末永く愛されるコスプレフォトグラファーになる為のお薦めカメラとレンズ2選!

フルサイズ一眼レフデジカメ、Canon 5Dmark3。近いうちにMark4が発売される予定。
フルサイズ一眼レフデジカメ、Canon 5Dmark3。近いうちにMark4が発売される予定。

コスプレ撮影を始めようと思っている諸兄諸姉にお送りするお薦めカメラとレンズ。今からカメラ量販店へ駆け込んで(もしくは楽天市場かYahoo!ショッピングにアクセスして)たった2品揃えれば、あなたも明日からコスプレフォトグラファーとして引っ張りダコ!

これからコスプレ撮影を始めてみようと考えている方にとって、どのカメラやレンズを用意すれば良いかは悩むところである。レイヤーがカメラマンに何を求めているのか、本音の見極めが肝要となる。

先の記事でも述べたが、エントリー機はコスプレイヤーが所有している率が大変高い。なので女社会のコスプレの世界で男性がコスプレカメラマンを始めようと思った場合、エントリー機を買ったところで、無駄にハードルを上げるだけである。SNSで募集をかけても応募が来ない。

コスプレ撮影は楽??

エントリー機は比較的価格が安く参入のハードルが低いが故に、ブラックカメコ(出会い系やセクハラ行為、撮影スキル、データ授受などに問題のあるカメラマン)を引いてしまう確率が高いという認識がレイヤーの間にあるからだ。またカメラの機種=その人の持つ撮影スキルと見られている面もある。エントリー機所有の見ず知らずの男をカメラマンとして呼ぶくらいなら、自分たちのカメラで三脚を使って撮り合いしている方が心安い。

家族写真や相手のいない趣味での撮影など内々での用途なら問題ないが、コスプレ撮影目的で買えば無駄金になりかねない。ただし男装撮影に関してはカメラマンが見つからないという事例が多いので、エントリー機でも需要はあるかもしれない。

やはりフルサイズがお薦め!

最も良い機種はフルサイズだ。フルサイズという言葉は、プロカメラマンという言葉よりも威力がある。通常プロカメラマンと聞いて我々がはじめに頭に思い浮かべるのは、コマーシャルフォトやモデルのポートレート撮影、著名なアーティスト写真やライブ撮影、結婚式のイメージ撮影など第一線で活躍しているカメラマンの事だが、蓋を開けてみれば雑誌の取材写真や記者会見などの報道、ウェブサイトに載せる写真、果ては細々とした商品撮影など、ようはコンデジでも何でも写真を撮って報酬を貰った事でプロと自称し、やたらプロであることをアピールして偉ぶっているカメラマンもいる。「私ら趣味でやってるのにプロとか名乗って私らから金取るの?」という猜疑心も生じてしまいがちだ。

コスプレイヤー曰く、「レイヤーが撮るよりも下手くそな写真」「カメラの蘊蓄うんちくが凄すぎて、使える写真が一枚しかない」写真を撮るようなこの手の自称プロカメラマンはピントがろくに合っていなかったり写真が汚かったりとコスプレ撮影では使い物にならないが、フルサイズ機は間違いなく使える。カメラの見かけだけでなく、スペックにおいても扱いやすさにおいても、画質においても、エントリー機や中級機の遙か上を行く。機械は人と違ってウソをつかない。

お薦めなのはCanon 5D MarkⅢ。値段はハイアマチュアだけでなくプロも使うだけあって30万円前後とお高い。しかし値段だけのことはある。一度フルサイズを使うと、APS-C機には戻れない。先にも述べたが特に操作性や画質の面において優れている。その他耐久性や防塵防滴など諸々の点でも買って損はない。

レンズはキヤノンの大三元ズームレンズ!

レンズは大三元ズームレンズCanon EF24-70mmF2.8LⅡ一本あれば、当面は事足りる。キヤノンから発売された、Ⅰ型を改良したこのレンズは、非常に高性能で写りが良い。こちらも20万円する。

24mmの広角から70mmの中望遠まで、およそコスプレ撮影に必要な絵作りを幅広くカバーしている上、どの焦点距離でも通しとなる開放F値2.8の明るさを誇っている為に屋内スタジオでも不自由なく使えるし、暈けも期待できる。そして何より、レンズを交換せずとも良いので、フットワークが軽くなり、ズームを駆使することにより、様々な絵作りを瞬時に逃すことなく弾き出すことが可能となる。一眼レフカメラの醍醐味と言えば、様々なレンズを交換することではあるが、今では画質的に大差ないと言われている高級ズームレンズの利便性も十二分に活用すべきだろう。

