六角レンチをご存じだろうか。インターネットで組み立て式の椅子などを購入されたことがある方ならご存じかもしれない。L字型の細い金具の先端が六角形の形になっているネジ回しのことだ。六角形型に凹んだネジを回して固定するのに使う。
プロフォトのソフトボックスを使っていると、そこそこの重さがあるので、スピードライトリングのネジが緩んできてソフトボックスがお辞儀してしまうのだが、緩んだネジを締めるために、この六角レンチを使う。
ところが最近カメラバッグを買い換えたので、六角レンジを入れ忘れてしまった。カメラバッグに常用しておけば良いのだが、バッグのファスナーを開けたときにどうしても外に飛び出してしまう傾向にあるので、風景写真を撮りに行くときはこの六角レンジを出して机の上に置いておいたのだ。
そしてそのまま机の上に忘れてきてしまったというわけ。小さなL字型のレンジだが、これがないとソフトボックスがお辞儀してしまい、コスプレイヤーに光が届かなくなる。
どうした物かと迷ったが、ソフトボックスを少し斜め上に傾ければ、お辞儀しないかとやってみた。なんとかなった。しかしやや不安定。
チラリと脇を見ると、別のカメラマンがいて、同じマンフロット製のショルダーバッグをライトスタンドに器用にかけてソフトボックスを固定していた。風で吹き飛ぶのを防止するために駆けていたのだろうが、あの方法を援用できないかと、自分も色々物が詰まっているマンフロット製のショルダーバッグをライトスタンドに重心を後ろにしてかけてみた。そうしたらなんとかお辞儀しないよう固定できた。
撮影場所のリバーモールの川辺りは風の通り道のようになっていて、夜撮影をしていると気づくのだが、結構風が強く、油断しているとライトスタンドが倒れかけたりする。イベントの度にどうした物かと悩みあぐねていたが、今回ショルダーバッグを駆けたことで重しにもなり、一度も倒れそうにならなかった。もう一つの小型の三脚の方にもコスプレイヤーさんのリュックサックをかけて転倒防止にする。こちらも倒れなかった。
強風によるライトスタンド転倒防止には、ショルダーバッグやリュックサックを重しにするのが有効だ。六角レンジを忘れたときにお辞儀してしまうソフトボックス対策をどうするかという話から、ソフトボックスを取り付けたライトスタンドの転倒防止の話題になった。意外な回答が導き出せるのも、実際に外に出て撮影経験を積んでいく上での愉しみだ。