Canon 5DsRはローパスフィルターキャンセルモデルとなる。5Dsはローパスフィルターがあるモデルとなる。Canonはローパスフィルターは必要というスタンスを取っていたが、ニコンはローパスフィルターレスの一眼レフカメラを投入しているので、キヤノンもローパスフィルターレスモデルを出して欲しいという要望があった為だろうか、キヤノンの超高画素機5Dsシリーズはローパスフィルターあり(5Ds)とローパスフィルターキャンセル(5DsR)の2モデル体制となっている。
ローパスフィルターキャンセル、またはローパスフィルターレスにすることで、ローパスフィルターが備わってるカメラよりもより解像感が増した写真を撮る事が出来る。
しかし欠点もある。被写体によってはモアレが発生してしまう。銀色のシルクのタキシードや鳥の羽模様などの被写体には、モアレが強く出る。モアレの発生については高性能レンズや高画素機との兼ね合いなど色々複雑なので、詳しい解説は省略して本題に移りたい。
Canon DPPでモアレを低減する方法
Canon 5DsRでヒヨドリを撮ってきたのだが、写真を見ると羽の部分にモアレが発生していた。なるほどこれが噂に聞いていたモアレか。5DsRでは普段は風景写真を撮っているが、こういった高周波の模様の被写体を撮ることが少なかったためモアレとはお目にかかれなかった。ビルの写真でもよく出ると聞くが、今まで撮った写真でモアレを意識したこともあまりない。些末なことなので単に気づいていないだけかも知れない。
このモアレ、Canonの純正RAW現像ソフトデジタルフォトプロフェッショナル(DPP)で緩和することが出来る。方法は簡単で、ツールパレットの虫眼鏡と画像のアイコンをクリックして、色モアレ低減の項目をチェックすると良い。デフォルトでは2に設定されていた。
ご覧の通り簡単に色モアレが消えた。これで5DsRで撮影しても怖い物なしだ。
補足:DPPモアレ低減はどこまでするべきか
DPPのモアレ低減をデフォルトの2で処理したが、まだモアレが僅かに残っている。最大の5に強めるとモアレは消えた。
問題はこの手のデジタル補正処理を施したときに他の描写の色に影響を及ばさないだろうかという懸念だ。Lightroomではパープルフリンジを細かく調整できるが、余り強くやり過ぎると写真の他の箇所の色が変化したことがあった。セーラー服の襟の線の部分の色だっただろうか。
モレア低減なしとモレア低減アリ・レベル5の描写を比較してみよう。
ヒヨドリの羽根のモアレは完全に消えたが、その代わりに桜の花びらの赤い筋、おしべの花粉、茎や蕾の黄緑色が失せてしまい、豊潤さが損なわれてしまった。ヒヨドリの目や羽根の色もやや沈んでいる。気にするか気にしないかの問題かもしれないが、パープルフリンジの処理と同じでやり過ぎると別の箇所の色も影響を受けることを考慮に入れておきたい。