仰向けに寝転がっている集合写真を撮る時に最適なレンズ

仰向けに寝転がっている集合写真を撮る為に、絶対に必要なレンズがある。
仰向けに寝転がっている集合写真を撮る為に、絶対に必要なレンズがある。

寝ころび写真を撮るのは難しい。それも人数がたくさんいれば尚更のことだ。なぜかというと、まず真上から撮るか、斜め上から撮るかという問題がある。斜め上から撮るなら50mmの単焦点レンズでも構わないだろう。しかし奥に行くに従って暈けてしまうから、F値を絞り込まなければならない。

それでも50mmで全身を入れるのが難しいと感じるなら、35mmか40mm辺りの焦点距離をカバーしたレンズで撮ると良い。歪みが少ないし素直に撮れるギリギリの焦点距離だ。

真上から撮るとなると、一気に難易度が高くなる。まず脚立に昇らなければならず、その上ライブビューで撮ることになるだろう。しかもライブビューそのものがカメラを水平にしてしまうと見えないから、コサイン誤差を考慮に入れつつ手探りでカメラを動かしてピントが合うように考えなければならない。

コサイン誤差を意識して撮ろう

コサイン誤差とは、カメラの向きを変えるとピントに誤差が生じてしまう現象のことだ。フォーカスロックで一度AFでピントを合わせてから、左右に構図を動かした場合などにコサイン誤差が生じてピントが若干ずれる。

コサイン誤差の対策としては、気持ち僅かに後ろへ引けばピントが合う。一度ピントを合わせてからレンズを上下左右に動かして再度構図を構築すると、コサイン誤差が生じてどの方角に向けてもピントが近くなるということは、気持ち後ろにレンズを引けば良いという理屈だ。ピントリングを手動で回してピントを微調整するという勘に頼る手もあるが、マニュアルフォーカスでのピント合わせになれていないと、どちらにピントリングを回したらピントの誤差が修正されるのか分からないだろうから、気持ち後ろに引く方が現実的だろう。

広角の歪みから逃れるためには、モデルの顔を出来るだけ写真中央に寄せる

焦点距離は当然ながら35mmとなる。50mmや85mmの焦点距離では、天井にへばりつくなりしないと撮れない。脚立に乗ってライブビューで撮るとなると、35mmが最適だ。

難しいのは全身を入れて撮りたい場合だ。35mmではせいぜいバストアップの寝ころび写真を撮るのが精一杯なので24mm以下の焦点距離で撮る必要が生じる。広角レンズだから歪みが生じるんじゃないの?と思われるかも知れないが、円形の寝ころびの集合写真にしてしまえば、メンバーの顔が中央に来るので歪みが少ないし、周辺の足の辺りなどは歪んで写ってしまっても差し支えない。

焦点距離24mmで撮影。広角レンズは周辺に向かって歪みが生じるが、モデルも顔が写真中央にあるので、歪みが気にならない。
焦点距離24mmで撮影。広角レンズは周辺に向かって歪みが生じるが、モデルも顔が写真中央にあるので、歪みが気にならない。

寝ころび写真を撮る必要がある場合は、35mmの単焦点レンズが24-70mmの焦点域をカバーしたズームレンズを1本持って行くと良いだろう。