夜景を広めに撮りながら花火を収めるという目的は達成している。そこでパノラマ風にトリミングしてみた。上下のみトリミングしているので、元データに対する花火の大きさは同じだ。

第48回みなと神戸海上花火大会 第48回みなと神戸海上花火大会 第48回みなと神戸海上花火大会 第48回みなと神戸海上花火大会

5060万画素の5DsRで撮影したデータなので、花火をアップ目にしようと(疑似望遠効果を施そうと)トリミングしても、長辺は2048ピクセル以上になるので、何ら問題ない。長辺3600ピクセルや4100ピクセルとなり、Canon 1DXの5184ピクセルには及ばなかったが、ウェブに上げる分には十分だろう。

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印刷は余り行わないので不明。またその機会があれば。