8月25日、キヤノンの公式サイトでフルサイズ一眼レフデジタルカメラCanon 5Dmark4が発売されることが正式にリリースされた。キヤノンオンラインショップでの税抜き価格は432,500円。
5Dmark3から4年、初代5D発売から11年目になる9月8日に発売となる。価格は円安の影響だろうか、初代フルサイズ機5Dより約13万円高くなっている。
さっそく機能の方を見ていくことにしよう。
3040万画素フルサイズCMOSセンサー
前機種のmark3は有効画素数が2230万画素だったが、mark4は約800万画素増えた。これでニコンのD810と画素数において肩を並べることとなった。CMOSセンサーを自社生産しているキヤノンは、mark4に搭載のCMOSに、新規微細プロセス、新規フォトダイオード構造、新規カラーフィルターを採用。これにより広ダイナミックレンジや、連写時における高速読みだしなどを実現。
映像エンジンDIGIC6+
先に発売された1DX mark2に搭載されている新映像エンジン、DIGIC6+を搭載。従来機よりも改善されたノイズ軽減性能や、レンズ性能の欠点を補うカメラ内デジタルレンズオプティマイザ、レンズ光学補正の他、DPRAW撮影、4k/30p動画撮影などに対応。
EOSシーン解析システム
フリッカー検知機能により、AF(オートフォーカス)、AE(オートエクスポージャー)、オートホワイトバランスや、ピクチャースタイルオート、オートライティングオプティマイザなどの機能をより精確に制御。顔検知、色追尾機能などにより、自動選択AFの精度や動く被写体に対するAF精度も上がったとされる。
ISO感度
常用ISO感度は100-32000。前機種は25600だったので常用ISO感度は僅かばかりに上がっている。新映像エンジンを搭載しているので、ノイズの軽減は期待できそうだ。
拡張ISO感度はISO 50(L)ISO 51200(H1)、ISO 102400(H2)で前機種と同じ値となっている。
高感度撮影と長秒時露光撮影におけるノイズ軽減機能は、RAWで撮影している場合は、後からパソコンでノイズ未処理の段階から調整出来るので、JPEG撮影時のみに考慮に入れれば良い。
マルチショットノイズ軽減機能に関しては未知。1回のシャッターで4枚の画像を撮影し自動合成する事でノイズの少ない写真となるらしいが、RAW撮影時には設定できないとある。
カメラ内レンズ光学補正
1DX Mark2にも搭載されたカメラ内でのレンズ光学補正。レンズの描写力の欠点を補うデジタルレンズオプティマイザや、レンズ光学補正で対応できないコマ収差、サジタルハロ、非点収差、球面収差にも対応している他、F値を絞りすぎることで発生する小絞り暈けやローパスフィルターによる画像への影響も補正するとされる。
他の諸々のレンズ補正にも対応しており、撮影後のこれらの補正に伴う仕事が軽減される。またキヤノン純正レンズの補正データはすべてカメラ内に内蔵されている。
新記録画質DPRAW(デュアルピクセルRAW)
キヤノンの純正RAW現像ソフト「デジタルフォトプロフェッショナル」の使用により、解像感補正、ボケシフト、フレアにも対応するとされる。これはマルチショットノイズ軽減機能と同じく楽しみな新機能。
ピクチャースタイルにディテール重視
5Ds、5DsRより搭載されている新ピクチャースタイル、ディテール重視を搭載。これに伴いシャープネスの設定では、細かさとしきい値が調整できる様になった。
ホワイトバランスに「ホワイト優先」が追加
白熱電灯などの暖かみ或る光源かでの撮影で、写真がオレンジ色になりがちなのを通常の色に撮影できるオートホワイトバランス(ホワイト優先)が追加された。
61点高密度レティクルAFⅡ
1DMark2にも搭載されている61点高密度レティクルAFⅡを5DMark3にも採用。測距性能の向上により、動く被写体の撮影にも対応。
5Dmark3に比べ、測距エリアを拡大。上下約24%、最もピントの精度が高い中央ブロックは約8.6%広がっている。
低輝度限界をEV-3まで拡大したことにより、前機種よりも暗所でのAFが強くなった。
測距エリア選択ボタンが背面に追加
AF撮影時の測距エリア選択モードを変換できるボタンがカメラ背面に追加された。これにより動体撮影などの咄嗟の変更時に、迷わずまごつかずに測距エリア選択モードを変更できる事が期待される。
