二条城プロジェクションマッピング – まほろば探訪 第36回

二条城の唐門に投影されたプロジェクションマッピング。
二条城の唐門に投影されたプロジェクションマッピング。

2017年春の昼間に訪れた二条城、夜にはプロジェクションマッピングが開催されていた。その日の夜は円山公園や東寺の方を訪れていたので、二条城に立ち寄る時間もなく、一日に二度訪れるのもなということで見送ったのだが、東寺の桜を三脚を使ってリベンジ撮影したいという思いで二日後に再び京都に行くことになり、その前哨戦として二条城に赴くことにした。

この日の目的は東寺の夜桜を三脚を使って綺麗に撮ることと、二条城のプロジェクションマッピングを綺麗に撮ること。

三脚・一脚禁止の二条城敷地内では手持ち撮影

二条城の城門。
二条城の城門。

しかし二条城の敷地内は三脚や一脚の使用は禁止。事前に電話で問い合わせたら、その旨丁寧に教えて頂いた。二日前の時は三脚を持ってきていなかったから、そのとき撮れば無駄な荷物もなくて済んだのだが、今回は三脚を抱えながら三脚は使わずに、二条城のプロジェクションマッピングの撮影に挑んだ。どうも旅の計画を立てずに突発で家を飛び出すたちの人間なので、装備の軽量化・旅の効率化がなっていないのだが、そんな悠長なことは言っていられない、善は急げで再び京都に駆けつけた。

後から撮影した写真データの日付を確認してみると、この年の春は京都に2回しか行っていない。言うほど撮りに行っていない。頻繁に訪れている感覚があったのだが、春と言えばコスプレ撮影の予定も詰まっているし、その合間を縫って小旅行に出たのだろう。

そう連日京都に訪れて昼から夜まで名所旧跡を駆けずり回って写真を撮っていれば、指も痛くなるし、体も疲労がたまる。撮影データの日付を見ると5日連続であちこちに桜撮影に行っていることが確認できた。1日おいて又兵衛桜で徹夜撮影。我ながら良くやるなと思う。

このプロジェクションマッピングプロジェクトは姫路城や高台院など他の場所でも開催されていて、これが歴史的遺産とマッチングしていてとても美しい。現地で実際にこの目で見るのも華やかで美しいが、写真で見ると更に美しさが際立つ。先日夜に高台寺の前を通りかかると、ここでも平和をモチーフにしたプロジェクションマッピングを開催していると、呼び子のお兄さんが言っていた。姫路城や高台寺のプロジェクションマッピングも是非とも見てみたかったのだが、時期が過ぎていたり時間がなかったりと見逃してしまった。あべのハルカスの展望台ハルカス300でもプロジェクションマッピングをやっていたから、今人気のアトラクションなのだろう。

煌びやかな光の装飾、プロジェクションマッピング

この日の京都は小雨日和だったが、夜にはやんだ。二日前に訪れた二条城の城門をくぐり、あの立派な装飾が施された唐門の前へ。

あいにくの曇り空だが、綺麗な光の装飾が施された唐門。
あいにくの曇り空だが、綺麗な光の装飾が施された唐門。

ただでさえ美しい出で立ちで高貴な美女のように佇んでいる唐門に、龍が渦巻き、鶴が飛び交い、桜の花吹雪が舞う。カラフルな絵巻に彩られる。あっという間に終わってしまった。

圧倒的な美しさ。
圧倒的な美しさ。

並び直せば何度で見れるので、今見たばかりの観光客が捌けてから再び列に加わった。

二条城プロジェクションマッピング 二条城プロジェクションマッピング 二条城プロジェクションマッピング

唐門をくぐり中に入ると、桜が2色にライトアップされている。いつものライトアップとは異なる彩り。

ライトアップされた桜の門をくぐり抜ける。
ライトアップされた桜の門をくぐり抜ける。

庵の障子に流れる王朝絵巻。

源氏物語かはたまた・・・。
源氏物語かはたまた・・・。

出口には協賛の日産が電気自動車を展示していた。

日産の電気自動車で桜を照らすデモンストレーション。
日産の電気自動車で桜を照らすデモンストレーション。

プロジェクションマッピングを綺麗に撮るためのカメラの設定!

