写真が激変!プロのような写真が撮りたいならソフトボックスはマストアイテム!

ソフトボックスを使えば、モデルに自由自在に影をつけることが出来る。
ソフトボックスを使えば、モデルに自由自在に影をつけることが出来る。

コスプレ撮影におけるライティングの主流が、アンブレラからソフトボックスへと変わりつつある。ついこないだまでアンブレラが大勢を占めていると思ったら、次はソフトボックスだ。どのイベント会場に行ってもソフトボックスを使っているカメラマンが目立つようになってきた。

どの趣味の世界でも同じかも知れないが、仕事よりも趣味の方が道具にこだわりがより出てくるものである。コスプレ撮影というジャンルも、カメラはフルサイズにしたり、高級レンズをバシバシ購入したりと様々なこだわり方がある。ライティングのやり方でも、カメラマンからカメラもするレイヤーまで、多灯ライティングが当たり前となってきている。

ただ光を当てるだけではダメだ。ストロボ撮影ではディヒューザーが必須となる。ストロボ光を被写体に直接当てると、硬いイメージになるだけでなく、顔に影が強く落ち、いかにもストロボをあてた感じの表現になってしまう。上記のような理由から、正面から当てるのはまずあり得ず、たとえ斜めから当てても、ディヒューザーがなければ、硬く強い、美しさに欠けるイメージになってしまう。

壁バウンスはどうか。白い壁があれば壁にストロボ光をバウンスさせて撮ることが出来る。場所もとらないし、何よりライトスタンドなどを立てる手間や運ぶ労力を省けるが、壁バウンスで撮影した写真は写りがイマイチである。キャッチライトが入らない。それに白い壁がある場所でないと、ストロボ光を壁にバウンスさせても効果がない。野外ではまず使えない撮影方法だ。どうにも煮詰まった時の最終手段としておきたい。

次に小型のディヒューザーをストロボに取り付けるという手っ取り早い方法があるが、これも余りよろしくない。やはりアンブレラやソフトボックスと比べると光が硬くなる。光量や角度、周囲の環境などによっては綺麗な硬いイメージに仕上がるが、いつもそのように綺麗に仕上がるとは限らない。つまりイメージ通りに撮る為の撮影のバリエーションが限られてくる。

そしてつい最近まで主流だったアンブレラ。トランスルーセントタイプのアンブレラを使ってストロボ光を透過させれば、光を柔らかくしてモデルの顔を綺麗に写してくれる。キャッチライトも丸く入る。おそらく理想的である。

だが問題点もある。アンブレラという形状の性質上、光が漏れて、被写体の周りや背後にあるものにまで光が届いてしまう。つまり光の範囲が広いので、背景の明るさを落としたい場合は不利となる。

また、同じ理由からアンブレラは影が着けにくい。写真は被写体に程よく影をつけることで立体的な表現が可能となる。いかにもストロボを当てた感じのノッペリとした平面的な表現を避けることが出来る。ノッペリとした表現よりも立体的な表現の方が、写真として迫るものがある。これをアンブレラを使ってやろうとすると、なかなか手間がかかり何度調整しても上手くいかないことが多い。

そこでソフトボックスの登場だ。ソフトボックスはその形状と製品の構造上、光の指向性が強いので、アンブレラよりも真っ直ぐに被写体に光が向かう。つまり光が飛ぶ幅が狭いので、被写体の周りを暗く落とし込みたい時などには撮りやすい。

また形状が平面で被写体に影をつけやすいので、立体的な写真を撮りやすい。被写体に対してソフトボックスの向きを変えることで、簡単にモデルに影をつけることが出来る。色々試しながら影の着け具合によって様々な表現が可能なので、撮影していて楽しいというメリットもある。

ソフトボックスを使っていると、撮影が楽しくなる。
ソフトボックスを使っていると、撮影が楽しくなる。

縦長の長方形のソフトボックスの場合は、比較的狭いスタジオでも壁にピタッと寄せて撮ることが出来るので、アンブレラよりも融通が利く。アンブレラを広げて撮るよりも、縦長のソフトボックスを組み立てて撮る方が場所を取らない場合もある。例えば90×60cmのソフトボックスなら、横幅が60cmなので、スタジオでよく使用されている中型のアンブレラを広げるよりも幅を取らない。縦の寸法はいくら長くても邪魔にならない。

また、ソフトボックスは構造上アンブレラのように光が漏れないので、アンブレラで透過するよりも光が強くなる。カメラを暗い設定にして撮りたい場合には、光が強い方が何かと有利で暗い設定でも撮りやすい。

暗く撮りたい場合でも、ソフトボックスなら十分な光量を確保できる。
暗く撮りたい場合でも、ソフトボックスなら十分な光量を確保できる。

野外で撮る時は、アンブレラは凧のような構造なので、風が吹くと倒れやすい。ソフトボックスはおそらくアンブレラよりは倒れにくいだろう。比較実験していないので、この点はまだ明確には出来ないが、おそらく野外で風が吹いても倒れにくい。

そして光の性質のこともある。大きくは違わないと思うのだが、アンブレラよりもソフトボックスで撮った写真の方が、コスプレイヤーに喜ばれる。

大型のソフトボックスで撮影。モデルにとても喜んで貰えた。
大型のソフトボックスで撮影。モデルにとても喜んで貰えた。

以上のようなメリットから、ソフトボックスが主流となりつつある。カメラマンから、カメラをやっているレイヤーまで幅広くソフトボックスが愛用され始めている。

デメリットがあるとすれば、機材が嵩張ることだろう。今までの装備に加えて、ソフトボックス一式、スピードリングアダプタ、ライトスタンドが必要になる。この装備を許容することが出来るのなら、ソフトボックスに移行すれば、写真が劇的に変わり、撮影の楽しみが増すことだろう。

次回の記事では、これからソフトボックスを購入しようと考えている初心者向けに、ソフトボックスを使用するに当たって必要な製品をお薦めしていきたい。