集合写真の撮り方が楽な理由と難しい理由

スタジオ撮影のコスプレ集合写真は難易度が高い。
スタジオ撮影のコスプレ集合写真は難易度が高い。

集合写真と聞くと、カメラを担当する人は身構えるかも知れない。大勢の人を撮るという行為は難しいイメージが付きまといがちだ。

集合写真の撮り方は意外と簡単だ。特に卒業写真や入社式など、記念撮影的な集合写真は皆が秩序正しく整列しているので、レンズと焦点距離の選定と、カメラの設定さえきちんとわきまえていれば、簡単に撮れる。

集合写真を撮る時の、カメラの設定のおさらいをしてみよう。

  • 撮影モード・・・マニュアル
  • 絞り値・・F7.1~F11
  • 焦点距離・・・35mm以上(出来れば50mm以上)
  • シャッタースピード・・・1/焦点距離×2(秒)以上速く(1/125秒以上が理想)
  • ISO感度・・・最適な明るさになるように合わせる

室内撮影だと明るさが足りないので、アルバムに収めるような大切な写真なら三脚とレリーズは必須だ。

屋外なら朝10時頃か午後3時頃に、逆光で撮ると良い。晴天の日の野外ならISO感度を上げる必要も無いだろう。固定した場所で流れ作業的に集合写真を撮るなら、三脚とレリーズを使えば仕事が捗る。

レンズはズームレンズを使用する場合は、歪みの生じない標準ズームレンズを使用する。広角ズームレンズは35mmの焦点距離でも周辺に歪みが生じやすいのでNG。

コスプレの集合写真撮影は難易度が高い

記念撮影的な集合写真は難易度が低い。上記の点を付け焼き刃的に暗記しておけば、カメラ初心者でも簡単に撮れる。問題はコスプレ撮影の集合写真だ。

記念撮影的なフォーメーションなら、上記の設定でも撮れるが、雰囲気やイラストの再現を求められる特性だからだろうか、記念撮影のように秩序正しい集合写真とは異なる性質の写真を要求される事がよくある。

例えば各キャラクターが間隔を空けた配置で、各々顔を違う角度に向けて立ったり座ったりと異なるポーズを取っている集合写真。

そういった写真は野外ならまだ撮りやすい。自然光を生かして撮ればライティングを深く考える必要が無いからだ。

しかしスタジオとなると、話は異なってくる。前後左右顔の向きもバラバラに配置しているモデル全員に、ストロボを使って均等に光を当てるのは難しい。

そして構図的に記念撮影のようになってはいけない。コレがコスプレ撮影の難しい点だ。この日も始めに撮ったデータを見せてレイヤーに指摘された。

アジトで佇んでいる風に撮って欲しいと言われ、背景は暗く落として欲しいとも言われ、かつ人物は明るくだったか暗くだったか、2日前の事なのに覚えていないが、とりあえずそういう感じのダークな雰囲気で撮って欲しいとの事だったので、試行錯誤してみたが、まず背景を暗く落とすのが難しかった。

別の機会にこのシーンの撮り方を詳しく解説するが、家具や小道具全体を移動させたり、ソフトボックスの位置や向きをあれこれ変えたりと大変だった。

最終的に超広角ズームで撮って雰囲気を出したりしたのだが、どうしても光が届かなくて暗く写ってしまう子がいる。コスプレ写真の集合写真は難易度が高い。