35mmの単焦点レンズは前から欲しかったのだが、なかなか購入にまでは至らなかった。1つには同じ広角域の24mmF1.4の単焦点レンズを持っていたこと、24-70mmF4のズームレンズを持っていたので、35mmの画角で撮ろうと思えば撮れたこと。更には同じ焦点距離の領域の開放F2.8のズームレンズもしばらくしてから買い足したので、背景をボカした35mmの画角でも撮れたこと。更に付け加えて、最近になりキヤノンが新Rマウントをリリースして、今後は消費者の要望がなければ、EFレンズは新たにリリースしないというような記事が海外のネットメディアで報じられ、将来的にEFマウントからRマウントへの移行が進み、新しいEFマウントのカメラは出ないであろう、Rマウントのカメラに買い換えれば、マウントアダプタをつける必要があるので使いづらいレンズとなってしまうであろう事などが上げられる。
つまりこれ以上EFマウントのレンズを買い足しても、いずれ皆Rマウントに移行するだろうから、無用の長物に化してしまう、マウントアダプタをつければ使えると言ってもわざわざ新しく洗練されたRマウントのカメラにアダプタをつけて使うのは一手間かかり見た目も手に持った感触も鈍重になりはしないか、どうせ35mmF1.4の単焦点RFレンズもいずれ出るだろうから、開発終焉を迎える運命のEFマウントのレンズを今から買うのは金の無駄では無いかと思えたという事だ。
なぜ24mmを優先したのか
そういうわけで長らく保留状態だった35mmの単焦点レンズであるが、本来なら24mmのレンズよりも先に35mmのこちらを買っておくべきだった。というのもメインの撮影主体がコスプレやポートレートで、風景写真は二の次だったので、24mmのような歪みが強く出るレンズよりも、35mmの歪みが少ないであろうレンズの方が、人物写真を撮る上では重宝したであろうからだ。
ではなぜ24mmのレンズを買ってしまったのか。それは狭いスタジオ内で集合写真を撮るときに広く撮れるとか、35mmは描写の特徴が普通なので、同じ広角域でも歪みが強くとも特徴が強く出る24mmに心惹かれたのか。近くに寄って撮れば背景を蕩けるようにボカした印象的な人物写真が撮れたからか。
しかし先に24mmを購入したことで、35mmレンズの旧型に手を出さずに済んだのは、優柔不断な決断のもたらした僥倖だった。2015年に描写性能が格段に向上したⅡ型が発売されたからだ。
結局それからは既に所有している単焦点レンズと同じ焦点距離の55mmや85mmのOtusシリーズに軍資金を費やすことになったために、更に新型35mmの単焦点レンズを購入する機会が伸びただけでなく、Otusからいずれ35mm単焦点レンズが出るのではないかという期待から、先延ばしにする事になった。しかし実際に出たのは意外にも28mmでそれでは人物が歪んでしまうのではないかという懸念があったが、使ってみないことには分からない。ところがこのレンズが意外にも60万円近くする高級品で予想していたより10万〜20万円ほど高額だったので購入に踏み込むのが躊躇われた。
高いポイント還元率が背中を押した
そうこう迷っている内に現在に至るのだが、つい先日、ヤフーのPayPay祭りによる普段よりもより一段高いポイント還元率に目を奪われて、ずっと先延ばしにしていた35mmの単焦点レンズに対する物欲がにわかに湧いてきたのだった。価格比較してみると、ポイント還元率も同時に出てくるが、ポイント還元含めた実質価格では31%の還元率を提示していたショップが一番安かった。
とりあえずは欲しいと思ったものの、そもそも35mmのレンズを使うだろうかという疑問が湧いた。やはりEFレンズ、Rマウントに将来的に買い換えることを考えると、RFレンズの35mm単焦点レンズが出るまで待った方が良いのではないか、それが出る頃にはRマウントに乗り換えているのではないか、そもそも35mmはそんなに使うのだろうか、という思いがあった。
結果的にTwitterでそんなことを呟いた翌日に注文していた。決め手はポイントの高還元率。21万円のレンズが4万ポイント還元で、実質170,000円で手に入る。1年に1回しか無い機会。このときを逃したら次は1年先、それまでに35mmF1.4で撮れる写真を逃してしまうことになる。つまり撮影機会を逸する。
高額な物を買うときの「迷う理由が値段なら買え。買う理由が値段なら買うな」という誰が言ったか所出不明の格言がありTwitterでもたまにバズったりしているが、そんな曖昧で分かりにくい、有り難がられているのかそうでないのかも分からない短くまとめられた格言のことなどは買うかどうしようか迷っているときには端から頭になく、結局前から欲しいから迷っていたけれど、頻繁に使うかどうかも分からないけど、実質この価格で買えるなら買っておこうかという事でポチッと注文ボタンを押したのだった。
背中を押した要因としては他にもNTTドコモの株式公開買付で儲かり、手元の資金が潤沢になった事も挙げられる。また数日後にポートレート撮影を予定していたので、35mmF1.4で夜景を生かして撮ってみたかったというのもある。
