元旦から姫路城で初詣 – 姫路護国神社の新年万灯祭

姫路護国神社の新年万灯祭。元旦から10日まで。

2020年元旦、姫路城に入場料1000円が無料になるというので、おせちに舌鼓を打った後、正月の朝から阪神電車で1dayチケットを買って行ってきた。

いつも注文している豪華なおせち。美味しかった。

去年の年末にAmazonプライムに加入したこともあり(正確に言うとAmazonゴールドカードにアップグレードしてAmazonプライムのサービスを享受する権利を得た)、日本の時代劇映画などを見ていたのだけれど、度々出てくるロケ地があり、どこか見覚えがあると思いながら見ていたら、それが以前訪れた姫路城や彦根城だったことに思い当たり、『女帝 春日局』のエンドロールにも国宝姫路城の名前があったので、そういえば同じ場所で『影武者』のシーンもあったな、野田城を囲む武田信玄を狙撃した一兵卒の射撃手が門へと続く城内の坂道の壁の前でどのように信玄を撃ったか家康やその家臣に説明する長回しのシーンで、演じている家康らが実にどう演じたら良いのか居心地に悪そうに間が持たなそうな仕草をしていたのを思い出し、やはりあれだけ有名なシーンなのだからもう一度姫路城を訪れて、実際にこの目で見て、写真に収めたいと思い立ったのだった。

思い立ったが吉日、その日が吉日だったかどうか暦の上でのことは知らないが、近くには姫路市立美術館があり、ストラスブール展で素敵な風景画なども展示されているみたいなので、ついでに訪れることにした。年末に小磯記念美術館、神戸ファッション美術館、あべのハルカス美術館と美術館を三軒回ったが、年をまたいで1週間で4軒の美術館を訪れることになった。

天守閣への入場は1時間待ち

無料の日だから混むだろうなと朧気ながら予想はしていた。しかし1時間ちょっと電車に乗って到着してみると、姫路城の前の広場や門を入ってすぐの坂道などはそれほど混んではいない。桜の時期の通常の混み方だ。

映画でよく見かけるロケ地。

ところが天守閣へと至る門の前で行列が出来ていた。どの場所かというと、先ほど述べた映画のロケでよく使われている坂道の後の門をくぐった先にある坂だ。行列はなかなか動き出しそうになく、仕方が無いのでここから天守閣の写真を撮っていたが、交通費2000円掛けてせっかくここまで来たし、せっかくの元旦だから天守閣からの姫路の街の光景を目に留めて記念にしたいと、列に加わることにした。しかしさすが国宝姫路城、行列の姿も白鷺の城と一体に収めるとどこか奥ゆかしさがある。

天守閣に入ろうとすると行列が出来ていた。

姫路城は平成の大改修を経て白くなり過ぎたと揶揄されることもあったが、年号が変わり令和に入ったせいか、雨風台風などによるものか少しずつ黒ずみなども目につき始めたようだ。上掲した映画によく出てくる門前の坂の写真も含めてカリカリに加工してあるので汚れがことさら強調されているが、実際はもう少し白くて綺麗である。しかし城はこれくらい汚れている方が情緒があって良い。

姫路城
令和二年の姫路城天守閣。

石垣がそそり立っていたので超広角レンズで撮影してみた。よく見ると横長の穴が空いている。あそこからよじ登ってくる敵兵に対して熱湯を降り注ぐ造りだとパンフレットに綺麗事が書かれてあったが、実際は熱湯だけでなく石や城兵達の糞尿なども楠木正成が鎌倉幕府の大軍に対して千早城で応戦した時のように降り落とすのではないだろうか。幾ら白鷺城と美しく名称された城といえども、ひとたびすわ合戦となればなりふり構っていられなかったことだろう。

姫路城天守閣
そそり立つ石垣。「こんなの絶対登れないよ〜絶対無理だよだってあの横長の穴から熱湯降りかかってくる奴ジャン絶対〜」と木梨憲武がいたら言いそう。

何度か門をくぐり城内の坂をのろのろと進み、遺構なども写真に収めつつ、ようやく天守閣の中に入れたと思い角を曲がるとここで更に行列がどん詰まり状態で、一向に先へと進まない。ようやく2階に上がれたと思ったら、現代的な案内板が各階に設置されており、ここはまだ6階の内の2階だと言うから、これは随分待たされるな、やっぱり踵を返して早めに美術館に寄り帰りに三宮の映画館で映画でも観れば良かったかなと振り返ってみたが、とても後戻りできるような隙間はなかった。

姫路城天守閣内
やっと入れた姫路城内。

2階に行くのにこれだけ時間がかかったなら、3階4階は更に時間がかかるかと思われたが、途中の階はどういうわけかそれほど広くもない部屋に遮られて、すぐに次の階へ上ることが出来たり、また広い城内の階では再び行列で待たされたりと、元旦に来るなら朝10時の開場と同時に入らないとダメだなと思いつつ、ようやく天守閣に辿りつくことが出来た。

分かってはいたが天守閣から写真を撮っても、窓の枠に遮られたり街が広々としていて大阪の街と比べると絵にはなりにくい。それはそれとしても記念に何枚か撮ってから、祀られている神社にお賽銭を入れて初詣。

帰りはスイスイと早く進むことが出来た。しかし姫路城の天守閣の一部が工事中で灰色のカバーが掛かっているからこれもまた撮りづらい。

姫路護国神社の新年万灯祭り

姫路護国神社の新年万灯祭
たくさんの提灯が並んでいた。

近くにある姫路市立美術館を訪れて1時間半ほど美術品の鑑賞に浸った後、姫路城を横目に公園を通って山陽姫路駅に向かおうとすると、提灯がたくさん架かっているのが茂みの間から垣間見えたので行ってみた。姫路護国神社で、新年万灯祭を元旦から10日まで開催しているとある。サイトを検索すると元旦は午前0時から朝8時まで点灯とあるから、これから点灯しないのかなと神社の人に聞いてみると、既に点灯していて明るいから見えないだけだというので、せっかくだから日没までそんなに間もなかったので元旦でもあるし初詣しつつ御朱印を買いつつ、日が沈むのを待った。

さて日が暮れると提灯が灯って殉国の御霊を慰めているとても美しい光景。境内に入る若い女の子達などは、「インスタ映えや〜」と感嘆していた。一方で殉国の御霊を祀った石碑の前で敬礼していった40代くらいの地元の人とおぼしき男性も見かけた。さすがにここ数日は冬がいよいよ到来したかという風の冷たさだったが、気持ちは温かかった。近くに『銀河鉄道999』のメーテルみたいな出で立ちの美人の外国人がいた。

姫路護国神社の新年万灯祭り

結果的に姫路城天守閣で1時間ほど待ったので、良い時刻に姫路護国神社に辿り着けることが出来た。元旦から良いものを見た。