人生初のコミケに行ってきた。参加したイベント名はコミックマーケット103。インテックス大阪で開催されている同人誌即売会『こみっくトレジャー』や『スーパーコミックシティ関西』は十数年前から何度も訪れたことがあるが、東京の即売会は初めて。日本どころか世界でも類を見ない規模の同人誌即売会の個人的体験をレポートする。初心者の迷いや疑問、交通手段なども綴っているので、参考にして頂きたい。(全文:13,000字)
本題に入る前に、記事が13,000字越えになったので、始めに役立ちそうな内容を以下にまとめておく。
- 新幹線・在来線・バスでの移動、駅での買い物は、交通系ICカードを設定で「エクスプレスモード」(iPhone)に設定すると、機械にスマホをかざすだけで通れるので楽
- 行きは東京駅から直行臨時バス、帰りは閉会後少し時間が経てば「ゆりかもめ」が楽
- アーリーチケットは当日、会場受付でリストバンドを受け取れる
- 準備は3日前に終えておく
- 東京ビッグサイトは想像していたよりも遙かに広い
- 事前にパンフレットやXのアカウントで頒布物やスペースの場所を確認しておくと効率的に回れる
目次
- コミケ参加までのいきさつ
- アーリーチケットとは
- リストバンドはどこで入手出来る?
- 泊まりで行くか、新幹線で日帰りにするか
- 新幹線チケットのお得な購入方法と、改札を通過するのに便利なアプリ
- エクスプレスモードの設定で改札も買い物もワンタッチで
- iPhoneとApple Watch、どっちが便利?
- EX予約で少しでも安く新幹線予約したかったが・・・
- コミケの紙のパンフレットと雑誌
- コミケ前日の準備
- まさかのプリンタのインク切れと故障が立て続けに・・・
- 準備は早めが肝心
- 東京ビッグサイトまでの直通臨時バス
- 東京ビッグサイトの玄関からアーリーチケット東へ向かって歩く
- アーリーチケットのリストバンドを貰う
- 並ぶ列を間違える
- アーリーチケットの待機列
- 迷う
- いざ企業スペース(西)へ!
- バイブリーアニメーションスタジオのブースに到着!
- リストバンドをなくす
- コスプレ撮影したり、スペースを回って写真集を買ったり
- スリや置き引きに注意
- なぜか寒くないどころか暑かった屋外と館内
- インテックス大阪とは開催時間が違う
- 帰りは臨時バスよりもゆりかもめの方が楽
- 次回の参加に向けて
コミケ参加までのいきさつ
そもそもなぜ東京までわざわざコミケに出掛けようと思ったのか。コミケなんて混雑するし入場までの待ち時間が長いから色々地獄とはTwitterなどで聞いていたし、往復3万円の交通費を払っていくなど勿体ないと思っていたところ、長年撮影させて頂いているレイヤーさんがウサギをモチーフにした写真集を出すので、ユージさんも何か一緒に出しませんかというお話を頂いた。
はじめは余り乗り気ではなかった。というのもiMacの5K Retinaディスプレイや同じRetinaディスプレイのiPhoneを持っているなら、わざわざ印刷しなくとも精細で目の前に実際に存在しているかのような写真を観賞出来るからだ。同じ理由でプリンタでプリントアウトしてもディスプレイで見るのと大して変わらないし、何ならディスプレイの方が大きいし、A3ノビで印刷するにしてもインクがすぐになくなって高くて勿体ない。
それに本を作ったことがないから面倒くさいし、お金もかかる。という事でアフターの食事の際に誘われたときは断ったのだが、家に帰ってからなぜか写真集を作ってコミケで売りたい、新しいことに挑戦したいという思いが止みがたくなり、LINEでやっぱり本を出したいという旨を伝えた。それが事のはじまりだった。
以前から何か同人誌を作って関西の即売会で売りたいという想いはあったから、紙のサンプルがたくさん収録された雑誌や書籍は買って保管していて、本を作りたいという下地はあった。その思いを掘り起こしてくれたレイヤーさんに感謝。
印刷所を見つけて、デザインして、入稿した。その一連の流れや日程、印刷所を選んだ方法、紙の厚さ、値段、実際の仕上がりなどは後日有料記事で追記するので省く。
アーリーチケットとは
コミックマーケット103は12月30日と31日の2日間に渡って開催される。今回はレイヤーさんのスペースに置かせて貰うことになり、スペースの予約もレイヤーさんに取って頂いたから、手続きの負担は軽減されたが、やはり初めてのコミケ参戦で分からないことだらけ。一つ一つ進めていくことにした。
まずコロナ禍の影響でサークルチケットが1スペースにつき2枚しか発券されない。かつては3枚あったとのこと。今回お手伝いでレイヤーさんのお友達が一緒に来るので、筆者は会場30分前に入場できるアーリーチケットを購入して10時半に入場しスペースに合流するという段取りになった。
ネットで調べてみるとこのアーリーチケットはそもそもかつてコミケ界隈で問題が先鋭化した徹夜組の解消を計るためのものらしく、また30分早く入れればそれだけお目当ての本もゲットしやすいらしい。
リストバンドはどこで入手出来る?
