etoile studio

スタジオでストロボを光らせなかった写真と光らせた写真の違い

ストロボを正面から当てた写真。定常光ソフトボックスを両サイドに置いている。
ストロボを正面から当てた写真。定常光ソフトボックスを両サイドに置いている。

コスベース3で撮った写真について前回記事にしたためたが、一番はじめにこのスタジオで撮ったコスプレ写真に想いが及んだ。データを外付けハードディスクから引っ張り出してみたら2013年9月とあるから、コスプレ撮影を始めて10ヶ月目に当たる。

当時はコスプレ撮影に関するノウハウなどはまだほとんどなく、コスモードやウェブサイトなどで探せばあったのかも知れないが、それらに触れる機会がなかったという事は巷に溢れていなかったという事だ。これらの冊子を読んだところで、初心者が理解できるだろうかというのもある。実際に撮ってみなければ分からないし、そこに書かれてあることが自分にとって最前の答えであるとも限らない。ストロボ関連の冊子にしても小難しくてとっつきにくかった。自動調光TTLなどの専門用語が並ぶとチンプンカンプンである。

プロ用のライティング本はあったが、クリップオンストロボによるライティングとはかけ離れたプロフォトグラファー向けスタジオでの撮影を前提とした解説本で、当然雑居ビルを改装したコスプレ向けスタジオにはそのような専門のライティング機材は置いておらず、また難渋極まりない複雑なライティングで初心者がそれを再現するのは不可能に等しかった。

結局のところ、自分自身で撮影を重ねて試行錯誤していくしかなかったのである。アミューズメントスタジオで誰かがアンブレラを使っているのを見かけたら、自分も買ってみて次の撮影で使ってみる。すると小型のディフューザーをストロボに噛まして撮った写真よりも綺麗に撮れる。しかしこのときは使い方がよく分からず三脚に取り付けたアンブレラホルダーにアンブレラを指して下からのライティングで撮影していた。しかしお化けライティングにはならなかったのは、光量が大きくならなかったのか、もしくは上からの照明が効いていたからだろう。

またソフトボックスを使っている綺麗に撮れた写真をTwitterで見かけたら、自分でも調べて買って使ってみる。プロフォトの120×90の大きなソフトボックスを昔のお金持ちの古民家を改装したスタジオに持っていくと、シェアしていたアマチュアカメラマンに「これモノブロック用ですよ」と言われて焦った。そして偶然にもそのカメラマンは筆者がソフトボックスを購入するきっかけとなったツイートをしていた当の本人だった。しかしそれでも大きいソフトボックスを使うとアンブレラよりも綺麗に撮れたし、光量も大きくなった気がした。

アンブレラの使い方にしてもソフトボックスにしても、Twitterなどで流れてきた情報を参考に、実際に撮影現場で自分でやってみて、巧くいけば採用していくといった感じで試行錯誤してやって来た。ここ1,2年でコスプレライティングに関する本や、その他のストロボを用いたポートレートや創作写真でのライティング本が充実してきたので、Webだけではなく書籍からも情報を吸収していくだろうが、現場での試行錯誤は今後も止むことなく続くだろう。

ストロボなし、LEDライト、クリップオンストロボ、小型ディヒューザー、アンブレラ、ソフトボックスと渡り歩いてきたわけだが、2013年9月の撮影では、既にキヤノンの純正スピードライト(クリップオンストロボ)600EX-RTを使用していた。しかしアンブレラにはまだ手を出しておらず、小型のプラスティック製ディヒューザーを使っていたものと思われる。

振り返ってみると、初めてのスタジオだったのか、それともスタジオでのストロボ撮影にまだ慣れていなかったせいか、はじめの方の撮影データはどうも★マークをつけたいと思えるものが少なかった。気に入った写真に★マークをつけて、後は外付けハードディスクに保管してあるのでローカルのハードディスクでは削除して、要はベストショットだけをパソコンのハードディスクに保管していつでもすぐに過去に撮った写真を振り返られるようにするという俺プロジェクトを進行させていて、最終的に1撮影辺り5,60枚くらいに絞られることになるのだが、これだと10枚くらいに収まってしまうんじゃないだろうかという出来で、あの当時のレイヤーさんは本当にこの写真で満足していたのだろうかとちょっと疑心暗鬼になってしまった。

Exif情報を見ると、ストロボは非発光とあるから、スタジオにあるライティング機材を使ったのだろう。

85mm | F1.2 | 1/125s | ISO100 | Landscape S:+1
85mm | F1.2 | 1/125s | ISO100 | Landscape S:+1

