スピードライト Canon 600EX-RT ストロボ修理顛末記 – 電波通信ワイヤレスストロボを修理に出す前に点検すべき事

Canon 600EX-RTを2台修理に出した時の修理代とその後の経過。

キヤノンのストロボ600EX-RTを2灯同時に修理に出した。キヤノンのサイトや電話から引き取り修理サービスを選ぶと、ヤマト宅急便による往復の送料が2,750円もかかるので、大阪のサービスセンターに持ち込んだ。一昔前は西梅田のダイビルにあったのだが、淀屋橋に新しく出来たツインビル「中之島フェスティバルタワー・ウエスト」の1階に移転していた。

1台は桜の時期に公園で三脚に取り付けて撮影中に、春風に吹かれてアスファルトの地面に倒してしまい、ケース部分が中が見える感じで少し外れた。ストロボの首部分を覗くと、発光部と制御部を繋いでいるコードが見える。自分で直すのは危なっかしいし、爪が割れていたので、おそらく修理に出さないと危険だろうと判断し、ケースに大切に保管して早11ヶ月が経っていた。

もう1台は、撮影中に何度か発光させていたら、電波通信ワイヤレスが反応しなくなり光らなくなった。キヤノンのトランスミッター「SEーE3ーRT」のディスプレイ部分に「スレーブ充電完了」を示す下矢印が一向に表示されない。1,2時間ほど放置して再びセッティングすると下矢印が表示されて光ったが、10回ほど発光させると再び光らなくなった。

他のストロボは同じトランスミッターで電波通信ワイヤレスでLINKしていることを示す緑のランプが点灯しているし、「スレーブ充電完了」を示す下矢印も表示されていて、問題なく発光する。原因は電波の状態などではなく当該ストロボにあると判断し、良い機会だから修理に出すことにした。Canon 600EX-RTが2台だけでは普段のコスプレ撮影に心許ないのが理由だった。

それぞれのストロボの機番と症状・状態を記載した用紙と、キヤノンフォトサークルの会員証を2台のストロボと一緒にサービスセンターに差し出し、5分ほどで修理依頼の手続きを済ませた。会員証のナンバーから個人情報が出てくるのか、住所・氏名を書く手間は省かれていたように思う。サインをしてサービスセンターを出た。

数日後に見積もりの電話がスマホの方にかかってきて、全部で45,000円かかるとのことだった。これは痛い出費だなと思いつつもGOサインを出す。

修理品受け取りと修理費の支払い

そして1週間ほど経ち、サービスセンターに修理品が届いたという報せがスマホにあった。その時筆者は難波の街を歩いていたが、キヤノンの修理引換票を持参していれば良かったと後悔した。

その電話で実際にかかった修理費が35,000円程度であることを知り喜ぶ。部品が使えたとのことだった。

翌日サービスセンターに出向き、修理品を受け取る。ということで修理に出してから10日で戻ってきた。

請求金額の項目を見てひとつ気になったのは、キヤノンフォトサークル会員の特典である修理部品の10%オフが効いていなかった点だ。尋ねてみると、カメラやレンズだけで、ストロボには割引は適用されないという。以前ストロボを修理に出したときは割引が利いたような覚えがあるが記憶違いだろうか。

今回の交換部品と修理費用

落下させてケースが破損したストロボ

  • バッテリーケースユニット 7,025円
  • 後カバー 4,000円
  • フレネルパネルユニット 505円
  • フラッシュパネルユニット 640円
  • ワイドパネルユニット 720円
  • 部品代 計 12,890円
  • 技術料金 6,500円
  • 請求金額 19,390円
  • 消費税(10%) 1,939円

合計 21,329円。

パネルやけも見つかったのでパネルユニット部分も交換となった。

電波通信ワイヤレスが利かなくなったストロボ

  • 反射板ユニット 3,140円
  • バッテリーカバーユニット 2,145円
  • フレネルパネルユニット 505円
  • フラッシュパネルユニット 640円
  • 部品代 計 6,430円
  • 技術料金 6,500円
  • 請求金額 12,930円。
  • 消費税(10%) 1,293円