今回は本来の使い方とは違う形でアーリーチケットを購入することになったが、分からないこともあった。
コミケのサイトやメロンブックスなどで見かける、リストバンドという文字。アーリーチケット組はこのリストバンドを何処で交換して貰えるのかという疑問だ。
チケットの記載や公式サイトなど色々調べてみたのだが、何処に書いてあるのかサッパリ分からない。最終的に検索結果に出てきたヤフー知恵袋で同じ質問をしている人の回答で、この疑問は解決した。
当日、東の方に受付があるので、ファミマで発券した紙のチケットを提示すればリストバンドを貰えるとのこと。アーリーチケットは前日までにどこかでリストバンドに交換する必要はない。おそらく前日に交換出来る場所もないだろう。
他の前売り即ち通常の前売り券とリストバンド交換については詳しく調べていないが、メロンブックスで購入すると何か特典が貰えるという話はあった。当日も交換できるが長蛇の列で混んだという話はネットで見つけた覚えがある。
アーリーチケットは5,000円(+販売手数料220円とコンビニの発券手数料等110円)と他のチケットと比べて割高。ちなみに当日券は1,000円だっただろうか。通常の入場券も前売りの方が格段に安くなる。
とりあえずチケットの問題は解決した。アーリーチケットの販売開始日に、コミケの公式サイトに張られているリンクから、チケット販売サイトに飛べるが、どうも公式サイトがページによっては昔の官公庁のサイトのデザインみたいで横に長く画面の端から端まで文字が羅列されていて読むのがしんどい。20年以上前のインターネット黎明期のレガシーサイトの趣がある。リストの文字が小さいし、情報量が多すぎて、探すのに一苦労。目が疲れる。
泊まりで行くか、新幹線で日帰りにするか
一泊するか日帰りか。いつもは日本旅行のJR新幹線とパックになっている宿泊プランがお得なので選んでいたのだが、やはり年末年始だからかどうも相場が高い。東京に行くときにいつも泊まっているJR系列のヴィアイン浅草はなぜ出てこないだろうと調べてみたら、コロナ禍で潰れていた。新幹線の往復チケット代3万円を入れた相場がだいたい5万円くらいなので、日帰りで行くことにした。一泊したところで特に行きたいと思う場所もないし。2日連続でコミケに行くならソレもアリだが。
この時点で、そもそも当日新幹線に乗ってコミケの開場時間に間に合うのだろうかという懸念。これはヤフー路線で時刻表を調べて解決した。朝4時に起きて、4時40分頃に余裕を持って家を出れば、最寄りのJRの神戸の駅から、東京ビックサイトまで充分間に合う。
次に年末12月31日、新幹線の予約は取れるのかという懸念。これも12月中旬まで、後述するクレカ審査待ちで、予約を控えていたが、空席状態は普通に○状態だった。
余裕を持って前日入りした方が良いのだろうかとも思った。というのも新幹線ののぞみが今年から年末年始は指定席のみになり、寝坊して電車を逃してしまうと他の新幹線に乗れなくなるからだ。
自由席なら一本逃しても別の新幹線に乗れたはずだが、こだまとひかりは年末年始でも自由席で少し安い事もあり迷ったが、最近新幹線の席に関する乗車トラブル、指定席に誰かが勝手に座ってたとか、自由席の客のマナーが悪いとかがあるので、全席指定席ののぞみに乗ることにした。そもそも片道15,000円もするのにそこから数百円ケチって不快な3時間の旅をする道理もない。少し割高の指定席なら客も少ないかも知れないし、隣に誰も座らないだろうし(実際新大阪発6時2分発と東京発20時の便に乗ったが隣には誰も座らなかった)、指定席ののぞみで行くことにした。
新幹線チケットのお得な購入方法と、改札を通過するのに便利なアプリ
新幹線のチケットはどこで買うか。スマートEXというJRのサイトがあり、そこから購入するとポイントが当たるキャンペーンをやっていた。新大阪から帰りのJR西日本の新快速に乗っているときに気づいたのだが、今JR西日本はWESTERポータルというサイトでWESTERポイントキャンペーンを張っており、車内は中吊りも天井側面もその広告だらけだった。要はJR関連の施設やJR駅近くのお店、ショッピングモールなどで使えるポイントが、WESTERアプリやJ-WESTカード等を使うと色々と連動して貯まるという、ポイント経済圏構想だ。ヤフーや楽天が既に数年前からやっているが、交通系も遂に乗りだしたのか遅きに失したのでは?という印象。
