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八坂神社 – まほろば探訪 第35回

国の重要文化財に指定されている西楼門。夜にはまた違った見方が出来る。
国の重要文化財に指定されている西楼門。夜にはまた違った見方が出来る。

阪急電車四条河原町駅から市バスで清水寺へと向かう途中、車窓から必ず目に留まるのが赤い門構えの八坂神社だ。目的地は清水寺なので八坂神社の門はくぐらないのだが、清水寺から二言坂、高台寺へと向かえば、後はちょっと歩けばすぐに、八坂神社の提灯が並んでいるのが垣間見える門に辿り着く。

提灯の灯りに誘われて中へ。
提灯の灯りに誘われて中へ。

その歴史は古く、斉明天皇2年(656年)に高麗から来朝した調進副使、伊利之使主が創建したとも、貞観18年(876年)に南都の僧円如が建立したともある。諸説ありどうも定かではないが、前者は神話じみており、後者は学者が資料に基づいて出した説なので信憑性が高い。

祇園祭で有名な八坂神社だが、7月に開催され毎年ニュースにもなる祇園祭の方は筆者はまだ生で見たことがない。今年の夏に機会があれば訪れようと思う。

昨年春に訪問。大きな本殿。
昨年春に訪問。大きな本殿。

八坂神社へは去年の春と今年の冬に訪れた。どちらもついでのような感じだった。桜と灯籠の時節にぶらぶらと京都の町をどこかフォトジェニックな写真が撮れるところはないかとぶらついていたら、視界の先に朱い門が現れて、吸い寄せられるように中へと導かれた。

いろんな社があり、ご利益がたくさんありそうな場所。パワースポットの中のパワースポットだろうか。一番目立つのは本殿前にある舞殿の提灯。ズラッと並んでいる。春に訪れた時は小雨模様でパッとしない天気だったのだが、本殿の大きさと提灯の多さに圧倒された。

圧倒的な提灯の数。日本を感じさせる。
圧倒的な提灯の数。日本を感じさせる。
八坂神社の舞殿。
八坂神社の舞殿。

晩冬に訪れた時は夜の帳も降りた頃で、このたくさんの提灯に明かりが灯って、観光客はぽつぽつ歩いている程度だが賑やかしい境内だった。夜店なども出ている。はしまきが美味しそうだった。

八坂神社の舞殿にある提灯。
八坂神社の舞殿にある提灯。
たくさんの数の提灯が灯る舞殿。クールジャパン。日本らしい光景。
たくさんの数の提灯が灯る舞殿。クールジャパン。日本らしい光景。

フォトジェニックな場所を求めて彷徨い歩いていた一日だったが、それも終盤、その最後の最後で、重要文化財でもある西楼門に辿り着く。バスから何度も眺めていた朱い門だ。

つけていた超広角レンズを門の方に向けて撮ると、門の向こうに道路が見える。なんとも不思議な光景だった。去年も日中に似たような写真は撮っていたのだが、この小さな出口が異次元空間に繫がっている、タイムトラベルを促す窓のように見えた。

未来世界への入り口、もしくは現世からの出口のようなイメージの西楼門。
未来世界への入り口、もしくは現世からの出口のようなイメージの西楼門。

その後も距離を置いたりレンズを変えたりして撮っていったが、一番始めにシャッターを押したのが一番のお気に入り。

しかしこうして撮った写真もおそらくは他の写真を趣味とする人たちが撮った写真と似通っているのだろうなとも、インターネット時代になって痛感する。ツイッターのタイムラインで同じような写真が流れてきたような記憶がふっと頭の片隅を掠める。同じように三脚を立てて撮影しているカメラの人も何人も居る。中にはアメリカ人だろうか、それともドイツ人かフランス人だろうか、二人連れの外国人もいた。振り返って「ココニイテモダイジョウブデスカ?」と聞かれた。

まぁしかし似たような写真でもいいかとも思うのだ。こうして一日小旅行に出て、写真を撮って、自分だけのものに出来たのだから。自由自在に編集できるし、精細なiMac Retinaディスプレイの壁紙にも使える。等倍で鑑賞できるし、ひょっとしたらコンテストにも応募するかもしれない。自分がその場所にいて撮ったということが何より大事だ。

さて、八坂神社を訪れたご利益はあるだろうか。今度はお隣の円山公園に桜を見に来たついでに、またふらっと立ち寄るかもしれない。