Canon EF300mm F2.8L Ⅱ USMを試し撮りして感じたこと

Canon EF300mm F2.8L IS ⅡUSMはやはり凄いレンズだった。
Canon EF300mm F2.8L IS ⅡUSMはやはり凄いレンズだった。

迷っているレンズがある。Canon EF300mm F2.8L Ⅱ USMは実売価格が約57万円~64万円。一方Zeiss Otus1.4/28は同じく実売価格約57万円~64万円。双方とも一眼レフカメラ用のレンズとしては超弩級の価格とクオリティだ。

Canon EF300mm F2.8L、通称サンニッパは、前から狙っているレンズなのだけれど、価格が高いのと、ツァイスのOtusシリーズの登場で選択肢が増えたためにずっと迷いっぱなしの状態となっている。それに5DsRの登場で、超高画素に対応したEFレンズが続々とリニューアルされ、サンニッパもリニューアルされるのではないか、リニューアルされる前に購入してしまったらすぐに片落ちになって値段も下がるから損だなという懸念から、なかなか手が出せないでいる。

迷っているだけだと何なので、先日キヤノンのショールームに赴いて、サンニッパを試射させて貰った。装着したカメラは5DsR。手ブレに厳しいと言われている5DsRに敢えて巨砲サンニッパを装着することで、写真の解像感と手ブレ防止機能の性能を確かめてみようと思ったのだ。

早速手にしてみると、ズッリシと重い。それに5DsRだとレンズが重く長すぎてバランスが悪い。1DX系に装着すればちょうど良いバランスだっただろう。バッテリーグリップを装着すればバランスの悪さは解消できそうだ。

男の手にも重みを感じる組み合わせなので、実際に構えてみると、おそらくかなり手ブレしているはずだ。望遠レンズが手ブレしやすいのはEF200mm F2.8Lを使って撮っている時に普段から痛感していることだが、300mmとなると更に長いので、おそらく構えている状態でもかなり手ブレしているのが想像できる。

とりあえずショールームの中に飾られているおもちゃの数々を節操なしに撮っていった。深いことは考えない。AFでピントを合わせてパッパッと被写体を変えて撮っていく。AFが速くて撮っていて心地よい。

実際に家に帰ってデータを見てみると、驚くことに1/250秒でも手ブレしていなかった。立った状態で、特に何かに寄りかかるわけでもなく、手ブレしないような構えを撮っていたわけでもなく、慣れないレンズを手持ちで適当に撮ったのに、クッキリとシャープに写っている。これがキヤノンのイメージスタビライザーの威力なのか。早速作例を見ていくことにしよう。以下の写真はすべてマニュアルモードで撮影、ISO感度オートで、JPEG撮って出しとなっている。

シャッタースピード1/250秒で適当に構えて撮ったが、ぶれていない。
シャッタースピード1/250秒で適当に構えて撮ったが、ぶれていない。
上の写真を等倍トリミング。1/250秒でも、全くブレていない。
上の写真を等倍トリミング。1/250秒でも、全くブレていない。

ちなみに5DsRは高感度に弱いとされるが、こちらのISO感度は1000でJPEG撮って出しとなっている。ノイズを全く感じさせることのない美しい仕上がりだ。

JPEG撮って出し。ISO感度1000で撮影したが、ノイズは気にならない。
JPEG撮って出し。ISO感度1000で撮影したが、ノイズは気にならない。

パープルフリンジなどの収差も確認できなかったので、高性能な描写力と手ブレ補正機能を兼ね備えたレンズであることが確認できた。

こちらは1/400秒で撮影。欠点が見当たらない素直で美しい描写力。
こちらは1/400秒で撮影。欠点が見当たらない素直で美しい描写力。
上の写真をトリミングで拡大。Canon EF300mmF2.8L Ⅱ USMは神レンズと言えるだろう。
上の写真をトリミングで拡大。Canon EF300mmF2.8L Ⅱ USMは神レンズと言えるだろう。

Zeiss Otusの広角レンズと悩んでいたが、この高い性能に触れると、サンニッパに物欲がぶれそうだ。最近は飛行機を撮ることも多いし、野外でなら人物撮影にも使える。もし迷っているなら即買いしても間違いなく満足できる神レンズだ。