レンズ本来の性能を最大限に生かせないAPS-C機

被写体となるコスプレイヤーも多く所有しているAPS-C機を避けておくべき理由のもう一つは、やはり本来のレンズの画角で写真が撮れない点である。各レンズの持つ本来の旨みを十二分に活用できないのが、APS-C機の難点の一つとなる。要は同じレンズで撮っても、フルサイズで得られる絵を、APS-C機ではトリミングしてしまう。

例えばハコスタジアムやコスプレスタジオのような大きく距離の取れない場所での撮影では、撒き餌レンズと呼ばれる安くて明るい50mmF1.8の単焦点レンズですら、被写体が余分にフレームアウトしてしまい、使えないという事態になる。50mmと同じ画角で撮ろうと思えば、焦点距離35mmの単焦点レンズを用意しなければならず、値段が一番近い物を探せば、開放F値2.8という中途半端なレンズに無駄に金をかけなければならないのである。また大三元ズームレンズCanonEF24-70mmF2.8LⅡを購入しても、APS-C機ではフルサイズ換算で38mm-112mmの焦点距離になってしまい、広角表現の旨みが削ぎ落とされてしまう。

そしてレンズの焦点距離の特長を生かそうとフルサイズと同じ画角で撮ろうとすると、距離を取らなければならず、背景の暈けも弱くなってしまう。この点、レンズに期待していた絵作りと異なってしまうのがAPS-C機のやるせなさである。

分割払いなら負担は軽い!

Canonの5DMarkⅢとCanonEF24-70mmF2.8LⅡをセットで買うと合計50万円となるが、分割払いならば買えないこともない。ヨドバシカメラなどの分割金利ポイント還元キャンペーンと併用すれば、実質分割金利手数料が無料で分割払いも可能だ。12回払いなら、月々42,000円程度の支払いで済む。何か他の物、ビールやタバコや外食やパチンコやアイドルコンサートやグッズやソーシャルゲーム課金やメイドカフェ通いや地下アイドルライブ通いなどその他諸々の趣味を我慢すれば十分買える値段である。

また最近は36回払いもしくは48回払い金利手数料ゼロのショッピングローンなどの支払いサービスも充実してきた。これらのショッピングローンを利用すれば、50万円の買い物でも月々14000円、11,000円と負担が軽くなる。かくいう筆者も利用している。ただし、調子に乗って買い物しすぎには注意!

もしお金に余裕がある方なら、フラッグシップ機をお薦めする。「たかがコスプレ撮影で?」という意見もあるが、そのような発言をする人は、コスプレやモデルを”たかが”程度にしか考えていない証左だろう。

フラッグシップ機はプロフェッショナル機だ。シャッターユニット耐用数、防塵防滴、耐久性、操作性、連写性能、優れたダイナミックレンジ、ノイズの少なさ・・・、どれを取っても群を抜いている。大は小を兼ねる。オーバースペックということはない。

またフラッグシップ機はプロカメラマンがスポーツなどを撮ることを想定した連写性能が非常に優れたカメラなので、他の被写体を撮りたいという欲求が生まれる。各種スポーツだけでなく、飛行機や各種レースなど連写性能が生きてくる被写体を撮りたくなる。写真ライフが充実することだろう。

フルサイズ機は重くない

フルサイズ機やフラッグシップ機は重いという意見もある。大の大人の男が、大三元ズームレンズを着けてもせいぜい2kg程度の機材を重いというのは情けない話だ。

確かに5Dと大三元ズームの組み合わせに、フラッグシップストロボの600EX-RTをカメラの上に着けて撮ると重い。15分か20分続けて撮っていたら腕が疲れて休憩が必要になる。カメラの上に乗っかっているストロボが重たい。余談だがこないだCanonの430EX3やニッシンのi40を店頭で触ってみたが、ストロボの軽さにビックリした。

ところが、1DXに同じ装備を着けると、全く重く感じなかった。ずっと撮り続けていることが出来る。その理由は1DXの機体の形にある。大きいので両手でガッチリとホールドできる。大口径レンズを着けていても全体のバランスが良い。

そのフラッグシップ機の頭に、スピードライトの代わりにトランスミッターを装着する日がやってきたときは、もはや半日撮り続けても重たいと感じることがなくなった。小休止を挟めば十分耐えられる重さだ。楽しくて軽く800枚から1000枚は撮れる。撮り合いなら尚更楽だ。いつもの半分の時間だけしかカメラを握っていないのだから。