ただワイヤードのYahoo!や楽天とは違い、JRはリアルな世界を舞台にしたビジネスなので、今から取り込んでも遅くはないのだろう。人はインターネットの方が安いからと言ってネットだけで買い物をする生き物ではない。お菓子や日用品など細々とした物は実店舗で買うし、本屋にしたところでAmazonで注文した方が楽と言っても、本屋に入って店を巡った方がネットよりも遙かに沢山の新刊を眺めることが出来るし、思わぬ本との出会いがあったりもする。最近はジュンク堂やアニメイト、メロンブックス、ゲーマーズなどの実店舗巡りが楽しいのは、作品との新しい出会いや発見がたくさんあるからだ。賑やかで最先端の流行を取り入れた表紙やイラストを見ているだけで楽しいし刺激になる。
日常の買い物先や旅先でお店を見つけたら衝動買いしたくなるもの。電車を使用する人なら、駅構内や周辺の名物の駅弁・スイーツなどのお土産やコンビニでポイントを使える特に貯められるとなれば、PayPayポイントや楽天ポイントよりもとっつきやすいし、決済もiPhoneの場合はウォレットの設定画面から、登録したクレジットカードの内1枚だけ選べる「エクスプレスモード」に設定すれば、顔認証やパスコード無しでiPhoneを店の端末にかざすだけなので楽だ。今回の遠征でも、決済方法を店員に訊かれた際に「交通系で」と言えばすぐに対処してくれた。
ICOCAでと言うと、東京の店員さんは何ソレ?となるかも知れないからどう言おうか迷っていたが、支払い方法のイラストに交通系と書いてあったからその通りに言ってみたら、スムーズに通じた。
エクスプレスモードの設定で改札も買い物もワンタッチで
このエクスプレスモードの設定、電車に乗るときも非常に便利だ。今回新幹線代が少し安くなるエクスプレス予約を使いたくて、J-WESTのクレジットカードを申し込んだのだが、審査に二週間ほどかかり、その後にICOCAカード(JR東日本のSuicaカードに相当)が重複していないかの調査ののちに2枚のカードが送られてくる流れで、出発の2日前に書留で届いたが、家にいたはずなのになぜか不在通知が入っていたので、コミケの前日に最寄りの郵便局に取りに行って設定した。
幾つかあるICOCAカードの種類の中でスマートICOCAというカードが送られてきたが、これをiPhoneに取り込む事になる。ICOCAアプリをインストールして、iPhoneにICOCAを読み込むと、番号が変更されるので、届いたばかりのICOCAカードは廃棄することになるから、この処理を行って何か支障は無いかと調べたが、メリットしかなさそうなので決めた。
ICOCAアプリでチャージできるので、駅でチャージする必要がなくなる。支払い方法にJ-WESTカードに紐付けるとポイントも貯まりやすいはずだ。
もう一つ、スマートEXのアプリをインストールして、交通系ICカード情報の項目に、ICOCAの番号を入力、もしくは既に別のカード情報を設定してあったならICOCAに変更すると、連動してICOCAアプリで新幹線の改札を通れるようになる。
番号はICOCAアプリのICOCA管理をタップすると、ICOCA番号が表示されるのでコピーアイコンを押せば、番号だけスマートEXの交通系ICカード情報にコピペできる。ただし冒頭のアルファベットはコピーされていないので、追記しないと設定できない。
これで予約した新幹線のチケットをICOCAアプリと連動できるので、新幹線の改札をスマホをかざすだけで通過する事が出来るし、前からどういう値段体系になっているのかややこしいと感じていた、在来線から新幹線の乗り換え、新幹線から在来線の乗り換えも改札をかざすだけで通ることが出来る。
iPhoneとApple Watch、どっちが便利?
