代表的なRAW現像ソフトは、adobe社のPhotoshop Lightroomと、キヤノンのDigital Photo Professionalの二つだ。筆者はニコンユーザーではないので、詳しく解説できないニコンのRAW現像ソフトは今回は省かせていただく。
さて、この二つのRAW現像ソフトには、特徴がある。今回はそれ等の特徴を紹介して、どちらのRAW現像ソフトが自分に合っているか見定めて貰おうと思う。
Lightroomは有償、Digital Photo Professionalは無償!
アドビ社のLightroomは有償となっている。パッケージ販売も行っているが、ダウンロード販売、さらにはクラウドで年間契約すると更に価格はお得となる。例えばクラウドで契約すると、プロが現場で使っている高性能の画像編集ソフトPhotoshopと、写真現像ソフトのLightroomが月々980円で使用できる。
キヤノンのDigital Photo Professional(以下DPP)は、キヤノンのデジカメを購入したユーザーなら、ソフトが収録されたCD-ROMが無償でついてくる。無償といってもLightroomに負けず劣らず高性能で、キヤノンのカメラユーザーに最適なパラメータが用意されている。
処理スピード重視ならLightroom!
Lightroomはなんと言っても処理のスピードが速い!以下の記事にも書いたが、DPPに比べて3倍の処理スピードがある。
パソコンのスペックが低い場合や、現像に割く時間がない多忙なユーザーで早く処理を済ませたい場合は、Lightroomの使用をお勧めする。
ノイズ処理を自動的にやってくれるDPP
DPPはファイルを取り込むとノイズ処理を自動的に施してくれる。RAWモードで撮る厄介さは、本来ならカメラの画像処理エンジンが自動的に施してくれる最適な処理を、自分の手で1からすべてやらなければならないことだ。RAWデータは手を加えていない生の状態のファイルなので、ノイズ処理も自分でやらなければならないというわけだ。
DPPは色味がキヤノンに忠実!
純正RAW現像ソフトの強みはなんと言っても、カメラの色を忠実に再現してくれることだろう。PCにデータを取り込んだとき、Lightroomは色が異なるが、DPPは撮影時の忠実な色で再現してくれる。
顔識別機能がついたLightroom。写真の整理には抜群の性能を発揮!
Lightroomには顔識別機能がついている。自動的に顔を識別して、過去の写真データをフィルタリングしてくれるのだ。過去数年分の写真からある特定の人の写真だけを割り出したい場合、これほど便利な機能はない。実際、写真データが数十万枚になってくると、データを探し出すだけで大変な作業になる。
膨大な写真データの管理には、Lightroomの機能が役に立つことだろう。
DPPは純正RAW現像ソフトゆえの強みがある!
DPPにはホワイトバランス微調整の機能がついている。これはカメラにもついている機能で、パソコンでも現場で撮ったときと同じように、ブルー、アンバー、マゼンタ、グリーンの座標で微調整を行うことが出来る。
他にもデジタルレンズオプティマイザの機能で、レンズの収差による描写の欠点を修正する機能がある。キヤノンのカメラとレンズを使っているなら、これらの機能の恩恵を被らない手はない。
ライブ撮影の現像ならLightroom!
Lightroomは意外なことに色温度の幅が大きい。例えば画像のある特定の部分をワンクリックすることで自動的にホワイトバランスを調整するクリックホワイトバランスを使うと、その幅の広さが実感できる。
様々な色の光源が入り乱れるライブ撮影などでは、Lightroomが威力を発揮する。ミックス光や極端な暖色寒色でむちゃくちゃな色になっている写真でも、クリックホワイトバランスを使うと簡単に自然に近い色に修正してくれる。
目的や自分の環境にあったRAW現像ソフトを積極的に使い分けていく事で、効率よくRAW現像が出来るようになる。もしどちらか一つしか使っていないのなら、是非ご検討いただきたい。