三田の山奥にある花のじゅうたんは、やはり標高が高いところにあるせいか、一般的に桜が終わる時期でも枝垂れ桜が我が世の春を謳歌していて、敷地の周辺ではヤマザクラが満開だった。まさに時差式で桜を拝めるので、近所や名所の桜が散ってしまって恋しいときには電車とバスで乗り継いで行ってみたい場所である。バスの本数は少ないが、近くには永澤寺もあるので、帰りのバスが来るまでにのんびりと時間を過ごせるだろう。何より山奥にありながら都会とも近く電車とバスで座っていれば着くのだから比較的楽である。
さて楽とは行っても時間はかかるし交通費もかかる。筆者は3,000円ほどかかった。やはり遠くの場所に撮りに行くにはレンズを選別したいが、初めて行く場所はどのレンズを持っていけば良いのか分からない。そこで今回も舞洲のネモフィラ畑と同じように実際に持っていったレンズと良い仕事をしてくれたレンズについて書き連ねていきたい。使用カメラはCanon 5DsRなので、フルサイズに装着したレンズの焦点距離であることを念頭に置いてお読み頂きたい。
Canon EF400mm F5.6L USM
またしても超望遠レンズ。何に使うのかといったら、枝垂れ桜や水仙を撮るのに使う。え?芝桜が主役じゃないの? いえ、ここでは敢えて芝桜を背景にして思いっきりボカし、枝垂れ桜や水仙を引き立たせる。この背景となるピンクがとても非現実的な世界を紡いでくれる。
あとはやはり圧縮効果だろう。200mmと400mmでこんなにも描写が異なるのかと圧倒される。撮ったのは自分なのだけれど、まぁそこはご愛敬。コスプレ写真と同じでブログを書くために撮りに行っているわけではないし記事執筆が現場での撮影のモチベーションになっていないので厳密に撮り比べはしておらずその違いを見ることは出来ないが、400mmの超望遠レンズ、外せない。これを付けて撮っていると「凄いレンズやねえプロ見たい」とおばちゃんから声をかけられる。
では肝心の芝桜を撮るときはどれが良いか。400mmは別にいらない。400mmF5.6はやはり暗い。Canon 5DsRにつけて使うと手ブレしないために1/1000秒は欲しい。つまり少し撮りづらいレンズである。アップ過ぎるから撮りづらいのではなく、カメラの設定的に手ブレを気にしなければならないシャッタースピードに設定しなければならず、日中でもISO感度を上げなければならないことが多いから、そういう意味で使いづらい。
Canon EF200mm F2.8L Ⅱ USM
芝桜を撮るなら200mmで充分だ。こちらの望遠レンズも芝桜に枝垂れ桜にと良い仕事をする。
Otus1.4/55
しかし芝桜を寄り近く寄り上から寄り密集して、寄りクッキリと撮りたい場合は、200mmは使いづらくなる。開放F値1.4の85mmや55mmが重宝した。開放で撮れば周辺光量落ちでフンワリとした幻想的な芝桜を撮る事が出来るし、絞って撮ればまるで折り紙を桜の形に切り取ってまぶしたような芝桜の描写になる。
Canon EF8-15mm F4L USM Fisheye
更に今回は魚眼レンズで良い写真を撮る事が出来た。8mmの円周魚眼で真上から撮る。この日は晴れたり曇ったりで、正午を過ぎてからは日が雲に遮られることが多かったのだが、その点光が功を奏し、撮影者やカメラの影が花に落ちることなく真上から撮影できた。
Canon EF11-24mm F4L USM
さて当然ながら一面が芝の庭園なので、超広角ズームレンズが重宝するはずなのだが、7部咲きでちょっと芝桜が足りないところもあったので、余り積極的に超広角ズームレンズを使うことはなかった。しかし11mmから24mm辺りの焦点距離をカバーしていれば、芝桜の庭園を余すところなく写し取ることが出来る。
庭園内に1箇所、入り口を入って左側の道から行くと、足跡のマークが付いている箇所がある。そこから撮ると良い感じに芝桜の庭園が収まるという事だが、おそらくスマホのカメラでの撮影を念頭に置いているものと思われる。
お薦めレンズ
この日は七分咲きで咲いていない部分が緑の布で目立っていたので、広角で広く撮るということは余りしなかった。しかし満開の時には広々とした芝桜の庭園を綺麗な姿で撮れるかもれない。一方で枝垂れ桜が綺麗に咲いていたので、200mmや400mmの望遠を使って芝桜を背景に暈かし撮影していった。また魚眼レンズは今回のような使い方をすれば花撮影では非常に重宝する。
- 焦点距離11mmから35mmをカバーした超広角ズームレンズ。
- 円周魚眼で撮れる魚眼レンズ。
- 200mmから400mmの望遠レンズ。
- 50mmの標準単焦点レンズ。