Apple Watchにも設定できるのだが、そうなると恐らくSuicaの時と同じでスマホアプリの方は使えなくなるし、また番号が変わる恐れもある。はじめ勘違いしてSuicaの番号をスマートEXのアプリに連動させようと探したのだが、Apple Watchの設定を見ても番号が一部しか表示されておらず、連動のさせようがなかった。
それにApple Watchは利き腕とは反対の左腕に巻いているが、改札は右側にあるから、通過するときに毎回左腕を右側に持っていくのが少し面倒くさいと感じていた。スマホを取り出さずに改札を通れるのは、スマホ落下の危険が無くなるから良いとしても、ワンテンポ止まってしまう。またコートや袖の長い服を着ていると、裾を引き上げる必要があり、それもやや面倒。
同じ面倒ならコートの内ポケットやズボンのポケットからスマホを取り出した方が楽。という事でApple Watchへの取り込みは見送った。
実際に使ってみると、スマホタッチでも楽。改札の通り抜けも駅の売店の買い物もアプリを立ち上げずにスマホをサッと取り出すだけなのがとてもよい。特にカメラや頒布物や戦利品や駅弁など荷物が多かったので、スマホアプリ方式を選んでおいて良かった。
EX予約で少しでも安く新幹線予約したかったが・・・
EX予約で安く新幹線のチケットを購入したかったが、他のクレカと違い審査が長かったので断念。年会費が1,000円かかるので、コミケに行く口実にしようか。
コミケの紙のパンフレットと雑誌
自分が出るスペースの場所は分かるが、初カキコ、じゃなかった初コミケなので、記念に分厚い紙のパンフレットを買うことにした。メロンブックスで特典が付いて2,700円くらいだっただろうか。しかし結局読む時間が無くてほとんど読めなかった。他にもコミケの雑誌を1冊買ったが、こちらは少し薄い。この雑誌からコミケ参加に役立つ情報などを仕入れた。
コミケ前日の準備
さて、コミケ当日。朝4時に起きる予定が、興奮のためか夜中の2時半頃に目が覚め、そこから眠れなかったので色々準備して、いつものトーストとマグカップ一杯と砂糖いっぱいの紅茶と、クリームチーズと生ハムをのせて粗挽き胡椒を振りかけたクラッカーを3枚胃袋に入れて、4時半過ぎに家を出る。ちなみに前日も夜の11時くらいまで目が冴えて眠れなかったから、実質3時間くらいしか寝ていない計算になる。
ちなみにガチの準備は前日までに済ませておいたが、前日までと言うよりも前日に準備をしたのでかなりテンパった。大して用意する物はないのだが、一応スマホのメモにリストアップした物をリュック等に入れていく。頒布物はどうするか(持っていった冊数についてはちょっと恥ずかしいので会員向け記事で書くので良ければ購読してください)。当日雨が降るからビニール袋の上に紙袋を被せて、更に買ったばかりの服が入っていたビニール袋を被せるか。結果として普段使いの革製のバッグに入れていくことにした。
まさかのプリンタのインク切れと故障が立て続けに・・・
とにかく慌ただしい。というのも、クーポンや値札を作品作りのために買ったA3ノビのCanonのプリンタで印刷しようとしたら、インク切れで動かなくなった。プリンタを立ち上げたらインクを撹拌するのだが、この動作でインク切れて・・・確かに残量少なかったけども・・・。
もう1台のプリンタもインクが幾つか切れていたがモノクロ印刷は出来たので、インクが擦れるけどしょうが無いかと試してみる事に。ところが前回プリントした関係の無いデータが印刷されたので停止ボタンを押したら、紙が詰まって取り出せなくなった。電源を切って入れてもエラー表示で先に進まず完全に修理に出さないといけない状態。製品の製造年を調べたら10年近く前に購入したプリンタなので、そろそろ買い換え時期として良いかとも思ったが、大して使っていないし、スキャナーも付いているから、今回のことがなければあと10年は使えていたのではないか。
インクが幾つか切れている状態でプリントするとインクが擦れた感じになるし、今回のように故障するから1つ勉強になった。急がば回れ。
