外付けハードディスクの値段も10年前に比べるとずいぶん安くなった。10年前のアイオーデータの外付けハードディスク250GBが、確か1万6000円くらいだったと記憶している。
今ではその12倍の容量の外付けハードディスクが、アイオーデータ製やバッファロー製などだと、12,000円前後で手に入れる事が出来る。
カメラマンにとって、外付けハードディスクの主な用途はデータのバックアップとなる。日々膨大な量の写真をRAWモードで撮っているカメラマンなら、1年で3TBバイトの容量を使い尽くしてしまうだろう。第一線で活躍するプロカメラマンはその数倍の容量を1年で使い切ってしまうと聞いた覚えがある。
最近はクラウドサービスなども提供されているが、ヘビーユーザーのカメラマンだと、無料のクラウドサービスが提供する容量なんてあっという間に消費してしまうし、RAWでバックアップを取るなら、現在でも外付けハードディスクがコストと実用の両面において最適の選択となる。
RAWデータで撮影しているカメラマンなら、3TBのハードディスクがコストパフォーマンスの面から見ても最適だろう。JPEGでデータを受け取る側のモデルやコスプレイヤーは、1TBが最適だ。そこまで容量を消費する事はない。
1TBが最適と書いたのは、万が一、3TBの外付けハードディスクが壊れてしまった場合、大量の写真データがすべてなくなってしまうからだ。小分けにしておいた方が良いというのと、1TBの外付けハードディスクを二台買って、万が一の故障の際にもデータが失われないようバックアップを取るという方策があると聞いた。
しかし1TBも3TBも、そう値段が変わらない。価格にして3,000円程度の差なので、活動が多い人は、3TBを二台買って、双方に同じデータをバックアップに取っておくという手もある。
プロカメラマンだと、事務所のある東京と、実家のある名古屋に、三台の外付けハードディスクを保管して、地震が起こった際のバックアップの事も考えている人もいる。
外付けハードディスクの寿命は3年と言われているが、データをバックアップする時だけパソコンに繋いで電源を入れる様にすれば、10年は持つ。既に10年前に購入した筆者の外付けハードディスクで実証済みである。要は常にパソコンに繋いで動かしっぱなしだと早く壊れてしまう。
と言っても、製品には当たり外れがあるので、二重にバックアップを取っておく事に越した事はない。壊れたハードディスクの復旧はデータの容量が大きければ大きい程費用がかかるので(おそらく10万円か20万円以上)、2万円ちょっとの出費で大切なデータが保持されるのなら、安い買い物だと割り切る事にしよう。
これは外付けハードディスクにバックアップを取らずに、PC本体のハードディスクがクラッシュしてしまい、大切な写真データを消失してしまった筆者からの提言である。