Canon EF8-15mm F4L Fisheye USMを最大限に活用する!

魚眼レンズを使えば、ダイナミックな写真を撮ることが可能だ。
魚眼レンズを使えば、ダイナミックな写真を撮ることが可能だ。

キヤノンのEF8-15mm F4L Fisheye USMは評判の高いレンズだ。レンズの賞も受賞したし、プロカメラマンもその写りを絶賛している。

そもそもなぜ魚眼レンズを購入したのか、その動機をよく覚えていない。コスプレ撮影を始めるに当たって、24-70mmの大三元ズームレンズ、50mmの単焦点レンズ、70-300mmの望遠ズームを所有していたが、ここに来てもう一本レンズを加えるなら何が良いだろうと考えあぐねた末の、超広角の魚眼レンズだったのかも知れない。

何せ面白い表現が可能だし、全周魚眼(円周魚眼)の表現も気になった。そして意外とマンガやアニメでは魚眼レンズ風の表現が度々用いられているので、コスプレを撮るなら、魚眼レンズが必須かなと思ったのだ。

しかし蓋を開けてみれば出番がない。レイヤーにも魚眼レンズは評判が余り良くない。自分の顔がデフォルメされて歪んで写ってしまうからだろう。

面白いレンズで話題には事欠かないのだが、いざそれをポートレートやコスプレ撮影の現場でメインに使うとなると話が違ってくる。

そういうわけで長年防湿庫に眠っていた魚眼レンズ。ところが先日、人生初の飛行機撮影を楽しんできた。初めて行く場所だったので下見がてらにふらりと出かけたのだが、土手の上に迫る飛行機の巨体を収めるには超広角レンズが必須で、魚眼レンズがここに来て大活躍したのだ。

青空にスッポリと収まった旅客機。超広角の魚眼レンズがなせる技だ。
青空にスッポリと収まった旅客機。超広角の魚眼レンズがなせる技だ。

撮りたかったのはまさにこういう絵である。コツとしては被写体を中央において日の丸構図を意識して撮ると、被写体の歪みを最小限に抑えて、周りをぐるっと印象的に歪ませることが出来る。

魚眼レンズで撮影したスマートな飛行機のフォルムが一風変わった印象を与える。
魚眼レンズで撮影したスマートな飛行機のフォルムが一風変わった印象を与える。

敢えて大きく被写体を捉え、歪みを強調させることで、空飛ぶ怪獣のように撮ることも出来た。

トワイライトの映える時間帯に撮影。シルエットにすることでまた違った印象の飛行機写真となった。
トワイライトの映える時間帯に撮影。シルエットにすることでまた違った印象の飛行機写真となった。

この日は全周魚眼でも撮ってみた。15mmを一気に8mmまで持って行くと、全周で風景が撮れる。

THE・地球
THE・地球

地球♡って感じの写真が撮れた。全周魚眼で人を撮ると自分の足が写ってしまうほど広範囲に写るので使いづらいのだが、上に向けて撮るとそういった悩みからも解消される。

飛行機撮影のスポットである千里川土手のような場所で撮るには、超広角レンズも良いが、魚眼レンズで撮る楽しみを最大限に味わえる。

トワイライトの時間帯にカクテル色になった空を一直線に突き進む飛行機。
トワイライトの時間帯にカクテル色になった空を一直線に突き進む飛行機。
そり上がった翼に赤いランプが、どことなく宮崎駿の映画に出てくる飛行機を彷彿とさせる。
そり上がった翼に赤いランプが、どことなく宮崎駿の映画に出てくる飛行機を彷彿とさせる。

魚眼レンズで撮っていてこんなに楽しかったのは、久しぶりではないだろうか。そして飛行機の艶やかなフォルムの美しさにも惹かれた日だった。

夏の暑い日にも魚眼レンズでひまわりを撮影した。

ひまわりを魚眼レンズで撮影。開放F値4のシャープな写りがひまわりの魅力を伝えている。
ひまわりを魚眼レンズで撮影。開放F値4のシャープな写りがひまわりの魅力を伝えている。
円周魚眼でも取ってみた。水晶玉の中に広がる世界のようで幻想的。
円周魚眼でも取ってみた。水晶玉の中に広がる世界のようで幻想的。

最短撮影距離が0.15mで思い切り近くまで寄れるので、ひまわりのような大きい花を撮影するのにもうってつけだ。これから風景写真や花を撮りに行く時は、今まで出番の少なかった魚眼レンズも持ち出していこうかと考えている。何より軽いレンズなので気軽に持ち出せるのが良い。