新しいプリンタ購入を検討したものの、こだわったら4万円もするし、書類関連をインク代が高いA3ノビのプリンタで使いたくないのだが、インクを購入した方が安くつくので、翌日、すなわちコミケの前日に朝からヤマダデンキにインクを買いに行った。
CanonのA3ノビのプリンタPro-G1のインクは一本1,650円だが、歳末10%OFFキャンペーン中なのか1,500円。Canonの純正インクは大きく値引きされることがないので、コレはありがたいということで他に切れそうなインク合わせて4本買った。計6,000円。ヤマダPayで払うと10%ポイントが戻ってくるキャンペーン中だったのでそちらも利用した。
準備は早めが肝心
午後から準備。プライベートの方で、小汚くて社会人としての常識が無いブツブツ呟きキモオジがパワハラみたいな事をしてこっちにまでとばっちり受けて日々殺意にも似たイライラが募る中で初コミケの準備を慌ただしくしていたのでテンパるテンパる。寝る直前のギリギリまで準備に追われた。やることはそんなに多くはないように見えて、結構時間がかかるし、ここ1ヶ月は本当に徹頭徹尾一日が埋まりあっという間に過ぎていって余裕がなかった。
準備は遅くとも3日前には済ませておいた方が良いと思った次第。
思い出したが頒布物の印刷にしても、レイヤーさんは結構早い段階で入稿していたが、筆者は早割が効く11月末日までダラダラとしてしまった。こちらの方も早く取りかかるべきだったが、腰が重い(比喩)。
東京ビッグサイトまでの直通臨時バス
5時10分頃のJR普通電車に乗って、6時2分発の東京行き新幹線のぞみ。8時半頃に東京駅に到着。のぞみは速い。
新幹線の改札を出て八重洲南口に出るのはすぐだった。予報通り小雨が降り出していた。目の前にはバス停があり何台かのバスが停まっていた。幅の広い道路の真ん中にもバス停があり、行列が出来ていた。ここから東京ビッグサイト直通の臨時バスが出ている。横断歩道を渡って細長い小島のようなそのバス停に辿り着く。スタッフが3人いて誘導。
事前に東京ビッグサイトまでの行き方をWebで調べたら臨時バスが出ているとあった。八重洲南口で道路の向こうのヤンマーのビルの前と書いてあった。Xでも検索したらバス会社がツイートしていた。
実際は道路の真ん中手前の中洲のような場所に臨時バスの停留所があった。
運賃は210円。支払いは乗車時。小銭を用意しておくよう言われたが、関西系のSuicaでも簡単に決済できた。交通系ICカード便利。
そこからバスに揺られること25分くらい。座ることは出来たが、バスは満員で立っている人もいる。この荷物でバスの中で立ち続けるのは辛いから座れて良かったが、行列の後ろの方だと立つことになっていただろう。その場合は一本やり過ごした方が良いと思った。
バスの乗車時間は随分長く感じられた。土地勘が全くないから今このバスが何処を走っているのか頭の中の地図でサッパリイメージできない。コレが関西なら多少はイメージできただろう。
東京ビッグサイトの玄関からアーリーチケット東へ向かって歩く
ようやく東京ビッグサイトに到着。建物下の薄暗い場所から先へ進み振り返ると、あの有名な逆三角形の入口の建造物が。
そこから歩道沿いに人の群れに従い東の方へと進む。どっちが東なのかサッパリ分からないが、即席の案内看板に「東」と書いてあるから東なのだろう。アーリーチケットのリストバンド配布会場があるのだが、歩けども歩けども「東アーリー」とやらに辿り着かない。雨が若干だが気になったので折りたたみ傘を指すことにした。頒布物はビニールを被せてあるから恐らく大丈夫だろう。
とにかく長かったがようやく辿り着く。さすが東京。大阪とは規模が違う。バスの車窓から見えた途中の高層ビルだかタワーマンションだかも何棟もボコボコと建っていてやはり東京は広いのだと実感。
アーリーチケットのリストバンドを貰う
テントでチケットを提示して、無事リストバンドをもらい受ける。チケットはパンチのようなもので穴が空けられていた。身分証の提示は求められなかった。
そこから奥の方へと歩くが、人の頭が凄く多い。とりあえず並んで座ってくださいとスタッフに言われたので座ったが、荷物のせいで座り続けるのがしんどいから立ったり座ったり。傘も差さないように言われたが、頒布物が心配なのでさしたりささなかったり。
