東京旅行2日目は、足立区にあるアイルートスタジオにコスプレ撮影。もともと今回の東京旅行は、関西に住むコスプレイヤーさんの撮影依頼がきっかけとなっている。筆者も関西住まい。2人とも関西住まいだが、東京でのスタジオ撮影。
東京旅行2日目
朝7時頃にホテルを出て、北千住駅に着く。電車がまだそれほど混んでいなかったが、駅は人の流れが多く、丸井の前に出ると、ちょうど通勤通学の時間帯にあたり、その先の商店街は随分と人が多い。
北千住がどういう地域なのかサッパリ分からないが、目的はここではなく、荒川の向こうにあるアイルートスタジオ。国道4号線を歩くことに個人的に意義があった。
18〜9年前に銀座から国道4号線沿いを歩いて秋葉原に出て北千住を抜け、女友達の家がある埼玉まで歩いて行けるかを試したのだ。そのことを友達に話したら、「鬼平犯科帳みたいだね」と言われたのを今でも覚えている。
大きな橋を渡った記憶があるが、千住新橋という名だと分かった。橋の角には足立区の周囲と比べると一際綺麗な建物が聳えている。18年前は夜に歩いたので見目形についてはあまりよく覚えていなかった。橋を渡ろうとすると2人の女子高生に自転車で追い越される。タータンチェックのスカートが随分と短い。少々坂になっていて撮影機材を担ぎながらなので歩くのもきついが、毎日のようにあの女子高生達は自転車で坂を登って随分鍛えられているのではないだろうか、などと思いながら荒川に辿り着く。
荒川の土手を見ると所々が広く泥濘んでいる。大型台風が通り過ぎた翌々日だったか。株式取引が始まる午前9時まで写真を撮り時間をやり過ごす。ここからもマルイのビルの向こうに東京スカイツリーが見える。荒川は大阪の淀川に似ているような似てないような、雄大さでは京都の鴨川と通じる所も少しある。
先日観に行った『タロウのバカ』という映画が足立区を舞台にしており、撮影の帰りに寄った五反野駅もロケ地となっていたが、映画の中でも象徴的な三郷ジャンクションは少し離れた所にあるので、荒川沿いを走る首都高速中央環状線で我慢した。遠くの橋に電車が走っているが、以前見たときは夜の明かりが灯った電車だった。
橋を渡り先を少し行くと交差点があるが、18年前にどのルートを辿ったか、この辺りの光景は夜だったこともあり、もはや記憶にない。梅田通りに左折してそのまま梅島駅に行ったのかも知れないし、もう少し先を歩いてそこからまた一般道に左折して駅の方を目指したかもしれない。もしそうなら、アイルートスタジオのある場所を18年前にも通ったことになる。記憶ではそれほど広くない一般道を、マンションや車止めなどを見ながら、数百キロ離れていても地元の景色とさして変わらないなと妙な感慨に耽りながら歩いていた。
古ぼけたビルの前に着いたが、お相手の2人はまだ到着していない。しばらくするとレイヤーとおぼしき女性が武器とおぼしき物を挿したカートを引いて現れた。もうしばらく待っていると、見覚えのある顔がもう1人の関東の女性を連れてやって来た。
地元と大して変わらない景色だが、こうして東京で見覚えのある人に会うと、何かが少しずつズレているような感覚がする。ボタンを一個掛け違えているような、互いの時間が5分だけズレて流れているような。
レイヤーが着替えている1時間程の間に、行きたい場所があったので、ライティング機材の詰まったショルダーバッグを預けて、カメラやレンズ、ストロボが入ったリュックサックだけを背負い、東武伊勢崎線の五反野駅から或る駅へ向かった。
ちょうど五反野駅に戻って歩いて向かっている所へ着替え終わったというLINEが入る。
スタジオに再度到着して、夕方までコスプレ撮影。辺りはすっかり暗くなる。
3人で五反野駅近くのココスでアフター。しばし歓談してから、店を出て五反野駅に向かい、北千住駅で乗り換え、皆と別れた。
浅草のホテルについてから、ライティング機材を部屋に置いて、近くの浅草寺による撮影に出掛けた。訪日観光客をオモテナシするために23時までライトアップしているそうで、心ゆくまで朱の映える浅草寺を撮影した。
そこから再び東京スカイツリーの撮影に赴いたのだが、アサヒビール本社ビルは既に消灯していて、スカイツリーだけが光をまとったその逞しい鉄骨を空に向かってハリーポッターに出てくる魔法の杖の如く輝かせた尖端を突き上げていた。
橋を渡り高架橋沿いを一区画歩いたところにある交差点でスカイツリーを撮影。まだ灯っていた。