使用カメラはCanon 5DsR。レンズは超広角ズームレンズや単焦点レンズ。ISO感度は3600と高めだったので、1DXで撮影した方が露出シミュレーション機能も高性能で楽だし、ノイズも少ないだろうしでよかったかなとも思うのだが、観光客で混雑する京都に2台持っていくのは少々疲れる。名所旧跡を求めて混雑したバス・電車を多く乗り継ぐことになるし、この後行く東寺の夜桜は画素数が多い5DsRで撮りたかったので、このような選択となった。京都の旅はなるべく荷物を軽くして行きたい。

それに今回のプロジェクションマッピングのような全体的に暗めの夜景写真はノイズが出ていてもあまり目立たないというのもあるから、ISO感度3200でも綺麗に鑑賞できる。カメラの性能が良いのもあるだろう。ノイズに弱いと言ってもAPS-C機の7Dmark2よりはノイズ耐性が良いらしいので、そう気にかけることでもない。

手持ち撮影なので、カメラの設定は、ISO感度は常時3200と高感度。F値は当然開放F値。F2.8やF1.4といったF値で撮影。やはり手持ち撮影で暗めの夜景ならキヤノンの純正単焦点レンズF1.2のシリーズを持っていった方が良かっただろうか。手ぶれにシビアな5DsRで、脇を締めて息を潜めるようにして撮る。

レンズは焦点距離55mmのZeiss Otus1.4/55と超広角ズームレンズCanon EF16-35mm F2.8L Ⅱ USMを用いた。Otusでの撮影時のシャッタースピードは少しでも明るさを確保するために1/60秒とデジタルカメラでの手ぶれしないシャッタースピードのセオリーを大幅に割っているが、しゃがんでしっかりカメラをホールドして撮影していたのと、多少ブレていても暗くてよく見えないのと、画面いっぱいに表示させてもブレていないように見えるので、問題ない。

超広角ズームレンズでの撮影時は、F2.8、シャッタースピード1/25秒。おそらく手ぶれは大丈夫だろう。手持ちの夜景撮影はなるべく開放F値で、シャッタースピードも手ぶれしない限界のギリギリまで遅くして撮りたいところだ。

Zeiss Otus1.4/55の方は開放F1.4でマニュアルフォーカスのレンズなので、ピント合わせも大変。どうやってピントを合わせただろうか、一年ぶりに写真を見て記事を書いているのでよく思い出せない。こういうときはexif情報を見るに限る。ライブビューは露出シミュレーション機能があるとはいえ、夜だと厳しいし、撮影時はライブビュー機能はオフにしているとexif情報を見ると出ているので、ファインダーを覗きながら勘で合焦させたか、以下の方法を使ったかもしれない。やはりこの手の手記は撮影翌日までには記しておくべきだった。

プロジェクションマッピングは最前でリュックサックを地面に置いてその上にカメラを置いて長秒露光で撮れば良かったかとも思ったが、よくよく考えてみればプロジェクションマッピングの絵はアニメーションで動くので、やはりそれなりのシャッタースピードは必要か。

ちなみに唐門のプロジェクションマッピングはに三列くらいに人が並んで鑑賞する。一通り終わると全員捌けて貰って、もう一度観たい人は再度並び直して観るという流れになる。横に広いのでそう混雑もせず撮りやすかった。

二条城プロジェクションマッピング

改めてiMacの5K Retinaディスプレイで鑑賞してみると、精細に描写されて美しい写真に仕上がっている。

2018年の今年も二条城でプロジェクションマッピングをやるので、まだ見ていない方は是非訪れてみてはいかがだろうか。煌びやかな王朝絵巻を楽しめることだろう。