野外ロケでステキな写真を撮る為のたった一つのセオリー

逆光で撮った写真は輝きを放つ。
逆光で撮った写真は輝きを放つ。

野外ロケでポートレートを撮影する場合、どう撮るべきだろうか。写真には絶対的なセオリーは存在しないので、絶対この方法で撮るべき!といった明確な答えはないが、最大公約数的な同意を得ることが出来るとすれば、次の方法に尽きるだろう。

逆光で撮る。

たったこれだけ。野外で撮る際にどう撮るか迷った場合は、これだけを実践すれば大抵は上手くいく。

逆光とは何か。太陽がモデルの背後にあり、後ろからモデルに光が当たっている状態を言う。つまり常に南(南半球の場合は北)の方角にある太陽の位置を現場で把握さえ出来れば、モデルを適切な位置に立たせて、シャッターを押すだけで、ステキな写真が撮れる。

もちろん細々としたカメラの設定は必要だ。F値を開放付近にしてみたり、シャッタースピードを調整して、明るめの露出に設定したり。自分の好みに合った味付けをすると良い。

なぜステキな写真と言えるのか。顔に影が落ちていないからだ。おまけに髪の縁に光が帯びてとても美しく見える。そしてモデルがフンワリとしている。

逆光はモデルを美しく縁取る。
逆光はモデルを美しく縁取る。

正午頃に太陽は頭の真上の、最も高い位置にある。このとき太陽の光はいちばん日差しがきつい。太陽の位置を把握せず、順光で撮ろうとするとトップライトのようになり、顔に影が落ちる。コレは失敗写真だ。それでも僅かばかりに南に太陽が位置しているので、逆光になるように撮る。

model:Asa
model:Asa

顔に影が落ちている写真は失敗写真だと断言できる。なぜなら自分が昔そんな写真を撮ってしまい、しまった!と思ったことがあるから。

うたプリのスターリッシュのコスプレを撮ることになった時、きっと5人横一列に並んで撮ったら綺麗だろうなと、レイヤーさん達を立たせた。そして撮ってみたが、何だか顔の描写が硬い上に、影が出ていて、みんな眩しそうにしている。皆の視線の先には4月の午後3時のきつい日差しを放つ太陽があった。

この時はまだ順光も逆光の意味も知らなかった。最適な写真を撮るための太陽とモデルの相関関係を知らずに撮っていたのだ。レイヤーは眩しそうにしているし、顔に影も落ちているし、質感が硬いし、明らかに失敗写真だろう。

もし何かの拍子で、逆向きに向いて貰って撮っていれば、ステキな写真が撮れていたかもしれない。

どうしても順光でないと背景が決まらない場合は、太陽が雲に隠れるのを待つ

太陽を背にしてモデルを立たせて撮れば、ステキな写真が撮れるが、必ずしも逆光のセオリー通りにモデルに立ってもらったときに、モデルの背後にステキな背景が広がっているとは限らない。

そういう時は、ステキな背景探しの旅に出ることになる。まぁ大抵は何とかなるものだ。どうしてもコレを背景にしたいけれど順光になってしまう場合は、太陽が雲に隠れるのを待つと良い。そうすれば強い日差しは雲によって拡散され、モデルの顔に影が落ちないので、順光も逆光も関係なくなる。

寝転がっているシーンは順光でもOK!

さて、寝転がっているときはどうか。仰向けに寝転がれば、太陽は常に頭上にあることになる。順光状態だ。こないだ撮影してみたのだが、寝転がっているシーンを撮る時は、案外順光の硬い感じの写真も良いなと感じた。斜めからではなく、正面に光が降り注ぐので、顔に影が落ちない。肌の質感も芝の質感も、どちらもシッカリ均等に出ているのがメリットだ。

仰向けでも横に向いて貰うと、太陽が眩しくない。
仰向けでも横に向いて貰うと、太陽が眩しくない。

夕暮れ時に逆光で撮るのが最高!

とりあえず野外ロケに出かけて晴れている時は、逆光で撮ることを心がけよう。夕暮れ時などは特に。常に太陽の位置を把握して、モデルを太陽の前に立たせれば、それだけでステキな写真が撮れること請け合いだ。

夕暮れ時に逆光で撮ると、神々しい写真が撮れる。
夕暮れ時に逆光で撮ると、神々しい写真が撮れる。