日本橋ストリートフェスタ(通称ストフェス)は、過去のデータを探ってみると2009年に初参加していたみたいで、この頃は堺筋もアニメイト前のオタロードも今よりも空いてたよなぁと思っていたのだが、堺筋の群衆をカメラを頭の上に掲げて撮影した写真を見ると、混雑具合は今と大して変わっていないことに気づいた。しかし各開催年の写真を見てみると、そこそこ空いている箇所もあり、今よりかは歩きやすかったみたいだ。
去年はあまりの人混みに嫌気がさして参加しなかった。今年はどうしようかと迷っていたら、普段よく撮っているレイヤーさんにアフターで「来たら良いよ写真撮って」と言われたので、一念発起してカメラマンに徹することにした。というのも最近は面識のないレイヤーさんに声をかけて撮影するのがどうももどかしくて億劫になってしまい、この手のコスプレイベントにふらりと遊びに行っても1枚も撮らずに帰ってきたという事もあった。
持参したカメラはCanon 1DX。公式耐用数の40万ショット超えなのでそろそろシャッター幕が壊れるかもしれず、かといって特に義務感が生じないお気軽コスプレイベントに予備機を持っていって荷物を多くするのも躊躇われたので、1DX1台で行くことにした。本当は三月の頭にキヤノンにオーバーホールに出す予定だったのだが、三月末に支払い予定のクレカ使用額が予想以上に膨らんでしまい、修理依頼はしばらく延期することにした。3月末でキヤノンフォトサークル会員の修理費割引20%オフ(部品代のみ)が終了し10%に変更されるので、3月中にはオーバーホールに出したかったが、三月末から四月にかけて桜ロケ撮影が7本ほど入っていてサブ機だけでは心許ない。もうちょっと延長してくれたらなぁと思いつつ、10万くらい支払うのもなんだか財布が傷むし貯金したいので、いっそ壊れるまで使ってやろうかという決意もあったのだが、シャッター幕の破損が撮像素子まで傷つけてしまっては修理費が20万くらいかかりそうなので、果たしてどうするか、悩んでいる内に三月も10日が過ぎた。
週間天気予報では雨だったが、ストフェス当日は奇跡的に晴れた。前日と次の日が雨だった。大阪日本橋に着くとオタロード前タイムズ広場は早速の人混み。さて参加証をどこで買うかと探していたら即席の店が目に付いたので1枚頼むと、首からかけるカードタイプの赤いカメラ参加証は売り切れてしまい、コスプレイヤー用のリストバンドしかないという。あぁこれだとコートの袖の下に隠れるな、中にはリストバンドの提示を求めるレイヤーもいるみたいだし面倒だなと思いつつ2,000円払って早速腕に突っ込んだ。2,000円?前売りだと1,500円なのかなと聞こうと思ったが面倒だったのでそのまま先を急いだが、一昨年参加したときは確か1,500円だったから値上げしたのだろうか。
とりあえず今回は積極的に声をかけて撮っていこうということで、気になったコスプレイヤーさんをどんどん撮っていった。
オタロードの赤いシャッターの前の可愛いクッパ姫とテレサ姫。ウルトラマンの隊員の制服に似た『宇宙のステルヴィア』という作品の眼鏡がすこぶる似合っていた女の子、タイムズ脇の道路に移動して、スラッとしたラブライブ!のえりち海賊バージョン、笑顔が可愛いスタートィンクルプリキュアのキュアミルキー、Re:ゼロから始める異世界生活の透き通った肌のエミリア。ここまではブログに写真を掲載して良いか訊くのを忘れていたので、ご本人がTwitterに上げてくださるのを待つとして、ここから先はブログ掲載OKかどうか聞いたら、大半の人はOKしてくれた。通常「お写真はDMで!」というのが昨今のレイヤー界における暗黙の了解事項でもあるみたいで、「DMで!」ということはTwitterに勝手に載せてはいけないという事なのだろうけれど、ブログに載せて良いか聞いたら構わないという返事が大半だったので、Twitterとブログとではまた意識が異なるのだろう。ブログは検索するという労力を払わないと辿り着けないし、ましてや検索したところで検索上位表示の競争に揉まれて辿り着くとも限らないし、Twitterにリンクが張られたとしても拡散しにくいが、Twitterは場合によっては1万RT以上たやすく拡散する違いかも知れない。Twitterはぼーっとしてるだけで写真が流れてきて一発で見られるが、ブログはページが長くて読むのが面倒というアクセス面もあるだろう。例えば当ブログではコスプレ写真の撮り方について詳しく解説しているが、各ページのアクセス数はあったりなかったりが半々、アクセスがあったところで大半のページは1日1〜5アクセス程度だ。それと比べるとTwitterで4枚の画像を使って簡潔に撮影方法を解説したツイートは、人によっては1万RTや1万ファボ稼ぐのだから、影響力の違いはTwitterに軍配が上がる。RTボタンをポンと押しただけで拡散できるのだから、手軽さも影響力が大きい原因の1つに違いない。
話が逸れたのでストフェスの話題に軌道修正。声をかけると皆快く撮影に応じてくださり、撮りやすかった。しかし余り長時間拘束するのもなんなので、1人5枚から10枚程度に留めておいた。囲みで撮影されているレイヤーさんは15枚くらい撮ったりレンズを変えて撮ったりもした。『セーラームーン』のセーラーマーズのコスプレをしていた女性がとてもスタイルが良くてこれは中望遠単焦点レンズで背景を暈かして撮っても美しいし、広角レンズで少し煽り気味に足を長く撮っても美しい。