僕はよく女性レイヤーと撮り合いをしている。使うのは僕のカメラ1DXだ。装備も僕が撮っているときと同じ重さ。着けているレンズ(200mmの望遠)によっては重いという子もいれば、普通にこちらが撮る枚数(約400枚)と同程度の枚数を平気な顔をして撮る子もいる。か細い腕をした女の子に限らずだ。

次の日に筋肉痛になっていると笑って言う子もいるが、どの子も撮影中は弱音を吐かない。そして素敵な写真を撮ってくれる。中にはこちらが持ってきた超重量級のOtusを求めて着けて撮る子もいる。フラッグシップ機や5D系のフルサイズを重いと嘆いている男が情けなく思えるくらいだ。フルサイズが重いというのは実際にそのカメラを使い込んでいない男の先入観か迷信の類いなのではないか。

1DXは重いと言われれば1.4kgなので重いが、半日の撮影に耐えられないほどの重さではない。更に言えば、フラッグシップ機から5D系に持ち替えたときは、5D系のカメラが羽根のように軽く感じる。やはりフルサイズ機が重いという発言が男の口から出るのは、先入観としか思われない。むしろ1DXはグリップの持ちやすさと大きいレンズを装着したときの優れたバランス感で、撮っていて快適ですらある。5Dはむしろ小さいので、大きいレンズを着けるとバランスが悪くて手首にかかる負荷が大きくなってくるのだろう。更に小さいカメラとなるとその傾向は尚更だ。

ミラーレス一眼はまだ買うな!

となるとミラーレス一眼は論外となる。あのコンパクトなボディに大三元ズームを着けて大きなストロボまでつけてしまっては、手にかかる負担の大きさは想像に難くない。実際にミラーレス一眼を使っていた何人かのコスプレ撮影の第一線で素晴らしい写真を撮っているアマチュアカメラマンは、バランスの悪さやストロボとの整合性他の理由から売り払って、一眼レフに回帰してしまった。CMにつられてコスプレ撮影目的でミラーレス一眼を買うと、金の無駄になりかねない。あなたはこれからどんどん大三元レンズや大口径レンズを購入していく道を歩むのであるから。所謂レンズ沼にズブズブと嵌まるのである。

CMや広告を見ても、ミラーレス一眼は街中で気軽に撮ることを好むシティライフをエンジョイしている女性をターゲットにしていることは明白だ。長時間撮り続けるだけでなく多灯ストロボも多用するハードなコスプレ撮影にはミラーレス一眼は不向きだ。

また部品が小さいためかマウント部分が壊れてしまったと話していたカメラマンもいた。部品の小ささが原因なのか他が原因なのか真意は不明だが、現状から鑑みるにミラーレス一眼を買うなら2020年以降あたりが良いかもしれない。その頃には欠点を克服しブラッシュアップされた製品が登場している可能性がある。

次世代機5DMark4が出るのを待って、型落ちで安くなるMark3を狙え!

というわけで、コスプレに限らずどのジャンルでもフルサイズ機、特にフラッグシップ機の有効性は高い。しかし値段と活動頻度を考えた場合、5D系が最良の選択肢となるだろう。月に8回以上で1回につき700~1000枚超も撮るのなら、何の躊躇いもなくフラッグシップ機をお薦めするが、月2~4回で、1回の撮影枚数が200枚~400枚程度なら、5D系で十分だ。

さて、今年中にキヤノンから5D系フルサイズ一眼レフデジカメの後続機、5D Mark4が発売されるのが確実視されている。発売されれば名機と呼ばれている5DMark3は確実に値下がりするので、Mark4を待ってから買うのが良い。フレンドの女性レイヤーさんも5DMark2を買う為に貯金していると聞いて、近々Mark4が出るので、評判が良いMark3が型落ちで値下がりするのを待った方が良いとアドバイスしておいた。(後記:mark4の価格が思っていたよりも10万円ほど高く、型落ちしてもそんなに値下がりしなかった。2018年3月現在、ヨドバシカメラで34万円・ポイント還元34,000円なので、当初の40万円よりは価格がこなれてきた)

というわけで結論。Canon 5D MarkⅢCanon EF24-70mmF2.8LⅡをセットで買えば、コスプレ撮影では怖い物なしとなる。どのような場所でもどのような光源環境でも、素晴らしい写真が撮れる事だろう。急がないのなら、Canon 5D Mark4が出るまで待つのがベスト!