ピクチャースタイルは「風景」になっていた。なぜに風景?と思われるかも知れないが、以前撮影会に遊びに行った時に、ニコン使いのアマチュアカメラマンがピクチャースタイルを風景にしていたのを参考に自分もやってみたのだった。そこからおそらくLightroomで肌色調整をしたのだろう。しかしスタンダードよりも風景の方が、茶色のウィッグの色がパッと明るくなり、肌の血色も良くなった。その一方でピンクのリボンの色は薄くなった。そこから色の濃さを+1上げればコッテリとした色の仕上がりになるが、アイドルならこれくらいのvividな色の方がイメージに合うのではないだろうか。どうもスタンダードだとスタジオの照明やライティング機材に当てられた肌の色がストレートに出すぎている。

ホワイトバランスはマニュアルで取っている。そのせいだろうか、ホワイトバランスに関してはホワイトバランス微調整の項目も含めて調整は不要だった。この頃は律儀に白い紙か壁かで撮っていたのだろう。最近はオートホワイトバランスで撮って、RAW現像でパパッと調整することに快感を覚えているので、マニュアルでホワイトバランスを取ることはなくなった。グレーカードは買ってあるので、また初心に戻ってマニュアルで取ってみようかとも思う。

どうもどう撮れば良いのか分からず、暗く撮ってみようという事でスタジオ備え付けのカラフルなライティング機材も導入してみた。

85mm | F1.2 | 1/100s | ISO2000 | Landscape S:+2
85mm | F1.2 | 1/100s | ISO2000 | Landscape S:+2

F1.2でISO感度2000、シャッタースピードは1/80秒。等倍表示するとノイズが描写を浸食し始めているのが気になった。

カメラの撮影モードは絞り優先AE。面倒な奴だ。最適な露出を得るためにシャッタースピードが自動的に決まるので、手ぶれしないセオリーよりも遅い。今なら全部マニュアルで撮った方が楽だ。

コスプレイヤー交代。次はクリップオンストロボを使って撮る。カメラのホットシューに取り付けているので、オンカメラの状態。モードはE-TTLとExif情報に書いてある。

30mm | F2.8 | 1/100s | ISO1600 | Landscape
30mm | F2.8 | 1/100s | ISO1600 | Landscape

プラスティック製小型ディヒューザーは恐らく装着している。正面からストロボを発光させて撮るのはノッペリとした描写になるのでダメとよく言われているが、なかなかどうして、顔が綺麗に写っている。カメラを縦にして撮っているので、ストロボが真正面ではなく若干横からの発光になったからだろうか。

恐らくコスプレイヤーはこのような写真を好む。顔が白くて綺麗に写っている写真。頬が若干白飛びしていて微細な網目模様になっていたが、Photoshopで肌処理を施したら白飛びが回復した。JPEG変換したらまたちょっと白飛びしている感じに仕上がってしまったが。

後ろからもストロボを光らせて工夫してみた。フレアを用いた写真だ。

45mm | F2.8 | 1/60s | ISO1600 | Landscape
45mm | F2.8 | 1/60s | ISO1600 | Landscape

丸いスペースチックな椅子を使っての撮影。ストロボを正面から焚いている。ピクチャースタイルは風景よりもスタンダードの方が顔の血色が良かった。

24mm | F2.8 | 1/125s | ISO500 | standard
24mm | F2.8 | 1/125s | ISO500 | standard

ズームレンズで広角24mmに回して撮るとまたダイナミックな写真が撮れる。これは被写体に近づいて撮るという意図から生まれた単なる偶然なのか、それとも広角で撮ればこのようなダイナミックな写真が撮れると知っていて撮ったのか。知っていることで引き出しの数が多くなるし、とっさに最適なアイデアが思い浮かぶものだ。つまり喩えるなら、知らなければ100発撃ってもマグレで一発は当たるかも知れないが、知っていたら100発中99発は当たるようになる。

瞳を拡大してみると、3灯使っていることが分かる。1灯はストロボ、後の2灯はスタジオの定常光ソフトボックス。我ながら可愛く撮れているのは、楽しくもあったからだろう。

最後に使用レンズはCanon EF85mm F1.2L Ⅱ USMとCanon EF24-70mm F2.8L USM。前者のレンズは次の記事に上げる写真でも大活躍することになる。