以下敬称略で、今回撮影させて頂いたコスプレイヤーさんのお写真を紹介させて頂く。
アラレちゃん。とても可愛くて気さくな女性だった。以前のストフェスでもアラレちゃんを撮ったことがあるが、同じ女性かも知れない。
東側の堺筋に移動すると、ストフェス名物の囲み撮影があちこちで出来ていた。これを体験してこそストフェスに来たという実感が湧くが、いかんせん混雑が耐えがたい。しかし耐え難きを耐え忍び難きを忍んで堺筋をぶらつくことにした。どちらかというと渦潮のように人の流れが交差して流れ流され押されるようにしてあちこちを巡り気になるレイヤーさんを撮影していった。何でも五木あきらさんやカモミールさんなど東京の方で有名なコスプレイヤーさんも参加していたみたいで、あぁもうちょっと色々巡ったら良かったかなとも思ったが、度しがたい混雑が俺の行く手を阻む。
囲み撮影の時は撮影許可の有無は聞かないことにした。撮影の流れを中断してしまうからだ。その代わり画用紙に書かれているプロフィールを撮影して、TwitterのDMで写真をお渡しすることにした。
ふと南を向いていると、囲み撮影をしているカメラマン達の群像が逆光でキラキラと輝いていたのでコスプレイヤーと共に何枚か撮影した。使用レンズはOtus1.4/85、F値の設定はF1.4。一列のカメラマンに確実にピントが合い、その前後でポーズを取るレイヤーやカメラを抱えているカメラマンはほどよく暈け、背景の堺筋両側に軒を並べる店舗の看板は大きく暈けて消失点へと向かう。載せると全員の顔にボカシを入れなければならず写真が台無しになるので載せないが、文章だけで分かる人には分かって欲しい。
しばらくすると「ストフェス行けば良いよ」と背中を押してくれたレイヤーさんからLINEの方に連絡が入る。マクドナルドの前で待ち合わせたが、やはり混雑でなかなか来ない。もうすぐ着くとLINEが来たが、ストフェスの時のもうすぐは結構長い。もうはまだなり。
最近よくA3併せで撮影している4人のレイヤーさんと合流し、タイムズへ。ここで撮るのはストフェス参加歴が長い自分でも初めてだったので、どう撮るべきか迷った。ちなみに入り口が設けられており、スタッフによる入場証の提示確認がある。
広場だから逆光で撮れる。今までの写真は逆光で撮ろうにも雑居ビルに光が遮られていたり、混雑のために逆光の位置に立ってもらうのが困難だったり同じく距離が取りにくかったりしたので、どうしても斜光や順光になってしまうこともあったが、ここではもう逆光や半逆光で撮っていった。
事前に連絡を取っていた他のレイヤーさんともタイムズで合流できた。
さて撮っていると、気がつけば後ろにカメラマンの列が出来ている。こんな可愛いレイヤーさん達を自分だけ独占して撮るのは悪いので「撮られますか?どうぞどうぞ」と譲り合いの精神で場を明け渡し、その間別のメンバーを撮ったりしていた。
この日は最終的に1,400枚くらい撮ったのだが、途中からこの4人のメンバーの専属カメラマンのような形でタイムズとなんばパークス方面で撮影したのが650枚、他のコスプレイヤーさんが600枚、残り200枚は半目やピントが合わなかった分という事になる。お気軽イベントで来たつもりがガッツリと撮っていた。ピントが合わない写真が多かったのは、55mmや85mmのマニュアルフォーカスのみのレンズでF1.4の設定で片手にレフ板、片手に1DXで撮っていたため、1度ピントを合わせてもレフ板を調整するとピントがずれて外れてしまったという理由が大半だった。後は混雑しているし時間も限られているから少しでも速く撮ってしまおうと、矢継ぎ早にシャッターを押していったので半目率が高くなってしまった。対策としては手の空いている人にレフ板を持って貰い、両手でカメラを抱えて撮る。あとそんなに矢継ぎ早に撮らなくても良かったかも知れない。しかし5枚や10枚程度だと、ポーズが決まっている神ショットに当たらないという事も充分あり得るので、どうしても枚数は多く納めておきたいというのもある。後は一般人も入り交じったいつもとは規模が異なる混雑故の緊張と焦りも多分にあるだろう。
今年はどのジャンルのコスが多かったかとレイヤーさんに聞かれ、やはりFGOかなと答えた。実際自分もFGOをプレイしていて、あ、このキャラ昨日やっと倒せた子だとか、BBちゃんお注射バージョンだとか、リアルタイムだったこともあり1人で盛り上がっていた。ゲームをプレイしていて、コスプレイベントでも大勢見かけると気分が非常に高まる。旬ジャンルの良さだろう。
4人と別れてタイムズに戻る。他の場所は午後2時半から3時までしか撮影できないが、タイムズやなんばパークス方面は午後5時まで撮れるという事で、やる気を再注入して余すところなく撮影していった。この時間帯になると夕陽がちょうど綺麗なオレンジ色の光を投げかけるから逆光で撮ると美しく映える。
最後の最後まで粘って撮影。時間が迫るほど集中力が高まるというパラドックス。
今回撮影させて頂いたコスプレイヤーさんは31組。内25組に撮影データをお渡し出来た。後の組はプロフィールが書かれたボードがなかったのでお渡し出来ず。
久しぶりにコスプレイベントでいろんな人をガッツリ撮った。年に4回くらいはこのようなイベントに参加してみたいと気持ちを新たにしたのだった。