花火撮影の記憶

花火は撮る行為だけでも楽しい。
花火は撮る行為だけでも楽しい。

2008年に初めて花火撮影をしたときは、初めてだったけれど、綺麗に花火を撮ることが出来た。それまではどうも面倒くさがりで、家の近くが花火大会の会場なのに、大混雑を避けて家のベランダから、空に上がる花火を見ていた。フルサイズの一眼レフで手持ちで撮ってみたが、当然ブレブレだった記憶がある。

一念発起して面倒くさがりの性格を振り払い、徒歩10分の場所にある花火大会の会場にカメラと三脚を担いで初めて赴いた。そうしたら思いの外綺麗に撮れて面白かったこと面白かったこと。コレが写真撮影の面白さかと合点がいったのだ。

1枚の写真にたくさんの色とりどりの花火を収めることが出来たときは、感動もひとしおだった。
1枚の写真にたくさんの色とりどりの花火を収めることが出来たときは、感動もひとしおだった。

しかしその後数年、花火撮影からは遠ざかる。結局面倒臭かったのだろう。大混雑だし。

ここ2年程は毎年花火を撮りに行っている。何だかんだいって一度家から出ると、足取りも軽やかに電車で7分の最寄り駅に降り立って、そこからバスやロープウェイに乗って、会場に向かうのだ。

そう、ロープウェイである。神戸布引ハーブ園という場所では、丘の上から花火を見ることが出来る。本当は地上から見た方が迫力があるのだけれど、丘の上で花火を見るというロマンチックで粋な見方をするのも一興かと思い、ここ3年程連続して足を運んでいる。

1年目はレンズの選択を間違えて、小さい花火しか撮れなかった。2年目は何だかカメラを持って行くのが面倒臭かったので、手ぶらで遊びに行った。3年目は、天気がぐずついていて雨もぽつぽつ降っていたので、スマホの雨レーダーと睨めっこして直前まで迷ったが、夕方5時頃に思い切って家を出た。

出たものの、ロープウェー乗り場の前には長蛇の列が続き、1時間以上も待たされた上に、丘に到着した頃には花火開始から30分以上が経過してしまっていた。

F13まで絞って撮影。花火は綺麗だが、夜景も写っていればなお良かった。花火撮影のカメラの設定は難しい。
F13まで絞って撮影。花火は綺麗だが、夜景も写っていればなお良かった。花火撮影のカメラの設定は難しい。

なので、みなと神戸花火大会の日には、ロープウェイの行列を避けるため、お昼に行くことをお薦めする。ハーブ園なので美しい花々を愛でることが出来るし、レストランには布引バーガーという絶品のハンバーガーも提供されている。日が暮れるまで飽きることはないだろう。

布引バーガー。
布引バーガー。

とはいうものの、花火撮影スポットとしては、余りお薦めできないかもしれない。右側の山の茂みが邪魔をして、風景写真としてはバランスが悪い。もっと前で撮れば良かったのかもしれないが、着いたときには既に人で一杯である。写真を撮るには余り向かないが、デートに来るならちょうど良い。ロマンティックな気分に浸れる場所だ。

山の茂みが端の方に写り込んでしまう。混雑で構図を決めるのも難しい。
山の茂みが端の方に写り込んでしまう。混雑で構図を決めるのも難しい。

3年前はもう少し人が少なくて和やかな雰囲気だった気がする。おばあさん達がどこからかベンチをうんせうんせと丘の上に運んで、その頑張りをおじいさんが笑いながらベンチに座った。周りは弁当など広げて花火が始まるのを今か今かと待っていた。

花火を山の上から見れる有名スポットになったのだろうか。今年は風景写真の分野にも本格的に参入していきたいので、別の場所から撮ろうかなと考えている次第だ。