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ライブビューモードの思わぬ恩恵 – スタジオ撮影でも偶然の賜物でアイデアが浮かぶときがある

ライブビューモードで得られる思わぬ恩恵。
ライブビューモードで得られる思わぬ恩恵。

どのような絵作りにするか。スタジオで撮影していても、野外で撮影しているときと同じように、偶然の賜物でアイデアが生まれることがある。

スタジオの照明を落として撮影していたので、AFではピントが合いづらく、ライブビューモードで撮影していた。

ライブビューでの撮影は実に厄介だ。ピントはガッチリと合わせることが出来るが、その為に数回ボタンを押して目の部分を拡大し、一度試し撮りをしてからライブビューに映っている拡大モードを解消して、構図を決め直しもう一度撮影するという煩雑な手順を踏まなければならない。

オマケにライブビューで一枚撮影してから次の一枚を撮影する際にしばし時間をおかなければならない。この合間が1秒だったか2秒だったかは忘れたが、とにかくファインダーを覗いて撮影するときと比べてテンポが落ちるのは確かで、このテンポの悪さが苛立たしい。モデルがポーズを変えて顔の位置が前後すれば、再びピント合わせをしなければならないが、先ほど述べたような煩雑な手順を再び踏むことになる。

しかしメリットがあることも確かで、拡大モードで目の部分を拡大表示させて、こちらの目をよく凝らしながらマニュアルフォーカスモードでトルクを回してピント合わせをすれば、F1.4でもカラコンの粒々模様がハッキリと分かるくらいガチピンの写真が撮れる。

他にも露出シミュレーション機能が有効になるので、暗い撮影シーンでもカメラの設定とストロボの設定次第で、背面液晶画面に映像が明るく表示される。若干ノイズがかかるものの、暗いシーンで明るく表示される機能はピント合わせには大変重要な要素となる。ただこの機能の性能はカメラによって異なるらしく、Canon 1DXは抜群の性能を誇るが、Canon 5DsRはそれほどでも無かった。

他の面ではデメリットの方が多い。コンデジで撮るときと同じようにカメラを前に構えるのだが、どうも姿勢が悪くて、下手をすれば手ブレしてしまいそうだ。カメラを撮るときに手ブレを防ぐための姿勢としてよく聞かれるのが脇をギュッと締めて撮るという方法だが、脇を締めていたら背面液晶画面が目の前に来ることになり液晶画面が見えない。仕方なしに腕を少し伸ばして撮る事になるが、背面液晶画面を覗き込みながら撮るこの姿勢は腕が頗る疲れる。あとは先ほども述べたように撮影テンポが悪くなる。ファインダーを覗かないで撮影する姿勢はどうも写真を撮っている感じがしない、カメラに撮らされている感じがする。コンデジで風景を撮っていたときと同じ感覚になり、背面液晶画面を見ながら構図を決めるわけだが、何というか機械に飲み込まれている感がする。要はアナログとデジタルの違いだろう。使っているカメラはデジタルカメラだがファインダーに関しては生の感覚がある。それが撮影時の視界までデジタルになってしまうと、のっぺらぼうで皮膚感覚が失われてしまう様な感じがする。これが動画撮影だと逆に液晶画面を見ながらの撮影の方が心地よいのだが、まぁそれは動き物の撮影では、その方が効率が良く捗るからそれが撮影時の心地よさに直結しているのだろう。しかし静物を撮るとなると、不思議なもので体感が少し異なってくる。最近人気が再燃している写ルンですで撮った写真にフィルム写真独特の温かみがあるのと根は同じかも知れない。どことなく感覚が似ている。

さてそのような数々のデメリットの面を差し置いて、開放F1.4や小さなF値でガチピンの写真を撮りたいときは敢えてライブビューモードに切り替えるわけだ。つまりは最後の手段である。撮影テンポは悪くなるが歩留まりは高くなる。トレードオフの関係。この辺りはメーカーさんに頑張って貰って改善して頂きたいところだ。

しかしライブビューモードには思わぬメリットも存在する。このスタジオではスペースの半分が黒系で、もう半分は白系のスペースとなっている。ライブビューモードで液晶画面に表示させると環境光また自然光が横から入り込んできて、神々しい光をモデルに投げかけていた。

しかし今現在のカメラの設定では、この環境光の木漏れ日が写真に反映されない。そこでオレンジのカラーフィルターを着けたストロボを小型三脚に取り付け、画面左に設置して、夕陽の木漏れ日を再現することにした。

髪や腿などやや白飛びしている部分があるが、白飛びも表現の一部と捉える姿勢も大事。
髪や腿などやや白飛びしている部分があるが、白飛びも表現の一部と捉える姿勢も大事。
シャンデリアも手前に入れつつ夕陽を演出する。
シャンデリアも手前に入れつつ夕陽を演出する。

衣装が白かったので高輝度側・階調優先をオンにしていたが、背後からのオレンジのストロボ光で髪と腿の一部分が白飛びしてしまっていた。しかし最近のNHK大河ドラマを見ていると、スタジオ内で野外を再現しているシーンでは眩しい太陽光を演出して役者達の体の一部分が結構白く飛んでいるように見受けられるので、その点を考慮に入れると許容範囲内の白飛びだろう。白飛びもまた或る条件下の撮影では表現の一部と捉える姿勢が大事だ。