地べたに座るにしても地面は濡れているし、アスファルトなので服が破れる恐れもある。何度も来ているであろう古参の参加者は折りたたみの椅子を持ってきて座っていた。なるほどあれは良さげだが荷物になりかねない。紙のようにぺしゃんこに折り畳めるのだろうか。
並ぶ列を間違える
しばらく待っていると、後ろの男性から声を掛けられる。
「それ、アーリーチケットのリストバンドじゃないですか?」
「ええそうです」
「ここ通常のチケットの列ですよ。アーリーチケットは向こうです。進路が別れてます」
親切な男性のおかげで早々に並ぶ場所を間違えていたことに気づいて良かった。荷物は多いし、雨が降っているしで赤文字の誘導看板が目に入ってこなかった。
アーリーチケットの待機列
アーリーチケットの列に並ぶ。こちらも同じように多い。インテックス大阪の行列と比べると雲泥の差。『こみっく★トレジャー』で同じように待機したことがあるが、6〜7倍くらいの人の群れ。
1時間ほど待ちようやく列が動き出す。ゲートでスタッフに見えやすいようにリストバンドを巻いた腕を上げる。まるで皆これから戦いに向けて決意の拳を上げているかのよう。何コレカッコいい。
スタッフが「この中は欲望渦巻く地獄です」みたいなことを言っていた。正確になんと言っていたか忘れたが思わず噴き出す。誘導スタッフも声を張り上げてタメ口で面白かった。コレがあのコミケ名物と言われていたやつか。
迷う
列が動くとすんなりと入れた。呆気ない。しかし入場したはいいものの、何処に何があるのか分からない。後から分かったが、入口左側がコスプレゾーンと今回頒布物を配布するスペースだった。コスプレとは案内看板に書いてあったが更衣室とあったので違うのかと思い、逆の方向に歩く。とにかくA〜Z、a~z、数字など多すぎて何が何だか分からない。
逆の方向に行ったのは良いのだが、これがまた長い。インテックス大阪は7〜8ホールはあったはずだが、通路がその2,3倍かそれ以上の長さがある。しかしその後、西スペースの企業ブースに行くときにまだまだ距離があることを実感する。
結局スタッフに訊いて元来た道を戻った。1度ホールの中に入り向こう側にグルッと回る感じと言われて良く分からなかったが、とりあえず感覚で歩いて行ったら何とか到達した。初めての場所というのは五里霧中だ。
既にレイヤーさんとお手伝いの女性が来ていた。横に頒布物を置かせて貰う。
いざ企業スペース(西)へ!
まずレイヤーさんが知り合いのところに挨拶に行くことになり、二人で売り子をする。その後交代でホールに買い物に行ったが、お目当ては企業ブース。ところがコレが長い長い。手探りで、案内看板を見ながら企業ブースに向かう。東と西を結ぶ連絡通路が長い長い長い、人もそこそこいる。そして大きなホールに到着。これまた長いエスカレーターのお出ましだ。
目の前に企業ブースらしきホールがあるが、三角コーンと棒で流れが作られている。蟻の行列のように蛇行してウネウネグルグルと回る。そしてエスカレーターで二階へ昇るが、そもそも今いる場所が何階なのか分からない。
ようやく到着する。L字型のホール。『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』のバイブリーアニメーションスタジオのブースを探すが見つからない。別の企業ブースに行くため1度外に出るがその途中で屋外のコスプレゾーンを見つける。しかし人がぎゅうぎゅうすぎて撮りづらそう。この場所の太陽の位置については限定記事の方で後記。別のホールに入ったが、ここにもない。
壁に企業ブースの案内が2枚貼ってある。ブースのナンバーに視線を這わせると、どうも先ほどのホールだったようだ。そちらの方に戻るがどうやって戻ったか思い出せない。
前を通ったはずだが、挟まれるようにしてブースが設置されていたので見落としていた。スタッフやコスプレをした女性が方々にいてクリアファイルなどを配っている。コスプレをした企業付きレイヤーさんを撮影できるブースも2箇所あったので撮影した。使用したライティング方法についてはまた限定記事で後記。
バイブリーアニメーションスタジオのブースに到着!