顔や色を認知するEOS iSA System
15万画素RGB+IR測光センサーを搭載。EOS iSA Systemにより、被写体の顔や色、動きを認知し、測光やAFの精度の向上を期待できる。
フリッカーレス撮影に対応
蛍光灯などの光源かでの撮影で、高速でのシャッタースピード撮影時に何枚かの写真の色が全体的に黄ばんでしまう現象を制御することが出来る。
4K動画に対応
デジタルシネマ規格DCI 4K(4096×2160) 、30pを実現。HD(1280×720)記録時には119fpsのハイフレームレート動画撮影も可能なため、高画質なスローモーションを撮影できる。またHDR動画撮影も可能。
タッチパネル搭載
背面モニターがタッチパネルに対応。カメラの設定やAFを指一本で操作できる。
GPS機能搭載
撮影した写真に位置情報を付加。風景撮影などでベストスポットを見つけた場合に、次回撮る際の参考用に便利。
wi-fi搭載
JPEGモードで撮影していれば、撮った写真をすぐにスマホに送れる。データ確認に便利だろう。
また、スマートフォンアプリを使って、カメラの操作を制御できる。夜景撮影時にリモートスイッチいらずになるか。
デュアルカードスロット
CFカードとSDメモリーカードに対応。
ミラーショック軽減
5Ds、5DsRでも話題になったミラーショック軽減機構を採用。
耐用シャッター数15万ショット
この点は前機種と変わらず。
HDR撮影や多重露光撮影に対応
カメラ側で面白い絵作りが出来る。
5Dmark4 VS 5Dmark3 スペック比較
Canon 5Dmark4 | Canon 5Dmark3 | |
---|---|---|
外観 | ||
有効画素数 | 約3040万画素 | 約2230万画素 |
画像エンジン | DIGIC6+ | DIGIC5+ |
測距点 | 61点 | 61点 |
測光 | 15万画素RGB+IR測光センサー(近赤外光) | iFCL測光システム |
連続撮影速度 | 約7コマ/秒 | 約6コマ/秒 |
常用ISO感度 | 100~32000(拡張:最小50・最大102400) | 100~25600(拡張:最小50・最大102400) |
測距点 | 61 | 61 |
記録画素数 | 6720×4480ピクセル | 5760×3840ピクセル |
モニター | 3.2型TFT液晶モニター・約162万ドット | 3.2型TFT液晶モニター・約104万ドット |
タッチパネル | ○ | × |
動画記録方式 | 4096×2160(4K):29.97p 1920×1080(Full HD):59.94p 1280×720(HD):119.9p |
1920×1080(Full HD):30p 1280×720(HD):60p 640×480(SD):30p |
映像記録/圧縮方式 | Motion JPEG ALL-I(編集用/I-only)、IPB(標準)、IPB(軽量) |
ALL-I(I-only)、IPB |
フリッカーレス | ○ | × |
GPS機能 | ○ | × |
wi-fi機能 | ○ | × |
タッチパネル | ○ | × |
記録媒体 | コンパクトフラッシュカード/SDカード | コンパクトフラッシュカード/SDカード |
重量 | 約890g | 約950g |
シャッター耐久 | 15万ショット | 15万ショット |
5Ds/5DsRと比較した時の価格の面
5Dmark3と比べると、重量の面において約60g軽くなっている。重いと言われているフルサイズ機としては更なる軽減化で女性にも扱いやすくなったのではないだろうか。たかが60g、されど60g。
さて価格は税込みで 467,100円。これはかなり意外だった。おそらく高くても税込みで35万円くらいだと予想していたのでが、大方の期待を裏切る形となった。この価格なら映像エンジンは一つ前のバージョンになるが、少し軍資金を足して一つ上のランクの5Ds、5DsRを購入した方が、超高画素が得られるという利点がある。ただしノイズ処理の面では圧倒的に5DmarkⅣの方が有利なので、どちらが優れているかは断定できない。
発売日は9月8日。購入ユーザーからの報告が待ち遠しいところだ。