シャンデリアを背景に暈かしつつ撮る。くっきり撮るか、暈かして撮るか、やはりコスプレイヤーの好みは暈かした写真だった。
メインのモデルが際立つという理由の他に、シャンデリアをクッキリと写すと電球感がするが、暈かして撮ると蝋燭感が出てくるというのもある。それに後ろのステンドグラスもほどよくボケる。ちょっと絵が気にいらない時などは暈かしてやると良い感じに仕上がる。
この日はソフトフォーカスフィルターを持ってきていたので、試しにレンズに装着してみることにした。ソフトフォーカスフィルターは、よく見ると表面が斑模様になっている。このまだら模様がソフトな描写にしてくれるっぽい。そういえばこの原理を応用して、ソフトフォーカスフィルターを自作している人がいた。
ソフトフォーカスフィルターの用途は、女性をふんわりとしたイメージで写すだけで無く、星景写真を撮るときに星の光を強調させたい時に使う。光が強調された結果、装着前と比べて小さく写っている星の光も強調されたせいだろうか、星がたくさん写っているように見えるという効果がある。
以下の写真は確かソフトフォーカスフィルターをつけて撮った写真だったと思う。普通に撮ったら有り得ないくらい星の光が膨張しているので、恐らくソフトフィルターを着けていたのだろう。これよりも又兵衛桜の写真の方が比較としてはわかりやすいので、発掘したらまたここに再掲載しようと思う。
そんなメリットのあるソフトフィルターだが、人物撮影においてはデメリットもある。ボンヤリとした写真になってしまうことだ。つまりメリットがデメリット。メリットとして捉えればフンワリだが、同じ効果をデメリットとして捉えると、ボンヤリとした眠い描写になる。どちらの写真が良いかレイヤーさんに聞いてみたら、ソフトフィルターなしの方が良いと言われた。そこでソフトフィルターは取り外して撮影を続行。
結果として、Twitterに上げて頂いた写真にソフトフィルターを使ったものが一枚選ばれた。ソフトフィルターを使った写真が良かったからか、ポーズが良かったからかは知るよしもないが、写真を見てみると、背後のシャンデリアの光が滲んでより強調されていることが分かる。
ソフトフィルター装着時の写真の方の明るさが約1段ほど異なり結構暗めで、距離も異なるので単純に比較は出来ないが、シャンデリアの光が大きくなっている。帽子の飾りもより光り輝いている。他の写真では衣装のボタンやバックルもキラキラとしていて良い感じの写真に仕上がっていた。iMacのRetinaディスプレイでご覧になっている方は、どちらの写真もボンヤリと見えるかも知れないが、これは写真サイズが1024pixelとRetina非対応サイズのためで有ることをご考慮頂きたい。
ソフトフィルターを着けるとピントが合わせづらくなった。マニュアルフォーカスレンズを使っていて独自に編み出した方法でピントを合わせているのと、スタジオを暗くして撮ったせいもあるかも知れないが、それらの条件に加えてソフトフィルターを着けたことでピントが合いにくくなった可能性もあるので、一応注意しておきたい。ライブビューに切り替えて撮影した。
ソフトフォーカスフィルターの写真、衣装の金具の部分もキラキラしていて現場で見たときよりも良いのでは無いかと思う。ソフトフォーカスフィルターとクロスフィルターはコスプレ撮影時には常備しておいた方が何かと喜ばれそうだ。