この撮影の日は天気予報がどうだったか詳しくは忘れたが、山の頂にある現地は晴れたり曇ったりを交互に繰り返す天気で、到着したときにはまだ太陽がよく出ていたが、通り雨のような飛沫のような雨が体を柔く打つ中で撮影した日でもあった。移動中に車の中で「雨撮今日できますか?」と聞かれたので窓の外を見ると小さな雨粒が幾つかついている。「あー、うーん、この程度の雨ならちょっと難しいですね、ストロボ焚いてもあんまり写真に写らないかも」と答えたら、「出来るか出来ないかじゃなくて、やる前提なんや」と笑われた。
しかしながら懸念していたこともあった。ストロボやカメラ機材の雨避け用のハンドタオルを忘れてしまっていたのだ。天気予報では雨は降らなそうだったので、今日は雨撮影はないだろうと踏んでいたのだが、まさかこれ程の雨に見舞われるとは思ってもみなかった。山の天気は変わりやすいとはよく言ったもの。しかしながら雨はやがて通り過ぎ、夜には薄暗い雲が空を覆う下で無事予定通り撮影完了したのだった。
レイヤーさんが車の中で着替えている間にロケハンに行ってきた。ぐるりと回ると梅が良さげに咲いている箇所を幾つか見つけたのでここで撮る事に決めた。
今回は梅の木を取り入れながら撮る人物撮影の心得について考察していきたい。(全文:3,000字)