コストパフォーマンスに優れたキヤノンのLレンズ、EF200mmF2.8L Ⅱ USMは筆者お気に入りのレンズである。背景を引き寄せる圧縮効果を狙った写真を撮りたいときに便利。雨撮影の時などは、ストロボと併用して、雨粒をたくさん写すのに適している。
そんなお気に入りのレンズの一つなのだけれど、時々背景の暈けがうるさく感じるときがある。緑の木々などが多いところで開放で撮ると、何だかエラく不自然な暈け方をするなぁと感じるときがあるのだ。
実際にMFに切り替えて、ファインダーを覗きながらフォーカスリングを回してみると、万華鏡のように暈けが刻々と変化していく。何というか、変わったクセのあるレンズである。
そんな変な暈け方になってしまうときは、絞りを絞るか別の単焦点レンズに変えれば良いだけの話なのだが、半年ほど前に撮影したその時の写真をふと見返してみたら、この暈け方はこれはこれで面白いと思ったのだ。
何だかゴッホの絵画調に暈けている。と久しぶりに写真を見返して気づいた。撮影時にはそんなことは全く思わなかったのに、月日が経ち、気持ちに余裕が出てきたせいだろうか。
この日は5DsRに付けて撮影したが、手ブレしやすいレンズなのでいつもよりもヤヤ速めのシャッタースピードに設定しなければならない上に、鬱蒼とした場所で晴れていても暗く、ISO感度も800まで上げなければならなかった。
高感度に弱い5DsRとはいうものの、素晴らしい絵を紡ぎ出してくれた。200mmの描く絵にほれぼれするにつれ、手ブレ防止機能もついた夢のサンニッパが欲しいと思う今日この頃である。