大阪府立花の文化園でコスプレ撮影したいという依頼を受けて、良く晴れた真夏の日曜に赴いた。2年ぶりの撮影となるレイヤーさんで、1つの作品のコスプレをやり続けている作品愛に溢れた方だ。
花の文化園は以前にロケ撮影候補地に挙がったことがあったので名前だけは朧気ながら覚えていたが、場所がどこだったかは把握できていなかった。南海電車河内長野駅からバスで10分程の所にある「くろまろの郷」というバス停で下車すると、目の前の川を挟んだ緑溢れる丘の上に花の文化園はある。
最近観光地でよく見かける真新しい洒落た字体のピンクの旗が経路沿いに靡いていたのだが、橋を渡った先にあるショートカットの階段が土砂崩れで危険と言うことで、その脇の迂回路を通った。
どちらにしてもカメラリュックとライトスタンドという重たい機材を担いでいるので、あのちょっとした山登りのような階段は敬遠したい。階段を左にスルーして、くの字に戻っていく坂道の方が目的地までさして距離もなく楽だった。
バス停「くろまろの郷」の周囲の様子
公式ホームページにはバス停から徒歩10分と記載されていたが、実際の所は5,6分程度だろうか。目の前の川を挟んだ向こう側の丘にあるから10分という程の距離感はない。バス停の前は道の駅と地域の物産や名物の手作りパン等を販売している真新しく明るい木造のセンターが併設されており、田舎にある昨今の清新な風景を形作っている。
ちなみにくろまろとは、漢字に直すと「玄理」。飛鳥時代に遣隋使として随に渡った学者、高向玄理(たかむこのくろまろ)に由来した郷で、出身地ということだ。ピカピカの顕彰碑が建っていた。
大阪からだとJR新今宮駅からの乗り換えがホームから南海電車の改札へと繫がっていて楽だった。幾つかの駅を飛ばして3,4駅程停車、約30分で河内長野駅に到着。また大阪メトロ御堂筋線の終着駅なかもずから南海電車に乗り換えることも出来るが、通路と長いエスカレーターを経て地上に登り少し歩く分、やや乗り換えが面倒ではある。
コスプレDay
花の文化園は毎週第3日曜日をコスプレの日と定めて、無料で更衣室を貸し出している、コスプレ文化に寛容な大阪府内の施設だ。入場料大人550円(2021年7月現在)を払うだけで、園内の季節折々の花が咲く自然溢れる施設でコスプレ撮影が可能となる。女子更衣室だけでなく男子更衣室も用意されているのが、他の施設やスタジオと異なるところだろう。コスプレをしている男性の数は女性と比べ相対的に少ないので、男子更衣室が用意できなかったりそもそも参加を受け付けていないイベントも散見される。
他の日でも申請すれば有料の更衣室を貸してくれるそうだ。コスプレ撮影時の注意点などは公式サイトの方で確認して頂きたい。
コスプレ文化に寛容と書いたが、公式ホームページの記載だけでなく、実際に現地を訪れて、スタッフの対応や一般客への注意書きなどに触れてみてそう感じずにはいられなかった。
この日の天候
この日の天気予報は午前中は晴れ時々曇りで、午後も同じく晴れ時々曇りだったが、雲のマークの色が灰色だったので、晴れのち曇りの意味だったかも知れない。実際正午近くになると灰色の雲が空を覆うようになったり、不意に空が青く開けたりと気難しがり屋な空模様で、雨こそ朝の狐の嫁入り以外は降らなかったものの、ドラマチックな写真を撮る為の太陽という意味では午後以降は難しい撮影となった。
くろまろの郷行きのバスの本数は少ない
バスの時刻も公式ホームページに掲載されているのでそちらを参考にして頂くとして、軽く素描しておきたい。平日と休日ではバスの来る時刻は変わる。バス停は南海電車河内長野駅の改札を出て右に進むと出口があるので階段を降りる。バスロータリーがあり1番乗り場から何番乗り場までグルッと回ることになるが、7番乗り場へとそのままロータリー沿いに進んで向かう。初めての場所だったのでその方が確実に辿り着ける。
花の文化園に一番近いくろまろの郷の停留所に泊まるバスは1時間に1本もないので、始点で乗客が空っぽのバスでもだいたい満員になる。
並ぶのが早かったので何とか座れたが、発車する頃にはバスが人で埋まった。停留所に停まるまでに何人かは降りていくので、無事前のドアから降りることは出来た。支払いは乗車時にPiTaPaを機械にかざし、下車時には運転席横の機械に再びPiTaPaをかざした。運賃は220円だった。
帰りのバスも本数が少ない。逃すと少し歩いたところにあるバス停に向かうことになる。撮影がちょうどバスが来る30分前に終わったので、14時台のバスに無事乗ることが出来た。こちらも少々混んでいて立たなければならなかった。
園内にはレストランもある。カレーなどが800円か900円くらいで売っていた。あとは苺のあまおうを使ったスイーツやかき氷、台湾タピオカや美味しそうな食事のキッチンカーだったか出店も出ている。
ここまではiPhoneで撮影した写真を掲載した。最新のiPhoneは晴れている野外は綺麗に撮れる。デジタル一眼カメラにも引けを取らない。
大阪府立花の文化園リンク集
ここから先は、花の文化園でコスプレ撮影する際に持っていくと便利なレンズや機材について解説していく。初めての場所に持っていくレンズ選びの考え方を紹介する。(全文:4,500字)