フィルターは付けるべきか否か – クロスフィルターでふんわり写真

クロスフィルターでフンワリ写真に仕上げる。
クロスフィルターでフンワリ写真に仕上げる。

可愛い女の子キャラクターのコスプレを撮る時はソフトフォーカスフィルターを装着してフンワリと仕上げたいという欲に囚われることがある。ポートレート写真などでも重宝されているソフトフォーカスフィルターだが、クロスフィルターを使っても同様の効果を得ることが出来る。

ソフトフォーカスフィルターをよく観察すると、斑模様の跡がついてある。はてなこれは不良品か何かかなと訝ったのだが、ソフトフォーカスフィルターというのはそういう物らしい。

クロスフィルターには格子状の線が入っている。これが光源を十字に見せてくれる。レンズに装着したクロスフィルターを回すことで、十時の形を×にしたり好きな角度の×に調整できる。

今回はクロスフィルターしか持ってきていなかったので、ハコアム大阪8階の特設スペース、バレンタインの装飾が施された場所で使ってみたが、フレーム内に光源がなかったのでどこも十字にはならなかった。しかしソフトフォーカスフィルターのような効果を得ることが出来た。要はフィルターに刻まれた格子が入ってくる光を散乱させてフンワリとした描写にするのだろう。

フンワリとするのは良いが、解像感は若干損なわれる。どうせPhotoshopなどの画像編集ソフトを使えば後からフンワリとした処理は出来るのだから、わざわざ現場でこの手のフィルターを使わなくても良いのではないかとも思われるが、撮影データというのは撮影してすぐに編集してネットにアップしたら、後は大体外付けハードディスクにお蔵入りになり引っ張り出すことも見返すこともほぼない。魚眼レンズにしても、ソフトフォーカスフィルターにしても、後処理でなんとかなるとは言っても、明確な意図がなければ色々面倒になり後処理でなんとかすることはほとんど希だ。現場で周囲を歪ませて撮ったり、ソフトフォーカスフィルターを使ってフンワリ撮れば、否応なくその写真を使うことになるから、たまにはこういう仕上がりの写真も良いだろう。レイヤーさんの写真の好みも分かるかもしれない。

クロスフィルターに関しては、Photoshopから後処理で光源を十字にするのは難しいし、出来たとしても手間がかかる。それが複数の十字の光に加工したいとなれば尚更だ。水撮影などでは無数の飛沫を十字に出来るので、このような場合はクロスフィルターの装着を躊躇う必要はない。

細かい水しぶきまで十字になっている。
細かい水しぶきまで十字になっている。

しかしフィルターを付けると解像感が損なわれコントラストが弱まるので、フィルターあるなし両方で撮っておいた方が無難ではある。今回バレンタインスペースで撮った写真では、フィルターを付けた写真が採用された。フィルターを付けていなければ、レイヤーさん自身がフンワリとした加工にすることもなかっただろうから、フンワリした写真にしたい意図があるなら、現場でフィルターを使った方が、その時の意図を忘れないし、確実に意図した写真に仕上がる。