無事バイブリーアニメーションスタジオのブースに到着。1万円の『100カノ』セットを購入。クジが引けて当たりが出ると、総作画監督の矢野茜さんのサインを13時45分から直筆で色紙に書いて貰えるという。(中略)。当りが出たので、後ほど再びこの遠い場所に来ることに。
1度戻り売り子。サイン会の時刻が近づいてきたので、再び企業ホールへ向かう。1度歩くとだいたいルートは覚えたので、早く着くことが出来た。しかし長い。この日は最終的に20km歩いた。
普段のウォーキングでは6〜7kmなので、ウォーキング無しでいつもの3倍歩いたことになる。家から駅、駅からバスまでは大して歩いていないしイベント終了後に訪れた秋葉原もそんな広い場所ではないから、東京ビッグサイトでかなり歩いたことになる。毎日コミケが開催されていたら簡単に痩せれそうだ。
無事サインをして貰う。ベレー帽を被った可愛らしい若い女性だった。
リストバンドをなくす
コスプレゾーンに行ってみるが、さっきよりも人が多くて動くのもままならないほど。空いている人に何人か声を掛けようとしたが、人酔いしたのかどうも気分が乗らない。見覚えのあるコスプレをしたレイヤーさんもちょうど目の前にいたが、どうも声が掛けづらい。
東の方へ戻ろうと人の流れに沿って歩いて行った。1度歩道に出て横断歩道を渡り、向こう側の東側に行くというルートのようだが、リストバンドを確認するというアナウンスが聞こえてきてふと左腕を確認すると、リストバンドがない!!
え?え?えええええ????
元来た道を引き返しスタッフに訊いてみるが、リストバンドがないと再入場はもう無理、退場して貰うしかありませんと言われた。そういえば説明でそんなことを言っていたような記憶が・・・。
「中に荷物が残ってるんですが」というと、「仲間がおられると言うことですか?」
なんでないんだろうスポッと抜けたのかなそんな事ある???とコートの裾を引き上げてみると、奥の方にピンクのリストバンドがしっかりと巻かれていた。
「良かったですね、逆走は出来ないのであちらへ」と言われ、横断歩道の方へ歩く。
歩道の脇にスピーカーが落ちていて、録音してあるリストバンドの提示を促す女性の声が繰り返されていた。
向こう側に着いたがどことなくインテックス大阪のホール裏側のトラックの駐車スペースと似ている。広いが閑散としていて佐川急便のスタッフが待機していた。幾つか広々としたコスプレ撮影ゾーンがあるが、コスプレイヤーが2人しかいない。
その先へ行くと、初めの入口の所に辿り着いた。コスプレホールの中に入り、スペースに戻る。
コスプレ撮影したり、スペースを回って写真集を買ったり
女性に売り子をして貰った方が売れるだろうと、残り時間で他のスペースに記念に写真集を買いにいったり、コスプレスペースでレイヤーさんを撮ったりした。そんなに沢山のレイヤーさんは撮れなかったが、前からXで見かけた衣装にこだわりのあるセーラームーンのレイヤーさんを偶然見かけて、並んで撮らせて貰うことにした。ボードにスペースが書かれていたので、早速訪れて写真集2冊購入。6,000円也。
他にも写真集を何冊か購入した。ここ3ヶ月でクレジットカードやショッピングローンの支払い合計額が100万円越えだったので、財布の紐をキツく縛っていたが、一応軍資金として1,000円札40枚で4万円+お目当ての企業グッズ軍資金1万円札+不測の事態の時に使う7,000円を財布の中に入れていた。これから同人誌や写真集を買うため、普段から無駄使いしないよう、また物欲に負けないよう節約も心がけようと誓う。やはり即売会に来たら、4,5万円はぱーっと散財したいものだ。
そう言えば十数年前、女性向けジャンルが多いと知らずに行った『スーパーコミックシティ関西』や、男性向けが多い『こみっく★トレジャー』に初めて遊びに行った頃は、2,3万円くらい使ってたくさん同人誌を買っていたが、何度か訪れると2,3千円、時には1,000円くらいしか使わないようになっていった。初コミケ参戦でその熱気に刺激を受けたのか、今一周回ってまた同人誌や写真集を購入して記憶に留めておきたいという欲が巡ってきている。
Xの方でも気になるレイヤーさんの頒布物告知はブックマークに入れていたのだが、当日入れていることをスッカリ忘れていた。効率的に買い物をするなら事前に情報をちゃんと集めておくべきか、それとも本屋巡りのように何度も回って偶然の素晴らしい本との出会いと感動を期待すべきか。
スリや置き引きに注意
