足が長く見えるように下から撮って欲しいと言われたので、這いつくばって撮ることにしたのだが、場所が造船跡地で様々な物が物置同然に放置されているコンクリのフロアは当然汚い。それにこの日は白い服を着ていた。なぜ白い服かというと、レフ板代わりになるかもしれないと期待したからだ。それならレフ板を持ってくれば良いじゃないかと思われるかも知れないが、ライティング機材にいつものロールレフを追加するとショルダーバッグがパンパンに膨れ上がるし、駅から造船跡地までの距離が徒歩17分ほどあり、結構きつい荷物になるから、持ってきていなかった。白い服がレフ板代わり、もっと突っ込んで言えばキャッチライト代わりになれば良いなぁと期待していたのだが、撮影全般を通して、白い服は全くレフ板代わりにはならなかった。暗い場所ではストロボで撮影したし、明るい場所でも距離を取って撮影することが多かったからだろう。ストロボを使わない野外でも結局ストロボを焚いた方が顔の影が飛ぶ。前にも記事を書いたが、レフ板の光とソフトボックスでディヒューズさせたストロボ光は、たいして質感は変わらない。それならソフトボックスやアンブレラでレフ板の代わりにしようと、ロールレフは持ってこなかった。
さて本題。下から撮った方が足が長く見える。なら寝そべって撮ろうという事になったのだが、床は汚い。おろしたての白い服が汚れる。そこでライティング機材の入っていたショルダーバッグを魚の開きのように開いて、その上に寝そべって撮っていった。これなら汚れない。ショルダーバッグは白く汚れた。
造船跡地はなかなかいろんな物が転がっていて、中には蛍光灯の破片みたいなガラス片も床に散らばっている箇所があったので、さすがにそういう場所ではショルダーバッグをシート代わりにしても危ないから避けた。
さてさて、レイヤーさんが希望する写真は無事撮れたかな。味を占めて別の場所でもショルダーバッグを広げてその上に寝そべり広角側で撮っていった。いつもよりも違った印象の写真を撮る事が出来た。
レフ板に関しては、結局太陽光を生かした撮影が少なかったことと、階段など狭い場所での撮影だったためにレフで光を巧く跳ね返したり光量の調整をするのが難しそうだったこと、ソフトボックスの方が三人に光が行き渡りやすかったことを考えると、余計な荷物になるところだったし、結果的に持ってこなくて正解だった。