最後に浅草駅を撮って浅草駅前のセブンイレブンで買ったカップラーメン等を買い、ホテルに戻って食べようとすると箸が入っていないことに気づく。同じ50代前後の男の店員だ。昨日はドコモのdペイで支払えるかどうか聞いたがうやむやで、今日見たらレジにしっかりとdペイのロゴマークが入っている。今回は箸を入れ忘れる。やれやれだ。ふとコンビニに入って気づいたのだが、自分の食べたい物が売ってない。いったい夕食に何が食べたいのか分からなくなった一瞬であったのだが、よくよく考えてみるとこの日はアフターでハンバーグを食べていたのだった。
東京旅行3日目
東京旅行三日目。とりあえず行ける所をドンドン巡ろうという事で、まずは皇居を目指した。18年前に東京を訪れたときも皇居を通ったが、その時はどこを見れば良いのかあまり良く分からず。しかし今回はカメラを持ってきているし大体どこを撮れば良いのか事前に下調べをしておいたから、惑うことはなかった。
東京駅に出る前に、浅草で東京スカイツリーとアサヒビール本社の写真を収めつつ、また前々日に撮影した東京駅も写真に収めつつ、皇居を目指した。太平洋戦争のドキュメンタリーや映画にも出てくる有名な二重橋、坂下門外の変で名前を覚えている坂下門。後はこちらも桜田門外の変でその名を覚えている桜田門。こちらは工事中だった。ジョギングをしている人達が桜田門を通り抜けていくのをちらほら見かける。
皇居の衛兵が立派な門の前で交代する瞬間も見ることが出来た。
さて桜田門を出ると、遠くに小麦色の国会議事堂が見える。その手前が中央官庁の建ち並ぶ霞ヶ関一帯。まず目に見えたのは大人気アニメ『名探偵コナン』やドラマ『相棒』でもお馴染みの警視庁のビル。
最高裁判所や国土交通省、経済産業省など、テレビのニュースで見たことのある建物が目に飛び込んでくる。
国会議事堂の正門に到着。無料で見学できるとのことだったが、正門ではなく反対側の門から受け付けているというので、議事堂の敷地をぐるっと回った。途中首相官邸が見えるが、男女のSP達が彼方此方で辺りを警戒している。映画みたいな光景で緊張感が漲っている。やはり所々で警察官が歩哨のように見張っている。
門の前でしばし待ち、個人情報を用紙に書いて受付を済ませて、中に入る。しばらくしてから課外授業の小学生の集団や仕事を抜け出してきたものと思われる大人達に交じって見学開始。1mウン万円の赤い絨毯も踏み心地がふっかふか、ホラ奥さんこれふっかふか、なんとこのふっかふかの赤絨毯のお値段が1メートル辺り(1平方メートル)税込かどうかは分からないけど18,000円!
天皇陛下が待機するという落ち着いた赤い部屋も豪華で、本会議場はテレビで見るのとは違い並々ならぬ重厚感がある。空気もどことなく重い。衛視から畳何畳分という解説があったが、ということは豊臣秀吉が建てた大坂城の千畳敷の大広間は、本会議場のこの広さの大体何倍分くらいかという目安を立てることが出来たのが思わぬ収穫だった。
ここで日本の将来を左右する法案が審議に諮られるのだなと思うと感慨も深い。あの席に現今の総理大臣安倍晋三の他に、小泉純一郎、中曽根康弘、佐藤栄作、池田勇人、田中角栄、吉田茂、東條英機などが座っていたのかと思うと、やはり歴史好きとしては目を見張らずにはいられない。とにかく立体感が凄いし日本製にこだわった議事堂ではあるがここだけは英国製というステンドグラスの天井がテレビで見るよりも豪華で、明かりはややほの暗く感じさえするほどで神秘的な空気が漂っている。残念ながら国会議事堂の内部の写真撮影は叶わなかったが、外観はOKという事で撮影した。
国会議事堂を後にして、地下鉄を乗り継ぎ六本木ヒルズに向かう。午後2時半について3時15分頃に六本木ヒルズ52階にある展望台東京シティビューへ辿り着く。ちょうど開催されていた細野観光でまったりとした音楽が流れる中、ぐるっと一通り回って撮影してから、屋上スカイデッキに移動。最上階から東京の街並みを眺める。
日が暮れてくると寒くなってきたが、やはり夜景が撮りたかったので頑張って出張った。外国人のカップルに写真撮影を頼まれたりと終始和やかなムードで東京の景色を楽しむ。
階下の展望台に戻り最後に30分ほど東京タワーを撮影。
もう少し長居したかったが新幹線の時間が迫っていたので東京駅へと向かった。帰りの電車の中でレイヤーさんから頂いたステラおばさんのクッキーを食べる。夕飯を買う時間が無かったのでちょうど良い腹ごなしになった。
ということでまた1月、今回お流れになったコスプレ撮影に行くことになったので楽しんでこようと思う。