合計 14,223円。

指摘された現象は確認できなかったが、発光管のひび割れにより発生した可能性が考えられるため、発光管含む反射板ユニットを交換。

電波通信ワイヤレスが不調となったストロボの方が高く付くかと思ったが、意外と安く、むしろ落としたストロボの方が修理費が高く付いた。

各部品の名称を読んでも、それがどのような物なのか、どのような働きをする部品なのかサッパリ分からない。とりあえず直って良かった。

クレジットカードで修理費を無事に払い終えて、サービスセンターを出た。

修理品提出にサービスセンターを利用したもう一つの理由

サービスセンターで修理品を受け取りたい理由は、宅急便の送料が高い他に、修理費のクレジットカード払いが可能だったこともある。45,000円という大金を銀行のキャッシュカードで引き出すのが面倒だし、財布に入れて持ち歩くのも落とさないか盗まれないか心配だ。2本は外国と比べると治安が良いから、街中でスリや強盗に遭うことはそうそう無いが、やはり大金を持ち歩くのは不安なものは不安である。事実今年2度もクレジットカードの入っているキーホルダーを近所の道に落として家に帰るまで気づかなかった。

戻ってきた修理品が再び不調に

さて早速Canon 600EX-RT系のストロボ4台をカメラバッグに入れて8人の大型撮影に赴いたら、セッティングの段階で修理から戻ってきたばかりの1灯の調子がおかしいことに気づいた。電波通信ワイヤレスが正常に作動していることを確認するため、カメラ前部にあるボタンを押してモデリング発光(テスト発光)してみると、微弱な鋭い音と共にもの凄く明るい閃光が走る。通常モデリング発光ではこのようないびつな光り方はしないはずなので嫌な予感はしていたが、撮影していく内に、トランスミッターで光量調整が制御できず、フル発光症状を起こしていることに気づいた。

もう一灯の方も少し「スレーブ充電完了」の反応が遅いような気がしたが、発光させていく内に気にならないほど通常の動作をするようになった。

ということで再びキヤノンサービスセンターにストロボを持ち込んだのだが(ヤマト宅急便の送料が思いの外高いため)、今回は担当のスタッフが奥に行って動作をテストすることになった。

故障品のテストをしてみると別の症状が発生

10分から15分ほどかかっただろうか、スタッフが出てきて、トランスミッターによる電波通信ワイヤレスの操作方法が分からないから、いつもやっているように再現して欲しいという。スタッフが持ってきたカメラはCanon 7Dだが 所有している5DsRとボタンなどはだいたい同じはずなので、とりあえずトランスミッターをセットした。

その際に使用しているのはこの3型のトランスミッターで間違いないか聞かれたが、さて実際に目にしてみると、自分が使っていない機材というのは全く異形に見えるもので、少し四角いような感じがする。そもそもトランスミッターの製品名を覚えていないので、3型と言われてもピンとこなかった。電波通信ワイヤレスのトランスミッターは今まで2度リニューアルしているのかと驚いたくらいだ。サービスセンターの所有物であることを表す白いシールが貼ってあるから尚更形が別の物に見えて時分の所有している製品と同じ物なのか自信が無かったが、電波通信ワイヤレスが出来るタイプのトランスミッターかと問うとそうだというので、これで間違いない。キヤノンのトランスミッターは、電波通信ワイヤレスに特化したSEーE3ーRTと、光通信に特化した製品の2つしか出ていないはずだ。

さてストロボを壁に向けてシャッターボタンを押してテストしてみたら、今度はまたおかしな事が発生した。フル発光になるはずが、やけに光量が弱い。しかも1/1の設定で光量が弱くてほぼ真っ暗で、1/128の設定で光量が強くて真っ白になるというあべこべの現象が生じた。一体何が起こっているんだ。ふとカメラの設定が絞り優先モードになっていることに気づき、いつものマニュアルモードに設定してテストしてみたが、同じ症状が発生した。どの光量設定でもフル発光になる症状はどこに行ったのだろう。

