野良でコスプレ撮影するイベントの前はいつも行こうかどうしようか迷う。声を掛けて撮らせて貰うのが面倒だったり、声を掛けるのが面倒だったり、お声がけさせて頂くのが面倒だったり、眠かったり。依頼された撮影なら絶対に行かないと大変なことになるので義務感も生じ事前の準備もバッチリなのだが、この手のイベントは自由参加だから要は本人のやる気次第である。イベント当日の朝まで、前回撮らせて頂いたスタッフ兼アイドルのツイートを見るまでは全く行く気がしなかったのだが、そのツイートを見て即チケットを購入した。
今回の「かみこす」は神戸ポートアイランド。神戸市民だが余り足を伸ばさない場所でもある。何があるかと問われると、数年前に救急でお世話になった市民病院と、車窓から存在感を放つアシックスの本社、かつて同人誌即売会をやっていた国際会議場ぐらいしか思いつかない。買い物する店はないし普段では特に用事が無い場所だ。最近ではよく電車の広告で見かける大学が西の方からこの地に移転した。昔遊園地があったが、USJがトドメを刺したのか、いつの間にか無くなってしまった。FGOの聖地でもあり赤々とした巨軀を誇る神戸大橋はあるが、島の奥までに脚を伸ばすことはない。
果たして自分はやる気があるのだろうか、面倒くさい荷物も地味に重いと思いつつ、JRとポートライナーを乗り継いで会場入り。いつも大阪で撮る事が多いから、距離的にもそんなに遠くないのだが、野良撮影イベントとなるとどうもやる気が出てこない。
到着すると、広場にコスプレイヤーとカメラマンがたくさん。建物3階の受付で手続きを済ませて、地上に戻る。結論としては、今回は実に撮りやすくてやる気も出た。あれだけ面倒面倒と思っていたのにいざ現地に着くと俄然やる気が出る。
撮りやすかった2つの要因
撮りやすかった要因が幾つかある。
まずアクセスが楽。神戸三宮には阪神、JR、阪急の3つの駅が集中しているが、それらの駅から少しばかり歩いて2階にあるポートライナーに乗る事になる。最も近くて分かりやすいのはJRで、大阪方面側、東口の改札を出て右手に曲がり、JRの駅の建物を出るとエスカレーターがあるのでそれを昇り、左手側に行くとポートライナーの改札がある。他の2社の駅からもポートライナーまでそう遠くはない。そういえば神戸空港が数年後に国際便を離発着させる予定だが、この近辺もまた大幅に改修されるのだろうか。
市民広場の駅で降りたら、歩いて1,2分で会場に着く。メリケン広場や神戸ハーバーランドなら駅から20分は重い荷物を担いで歩かなければならない。いっそのこと神戸市バスがJR住吉駅か阪神魚崎駅にバス停を作って、そこから直行でメリケン広場やハーバーランド前にバスが停まるようにしてくれたら大阪から来る人達などは楽だし、余り流行っていない(アンパンマンミュージアムが出来てからはそうでもない?)ハーバーランドにも人が流れてきそうではあるが。メリケン広場も神戸ハーバーランドもアクセスが少し悪い。
1箇所に集中したイベント会場
次に会場の広さが限定されていた点。これが要因としては大きい。今回は広場とその側の建物内の部屋。屋内に関してはスタッフが受付手続きの際にチラシを渡し忘れたから具体的に何処にあるのか分かりかねたし移動するのも面倒だったので今回は見送ったが、屋内故に水着撮影も許可されていたそうだ。一方で屋外の自然光を活かした撮影は捨てがたく、また建物のライトアップを生かした写真も撮れないことはなかったので屋内に入ることはなかった。
会場の範囲が限定されると、移動の手間が省ける。普段の「かみこす」の神戸ハーバーランドとメリケン広場はその名の通り、2つに会場が別れていて目と鼻の先とは言え、波止場をグルッと迂回しなければならずそこそこ距離もあるから、その間の移動が大変。一般人も多いから、余りあちこちウロウロしたくない。普段はメリケン広場の方で撮っているが、1度そこに居着くと、観覧車のあるハーバーランドまで歩きたくない。荷物も重いし休日の人流があるし。どちらの方がレイヤーさんが多いのだろう。撮りたいキャラがずっと一方に居ると逃してしまうことになりかねない。そこが悩ましいところだ。
今回は広場をグルグル回るだけだったので、楽だった。また商業施設が見当たらないから休日の一般人もほとんどいなくて撮影環境としては実に快適。風も夜は少し吹いたが昼の間は吹かなかったので、メリケン広場のような強い海風にライトスタンドが倒れてしまうことに悩まされることもなく、あたかもスタジオで撮っているかのように楽に撮影できた。
撮影環境が快適だと、俄然やる気も出て、行く前はあれだけ面倒がっていたお声がけもすらすらとこなしていく。自然沢山のレイヤーさん達を撮る事になり、気づけばこの日は28組のレイヤーさん方を撮影させて頂いた。この種のイベントでは自己最多記録なのではないか。
直近のイベントでは、ツイッターのQRコードをスマホで表示して貰ってこちらからフォローして、後日ダイレクトメッセージでデータをお渡しするという段取りだったのだが、この日はレイヤーさんのTwitterアカウントのトップ画面を表示して貰って、それを一眼カメラで撮影して、後からメッセージでデータをお渡しするという事が多かった。
どちらの手順でもツイッターにその日コスプレしていたキャラと自撮り写真が掲載されていれば、誰にどのデータをお渡しすれば良いかは一目瞭然なのだが、今回の方式では、レイヤーさんをフォローしなかったためか、それともツイッターの設定で相互フォロー以外からのダイレクトメッセージは受け付けていないためなのか、数人のレイヤーさんは撮影データがお送りできない状態。フォローして解決する問題なのか否か。
新しいロケーションでの撮影、最適なレンズの紹介と、ライティング方法、上手く撮れた方法と反省点などを洗い出していきたい。(全文:11,400字)