Yahoo!ショッピングと楽天市場のポイント還元率の大きな差
2020年11月現在では、Yahoo!ショッピング(+PayPayモール)と楽天市場の二大巨頭のうち、ヤフーの方がポイント還元制度は優れている。楽天市場にも40倍というポイント還元はあるが、買い回りで10店舗で買わなければならなかったりするので、一店舗での購入でも31%の高還元率だったPayPayモールと比べると魅力が極端に薄くなる。
また楽天市場はポンカンキャンペーンが終了したり、ポイント還元率をこまめに下げたりするなど何度かのポイント付与改悪を続けてきたので、魅力が半減してしまっていた。楽天ブックスが送料無料で岩波文庫の重版などが手に入りやすいので重宝してるが、それ以外ではポイント還元が低くて選択肢から外してしまう。
それに対してPayPayモールの場合は前月までの各種サービスの利用や購入で、当月のポイント還元率が上乗せされる新システムになり、また購入日が日曜日である場合は、携帯電話がソフトバンクユーザーでなくとも+5%上乗せされるので、このようなポイント還元率となった。
それぞれのポイント還元キャンペーンには上限額が設けられているが、それでも20%の還元率なので、ヨドバシカメラやビックカメラと比べても10%多いし、ヨドバシ、ビックカメラなどではポイント還元率が高い分、販売価格もネット店舗と比べると上乗せされているので、他店舗価格で計算すれば実質25%還元くらいはあるだろう。
「迷う理由が値段なら買え。買う理由が値段なら買うな」の意味するところは?
ところで「迷う理由が値段なら買え。買う理由が値段なら買うな」というのは本来どういう意味か、少し洞察してみよう。後者は要は安物買いの銭失いという事ではないだろうか。性能の良し悪しはあまりよく分からないけど、値段が安いから買っておこうかという安易な選択が結局は役に立たない代物を買っていたり性能不足で満足いかなかったりする。
では迷う理由が値段なら買えとはどういうことか。性能は良いけれど値段が高いから迷ってしまうという事だろう。そういうときは買った方が良いというわけだが、一理あるがそうとも限らない。人生はそう単純ではない。無理して買ったら生活が苦しくなったとか、もっと性能の高い新製品が出たとか、欲しいものが買えなくなったとか、株を売ってその商品を買ったらその後株価が10倍に騰がったとか、枚挙に暇が無い。そもそも格言に杓子定規に従えば失敗しないという考え方が愚かだ。
この手の格言は曖昧であるし、1つの格言が繚乱する人生の全てのシーンに適応するとも限らないので、余り掘り下げて考えるのも時間の無駄のようにも思われる。中には安物で充分事足りるというシーンもいくらでもあるからだ。格言としては散漫なイメージで、短い言葉の中に巧くまとまっていない、極意を伝え切れていない感がある。
という事で購入したわけだが、日曜日だったので発送は遅れた。ポートレート撮影日は朝9時半に家を出なければならず早かったので、朝一で届けてくれることを祈りつつ配達時間帯変更をしたのだが、結局家を出るまでに届かなかったので夜に時間帯を変更して大阪に出掛けた。駅までの途上のマンション前でヤマト運輸のトラックが停まっていたので、恐らくもう少し待てば家に届けてくれていたかもしれない。
コロナ禍で撮影が減り、400mmの超望遠レンズで撮るのが一番多くなった
今回は価格で買ったわけだが、果たしてこの選択が正しかったかどうかが判明するには、しばらく時間を要するだろう。というのも、モータースポーツ撮りたさに3年ほど前に購入したCanon EF400mm F5.6 L USMは普段のコスプレ撮影で使うには少し長すぎてモデルとの距離が遠すぎて使いづらく、鈴鹿サーキットも遠いし本戦レースはチケットが高いしで、なかなか使う機会が訪れなかったのだが、コロナ禍で撮影予定が激減した昨今、カワセミを被写体として狙うようになり、大いに出番が増えて活躍することになった。欲を言えばAFが優秀そうなサンニッパが欲しいのだが、400mmでも撮れないことはない。
以下はCanon EF400mm F5.6 L USMで撮影したカワセミの作例。トリミング・等倍表示になる。
Canon EF35mm F1.4 Ⅱ USMの物撮り写真
400mmのレンズの作例紹介記事のようになってしまったが、届いた35mmのレンズの物撮り写真も掲載しておきたい。公式写真の引用ではないことを示すために、塵は取らずに残しておいた。
Canon EF35mm F1.4 Ⅱ USMの作例
作例も掲載しておく。全てF1.4で撮影。
やはり単焦点レンズの性能を試したいときは、開放で撮りたくなる。F1.4に設定した。キヤノンが謳うBRレンズの効果だろうか、収差が認められず、開放からシャープで切れのある描写を実現している。ボケの表現も美しい。
ちょっと撮っただけではそのカメラやレンズの良さは分からないだろうから、またたくさん使い込んでからレビューしたい。