疑心暗鬼

実は修理品が戻ってきたときに、修理に出す前よりも少し傷が増えたのではないかという気がした。写真に撮っていないから確証は持てないが、どうもその傷だらけの外見を見て呪われているようで嫌な予感がした。そこでスタッフに、発送する際はどの用意しているのか尋ねたら、決して衝撃が加わらないよう厳重に厳重を重ねて梱包しているという。その内容は正確には忘れたが、梱包材を使って梱包しているという話だったと思う。

再修理の料金〜戻ってくるまで

とりあえずフル発光症状が起こるという事で再度修理となった。交換部品が異なるからまた幾らか修理費がかかるかと聞いたら、滅相もないという答えが返ってきた。無償で修理してくれるとのことだった。その言葉に感謝してホッと胸をなで下ろす。

早急に対処してくれるという事で、また再度修理の場合はヤマト宅急便の送料はかからないので、何度もご足労だろうから宅急便を勧められ快諾した。その際にストロボの貸し出しも勧められたが、落として壊して弁償するのが嫌なので、こちらは丁重にお断りした。

それから1週間もしないうちに家に修理品のストロボが届いた。今までに無いかなりのハイスピード。

故障内容には、「※厳重点検希望」とあった。

処置内容は、電気回路部の不具合により指摘された現象が発生したので、不具合部分を含むトランジスタを交換。

支払いは到着時と記載されてあったが、修理費はゼロ円。

三度故障??? 電話で再修理依頼

ところが、当該ストロボを再度撮影に持っていくと、今度は電波通信ワイヤレスの「スレーブ充電完了」アイコンが表示されない。ストロボのLINKも赤く点灯したまま、緑にならない。つまり電波通信ワイヤレスが死んでいる状態・・・。

また故障、一体どうなっているのか、呪われているんじゃないか。このストロボは一度も修理に出さない状態の中で長く使っていたから主に床に置いて光らせていたのだが、どこかのロケ地の地面の下に大坂夏の陣で戦死した成仏していない死体でも埋まっていたのか、などと妄想を広げながらも、どうせ600EX-RT系はあと3台あるし、4台目は予備機扱いだし、430EX ⅢーRTも2台あって今まで通り撮影できるから、年末か年明けの暇なときにでも電話で修理に出すかと腹をかき欠伸しながらほったらかしにすることにしたのだった。

そして先日の夕方、キヤノンのお問い合わせ電話番号に電話を掛けて、症例を話し修理を依頼したのだが、家の電話だったので修理履歴が出てこない。そこでスマホの電話を教えたら、サービスセンターに出した修理品の記録は別の所なので、1度問い合わせてみるという事で数分後に無事履歴を確認、こちらの住所氏名を伝えて修理に出すことになった。

ストロボの設定が変わっていたのが原因

ところが同じ日の夜に、トランスミッターの電波が悪いときの対処法に関するブログの記事を書こうとSEーE3ーRTの取扱説明書を紐解いたら、Chの設定の他に電波通信IDの設定というものがあることに気づいた。Ch設定はSEーE3ーRTのディスプレイに常に表示されるから意識しやすいが、電波通信IDは常時表示されないので、そのようなIDがあることを知らなかった。

もしやと思い、修理から戻ってきたストロボの電波通信IDを表示させてみると、1000とある。トランスミッターや他のストロボの電波通信IDはすべて0000だった。今まで電波通信IDの設定は触ったことがないので、0000がデフォルトの設定と思われる。重点的なテストの名残かも知れない。

ということで翌日の朝、キヤノンに修理キャンセルの電話を掛けると、前日と同じ人が出て対応してくれた。ストロボも無事発光したという事で、一件落着。

キヤノンのストロボ修理まとめ

  • サービスセンターで修理品を受け取ると、修理費のクレジットカード払いが可能。
  • キヤノンフォトサークルの修理部品10%オフの特典は、ストロボには適用されない。
  • 電話や公式サイトから引き取り修理サービスを依頼すると、宅急便の往復送料2,750円がかかる。
  • 修理に出して戻ってくるまでの期間は、休日を入れて約10日〜14日が目安か

ストロボの電波通信ワイヤレスの不調で修理に出す前に確認しておくべき事

  • チャンネル & 電波通信IDがトランスミッターとストロボ双方同じか確認。
  • 電池を入れ替える。