24mmといえば広角、もしくは超広角の焦点域に分類される。広く撮れるので、通常は風景写真を撮る時に用いられる焦点距離だ。
一方、その広く撮れるという利点のみに目が行ってしまい、カメラの初心者が集合写真を撮る時に、使いがちなのが24mmといった広角の焦点距離だ。
まず24mmの広角域では、フレームの周辺領域に激しい歪みが生じる。故にフレームいっぱいいっぱいに人物を収める集合写真で撮る時は、周りの人物が歪んで写ってしまい、失敗した集合写真になる。
そこで通常は単焦点レンズなりズームレンズなり、焦点距離35mmや50mmをカバーしたレンズを使うのだが、35mmでもまだ歪みが生じるので、集合写真は50mmの焦点距離で撮るのがベストとなる。
しかしセオリー通りに撮っていると皆同じような写真になってしまう。広角レンズを使って集合写真を撮る良い方法はないだろうか。
そこで広角レンズの歪みをなるべく人物写真に影響しないように、モデルを出来るだけ中央に配置して、引きで撮ってみた。
この後メンバーがすぐに散開して別のポーズを取ることになったので1枚しか撮れなかったが、どことなくエヴァンゲリオンの、上から俯瞰した最終話集合写真のイメージカットに似ている。
別のポージングに写ったので、そのまま24mmの広角レンズで先ほどのダイナミックな構図になるよう撮影してみた。
上から俯瞰して撮ることで、脚がすっと細くなり体型がスタイリッシュに写るだけでなく、末広がりで縁起の良いダイナミックな構図になる。周囲の人物の顔に歪みは生じているが、なるべくフレームの周辺から遠ざけているし、歪みにより構図がダイナミックになっているので、それ程気にならない。
広角で生じる歪みを気にして、引きすぎて撮ると、今度は被写体が小さくなりすぎて寂しい感じの写真になってしまうので、歪みが不自然に見えないギリギリの所で被写体を大きくフレーミングする作業が重要となる。