人物撮影の基本は逆光と言われて久しい。太陽をモデルの背にすれば、髪の縁に美しい光が帯びる。この光の縁は俗に「天使の輪」と呼ばれている。
しかし逆光で撮るというのは難しいものだ。太陽の光が強すぎると、AFが迷い、ピントが合いづらい。マニュアルフォーカスに切り替えて、手動でピントを合わせるしかないだろう。
慣れていないカメラマンにとってはMFでのピント合わせは難しいかも知れない。マニュアルフォーカスで開放F1.4デモガチピンに撮れる方法は、こちらの記事を参照して頂きたい。
また、逆光ばかりで撮っていると、いつもとは違う絵も撮りたくなるものだ。そこで順光で撮るという方法がある。
「でも順光って、顔がテカテカするし、モデルも目が眩しいから渋い表情になるんじゃないの?」
その通り。ただしそれは、太陽が出ている時に限る。太陽が物陰に隠れている時に太陽のある方向に向いて撮れば、モデルも眩しくないし、顔が適度な明るさで照らし出される。空を向いて貰えば、レフ板なしでキャッチライトも入る。
薄暗い場所では、野外でもアンブレラやソフトボックスを使ってコスプレ写真などを撮りがちだが、太陽が物陰に沈んだ夕暮れ時などは、透明な光を利用して、人の顔や姿を綺麗に写し撮ることが出来る。場所も選ばず、荷物も減らせる。ソフトボックスを使った写真よりも綺麗に撮れることだろう。そこが自然光の旨みだ。