Photoshop CC 2015の新しいJPEGファイル保存方式のメリットとデメリット

Photoshop CCの新ファイル保存形式「書き出し形式...」で保存。ファイルサイズは従来の半分に圧縮されるが、白の階調性が崩れる。
Photoshop CCの新ファイル保存形式「書き出し形式…」で保存。ファイルサイズは従来の半分に圧縮されるが、白の階調性が崩れる。

現在アドビでは、写真家プログラムと称したサービスが提供されている。月々980円で、PhotoshopとLightroomの最新版が使い放題というサービスだ。

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Photoshop CC 2015になってから、JPEGファイルの保存形式が新しくなった。

ファイル » 書き出し » 書き出し形式…

書き出し形式のコマンド

前から存在した機能らしいのだが全く気づかなかった。このファイル保存のコマンドを選ぶと、従来の半分のファイルサイズで写真やグラフィックのJPEGファイルが保存できるようになる。

つまり高感度で撮影したファイルの大きい写真などの容量が減るから、サイトを閲覧する利用者のダウンロード表示にかかる負担も減るし、サーバーにも優しいというわけだ。またこれまではファイルサイズの大きさの問題で諦めていた大きなサイズの写真を、ウェブに掲載しやすくなる。

アドビによると圧縮技術の向上で実現したそうなのだが、問題点もある。以下の写真を見比べて貰いたい。

上の写真のシャツ部分を等倍、GIF形式で保存。新保存形式の「書き出し方式...」のコマンドで保存したファイルは白飛びの範囲が大きくなる。
上の写真のシャツ部分を等倍、GIF形式で保存。新保存形式の「書き出し方式…」のコマンドで保存したファイルは白飛びの範囲が大きくなる。

白ホリゾントで撮った白飛びした部分のを等倍にして、各データの白の飛び具合を比べてみた。RAWデータの画像はスクリーンショットとなっている。RAWデータと、JPEGとしてクイック書き出しは、ほぼ変わらない。所が新保存形式の「書き出し形式…」で保存した写真は、白の階調が前の二つに比べて明らかに損なわれている。もともとRAWデータでは損なわれていなかった白の階調が、従来のJPEG保存方式では若干損なわれ、新しいPEG保存方式「書き出し形式…」では更に損なわれたという結果になった。

モニターのせいかとも思ったが、ソニーのスマホやタブレットで見ると、この白の階調性の毀損は見受けられない。おそらくモニターが高性能であればあるほど目立つのだろう。

さてどうすべきだろうと迷った。ウェブに載せるなら、白の階調が損なわれていない綺麗な写真を載せたい。しかしそうなるとファイルサイズが今までの2倍になる。しかもうちのブログは他の写真ブログと比べても一回り大きな写真を載せているから、ファイルサイズは自然と大きくなり、1ページに5枚は載せているから、その分利用者に負担をかける。

それだけでなくサーバーにも負担がかかる。サーバーには転送量が定められており、一定の転送量を超えるとサイトに繋がらなくなるのだ。バズ的なアクセスも想定に入れて、ウェブに上げる写真のファイルサイズは小さいに越したことはない。

それにここ2,3年でスマートフォンからのアクセスが全体の6割を占めるようになった。重く感じない、ストレスを感じさせないサイト閲覧を実現する為には、ファイルサイズは少しでも小さい方が良い。

とはいうものの、せっかく綺麗に撮った写真なのだから大きいサイズで載せたい。堂々巡りである。

当分は新しい方式で、小さいファイルサイズのまま載せていこうと思う。というわけでうちのブログの白ホリゾントや白い部分の多い写真は、少し階調が崩れているが、ファイルサイズ軽減の為、目を瞑って頂きたい。

なお、Lightroomからデータを転送した場合や、adobeRGBのカラープロファイルで撮影した写真を、この新方式で保存する場合、色がくすんだりする場合があるので、その解決策として以下の記事にも目を通しておいて頂きたい。

Photoshopで写真をJPEG保存すると、色が変わる現象の原因と解決策

では良き写真ライフを!