そうそう財布の紐と言えば、スリや置き引きを警戒する紙を持った女性スタッフ二人が回っていた。コートの内ポケットに長財布を入れておきたかったがスリが怖いので、別の盗まれないような場所に仕舞った。カメラバッグを背中に背負っていると、気づかないうちにファスナーを開けられて中の貴重品を盗まれるという話もあるから、その点も警戒して前に抱えたが、バッグの形状が悪いのか、紐が長いのか、厚めのコートを着ているためか、背負いにくい。結局後ろに抱えて常時警戒した。
なぜか寒くないどころか暑かった屋外と館内
厚めのコートと言えば、この日は気温が5度で雨も降るから、暖かい格好をして、貼らないカイロを五枚くらい持ってきたが、使わなかった。そもそも朝4時半に家を出て駅へ向かう段階で汗だくになった。荷物が重いせいだろうか。電車が来るのを待っている間、汗をタオルで拭い、分厚いコートを脱いで、手をあおいだ。冷気が心地よい。まだ12月末日だから、2月ほどには寒くないせいだろうか。
入場を待っている間も、靴は底が厚めの革靴を履いていたが、雨のせいか気温のせいか足が少し冷たくて不快だったが、体の方は寒くはなかった。
そしてホールに入った後は、移動に次ぐ移動で、とにかく暑い。雨予報だったのに太陽も差し込んできて、光がガラスから降り注ぐせいか、暑い。
企業ブースでクジを引いたときも、なかなか開かなくて焦って汗がダラダラ出てきた。
レイヤーさんや売り子さんは寒いと言っていたから、たぶん着ているコスプレや余り移動しなかったりするのもあるのだろう。
寒いなとようやく感じたのは、地元に着いて家に帰るときになってからだろうか。
インテックス大阪とは開催時間が違う
終了時間は午後4時。コミケ無事終了。拍手。
インテックス大阪で開催される即売会と違い、午後4時まであると余裕があって良い。コスプレイヤーは15時30分までに撮影を切り上げて更衣室が16時までだっただろうか。インテックス大阪は終了の15時まで撮る事もあるから、30分の差か。同人誌などは見る余裕が1時間多いから良い。
帰りは臨時バスよりもゆりかもめの方が楽
臨時バスで東京まで戻ろうとしたら、来たときのバスターミナルに行列が出来ていた。最終が出て全員が乗れないかもしれない申し訳ないと社員が何度も声を上げていた。通常のバスも行列が出来ていたので大丈夫かと聞いたら、そちらも乗れないかもしれないと言っていた。出発するバスを見ると窓ガラスの向こうがもう満杯。はち切れんばかり。戦利品が加わったこの荷物であのバスには乗りたくないということで、すぐ上にある「ゆりかもめ」で帰ることにした。コミケ終了から少し時間が経っていたためか、こちらはそれほど混んでいなかった。座れて良かった。
新幹線の時間に余裕があったので、秋葉原へ。先日撮った大阪オタロードの中心と比べると、秋葉原は数段も明るい。オタロのメロンブックスのキャラが描かれたビルが寂しく見える。
駅弁とバウムクーヘンを買い、20時の新幹線全席指定席のぞみで帰宅。時間的に乗客はそこそこ多かったが、半分も埋まっていなかったように思う。
新大阪駅に着いたら、コミケ帰りと思われるイラスト入りの大きな紙袋を持った人達がチラホラ。コミケ終了時間から結構経ってるのに、他のイベントでは余り見られない光景のようにも思われた。
次回の参加に向けて
結果的に東京ビッグサイトを内から外から一周することになった。ルートは頭に叩き込めたので、コミケのパンフレットの地図で再確認すればもう怖い物なしだ、と思う・・・。時間って結構あるものだと思ってたけど、年末1ヶ月はなんやかやで忙しくてパンフレットに目を通す時間というか気持ち的な余裕がなかった。
初参加のコミックマーケット103(C103)のレポート、この辺りで筆を置きたい。後日ライティング方法や写真集印刷にかかった値段などの詳細を限定公開で追記する。
東京ビッグサイトの屋内でコスプレする際のライティング手法とカメラの設定(プレミアム会員向け記事)
さて、今回長年撮影させて頂いているレイヤーさんに誘われて、初めてコミケで本を出すことになったのだが、LINEか何かの打ち合わせの中で「撮影もしますよね?」と言われ、そういえばコスプレもあったんだったと思い出す。
ではどのような機材を持っていけば良いのか。今回の限定公開記事では自分も本を出して荷物が多いときの撮影機材の選び方と、今回企業ブースやコスプレゾーンで撮影した際のライティング手法について解説していく。被写体の写っている写真無しの文章のみの解説になる点をご留意頂きたい。(限定公開記事:4,500字)
- 持参した機材
- 西棟の企業ブース
- 企業ブースを出た野外のコスプレゾーン
- 東棟一番端のコスプレゾーン
- レンズの焦点距離
- カメラの設定
- 他のカメラマンのライティング機材